プレスリリース
2005
2005年9月6日
関西電力株式会社
美浜発電所3号機 2次系純水系統におけるトリチウム検出の原因と対策について
美浜発電所3号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力82万6千キロワット、定格熱出力244万キロワット)は、美浜発電所3号機事故により停止中(第21回定期検査中)ですが、8月23日、管理区域内(補助建屋)ホット化学室で、2次系純水※ の放射能濃度を測定したところ、通常は検出限界値未満であるトリチウム※ が微量検出(約7.87×102Bq/cm3)されました。その後、調査を行った結果、中間建屋や管理区域内(補助建屋)の系統に供給している水およびA,B-ディーゼル発電機のシリンダ冷却水(2次系純水)、B-ディーゼル発電機室のサンプ水からもトリチウムが検出されました。このサンプ水は、構内排水処理装置で処理され1,2号機放水口から放出されており、このため、サンプ水の移送は当面実施しないこととしました。
以上のことから、微量のトリチウムを含む2次系純水が、一時的に管理されずに放水口から放出された可能性があると推定されました。(推定放出量:約1×109Bq)なお、美浜発電所から放出される液体廃棄物のトリチウム量は平成16年度実績で1.57×1013Bq(年間放出管理基準値は1.2×1014Bq)であり、今回の放出量はそれらと比べて十分低く、周辺環境への放射能の影響はありません。
以上のことから、微量のトリチウムを含む2次系純水が、一時的に管理されずに放水口から放出された可能性があると推定されました。(推定放出量:約1×109Bq)なお、美浜発電所から放出される液体廃棄物のトリチウム量は平成16年度実績で1.57×1013Bq(年間放出管理基準値は1.2×1014Bq)であり、今回の放出量はそれらと比べて十分低く、周辺環境への放射能の影響はありません。
※ | 2次系純水 : 1次系および2次系の機器で使用する水(放射能を含まない)。 | |
※ | トリチウム : 陽子1個、中性子2個の原子核からなる水素の放射性同位体(半減期は約12年)で、原子炉内では、核分裂、冷却水中の重水素の中性子吸収、制御材であるホウ素(ボロン)の中性子反応などによって生成され、1次冷却水中に含まれている。宇宙線などによっても生成されることから、自然界(水中)にもわずかであるが存在する。 |
〔平成17年8月24日 お知らせ済み〕
1.調査結果 | |
検出された2次系純水のトリチウムの濃度等から、原因として1次系純水が2次系純水系統に混入した可能性があると推測されたため、1次系純水系統と2次系純水系統とを接続している配管や、仮設ホースを用いた作業実績(7月1日~8月23日)について調査を行いました。 |
(1)配管系統での接続状況 | |||||||
2次系純水系統が、配管系統で1次系純水系統と接続されているのは5系統あります。これらの系統は、1次系純水系統に対するバックアップ用として、複数の弁を介して閉め切られていることから、本来1次系純水が2次系純水系統に流れ込むことはありませんが、詳細に調査した結果、以下のことが判明しました。
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(2)仮設ホースを用いた作業 | ||||||||||
管理区域内を含めて、機器の洗浄等には2次系純水を使用しており、このため、2次系純水系統には仮設ホースの接続可能な箇所が116箇所あります。これらの箇所について、作業に伴う仮設ホースの接続実績を確認した結果、以下のことが判明しました。
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(3)1次冷却材ポンプの封水注入配管洗浄作業について | |
当該作業において、1次系純水が2次系純水系統に流れ込む可能性があるかどうか調査しました。 |
2.推定原因 | |
1次系冷却材ポンプの封水注入配管の洗浄作業時において、1次系純水と2次系純水を仮設ホースにより同時に使用した際、封水注入流量調整弁の開度が不十分であったことから、1次系純水が2次系純水系統に流れ込み、2次系純水系統の広い範囲にトリチウムが拡散したものと推定されました。 |
3.環境へのトリチウム放出量の評価 | |
2次系純水へのトリチウム混入時期が8月11日の作業によるものと推定されたことから、すでに判明している非常用ディーゼル発電機室サンプから、構内排水処理装置を経て、海水中に放出されたトリチウム量を再評価した結果、約1×108 Bqと評価されました。(8月24日時点では約1×109 Bqと評価) また、今回の調査の過程で、8月11日以降に、トリチウムが混入した状態の2次系純水により廃棄物処理設備排水モニタの洗浄を行い、2次系純水が海水へ放出されたことがわかりました。同モニタの洗浄により放出されたトリチウム量は、約1.2×109 Bqと評価されました。 以上より、今回の事象により管理されずに海水中に放出されたトリチウム量は、合計で約1.3×109Bqであり、年間放出管理基準値(1.2×1014Bq)の約10万分の1と十分低く、周辺環境への放射能の影響はありませんでした。 |
4.対 策 | |||||||
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以 上