プレスリリース

2005年3月10日
関西電力株式会社

大飯発電所3号機の原子炉手動停止に伴う点検状況について

 大飯発電所3号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力118万キロワット、定格熱出力342万3千キロワット)は、定格熱出力一定運転中のところ、3月7日15時50分頃、原子炉格納容器内の格納容器冷却材ドレンタンク*1室内に水溜りがあることを、定例の格納容器内点検中の運転員が確認しました。
 また、水溜り上部の換気空調用ダクトに水滴の付着が認められることから、当該室の上部より水が滴下しているものと推定されました。
 原子炉格納容器サンプの水位上昇率が4号機と比べて若干高く推移している(3号機:約2リットル/h、4号機:約1リットル/h)以外に、プラントパラメータや格納容器内の放射線モニタ等に異常は認められませんでした。
 水溜りの水を分析した結果、1次冷却水である可能性が確認されたことから、原子炉を停止して漏えい箇所の特定や詳細な点検調査を行うこととしました。
 なお、本事象による環境への影響はありません。
 
  *1: 格納容器冷却材ドレンタンク
  原子炉格納容器内に設けられた、1次冷却材ポンプ軸シール水の一部等が回収されるタンク。

[平成17年3月7日 お知らせ済み]

  3月7日、21時35分から出力降下を開始し、翌8日3時55分に発電を停止、同日5時02分に原子炉を停止しました。
 
 1次冷却材系統降温操作を行った後、原子炉格納容器内の点検を行ったところ、格納容器冷却材ドレンタンク室上部にある、加圧器気相部(加圧器内上部の蒸気を含んだ気体部分)の試料採取系統*2配管で、約1mの範囲において、保温材外面に、白い付着物(1次冷却水中に含まれるほう酸)を確認しました。その他の1次冷却材系統の機器に、漏えいの形跡は認められませんでした。
 当該配管について、保温材を取り外し、外面観察を行った結果、配管の接続部(カップリング)において、溶接部に直径約1mm程度の微小な穴が認められ、配管内部を加圧したところ、当該の微小な穴から漏えいが認められました。
 以上のことから、加圧器気相部試料採取系統配管の配管接続部の溶接部から、1次冷却水の漏えいが発生し、格納容器冷却材ドレンタンク室床面に滴下したものと推定されました。
 今後、当該配管漏えい部を切断し、試験施設に搬出して、詳細に原因調査を実施する予定です。
 
  *2: 加圧器気相部試料採取系統
  1次冷却材系統の圧力や保有水量を一定に維持するために設置されている加圧器においては、急激な圧力変動に追従するため、液相部(液体部分)のほかに気相部(気体部分)を有している。このうち、気体部分の水素や希ガス濃度の測定や、停止時には1次冷却水の脱ガス(水素等の除去)操作においても使用する系統。


 以 上
プレスリリース