プレスリリース

2004年11月13日

美浜発電所3号機2次系配管破損事故を踏まえた当社の今後の取り組みについて

  当社では現在、美浜発電所3号機2次系配管破損事故のさらなる原因究明、抜本的な再発防止対策の確立に向け全力で取り組んでいますが、原子力発電所の安全確保対策を強化するとともに、福井県との共生をより一層進めるため、下記の事項に取り組むことといたしました。

 

1. 安全確保策について

 

 今回の事故を踏まえ、当社が責任を持って発電所を管理、保全する体制を強化し、また、高経年プラント全体の安全確保対策に全力で取り組む。

 

 

2. 福井県との共生に向けた決意

 

 事故から3ヶ月を経過したが、関西地域における使用電力量の約6割を担う11基のプラントを福井県に立地させていただいている当社としては、福井県の皆様との共存、共栄が何よりも大切であり、皆様の信頼がいただけるよう地域との共生に本格的に取り組んでいく。

 これまでも、私どもとしては地域との共存、共栄を図ってまいったつもりであったが、今一度原点に立ちかえり、福井県との新しい時代の共生に向けた取組みを進めてまいる決意である。

 

 

3. 具体的取組事項

 

 いろいろな機会に西川知事が発言しておられることも踏まえ、当社として何をなすべきかということを、事故以来、懸命に考えてきたものである。

 本日は、その骨格がまとまったので、これらに全力で取り組むことを福井県民の皆様にご報告し、お約束したい。

 

 

(1) 安全確保対策について

 

これまで協力会社に外注してきた2次系配管肉厚管理について、今後は当社が責任を持って管理運用を行うとともに、さらに「原子力保全機能強化検討委員会」の議論を踏まえて、保全業務全般についても当社が自ら責任を持って管理する体制を強化するなど検討結果に基づいて改善策を実施する。

 

今回の事故の背景が原子力発電所の高経年化にあることから、運転開始以降30年以上を経過した高経年プラントの2次系配管肉厚管理については、余寿命10年未満になるものはすべて点検を行うなど2次系配管の点検を強化するとともに、積極的に耐食性の優れた材料への取替えを実施する。また、高経年プラント全体の安全確保対策に当社が責任を持って取り組む。

 

今回の事故を踏まえ、安全協定については、県の要請に基づく運転停止など、必要な見直しに向けて福井県・立地町と協議を開始する。

 

 

(2) 地域との共生について

 

再発防止に向けて責任体制や指揮命令系統を明確化するための社内体制整備の一環として、また原子力発電事業の基盤を福井県に置き事業を運営するという地域共生の観点から、来年、原子力事業本部を福井県に移すことを具体化するよう考えており、労働組合との協議を進めていく。

 

長期的な福井県の発展、地場産業に繋がるよう福井県が進める「エネルギー研究開発拠点化構想」の具体化について、全社をあげて取り組む。また、この構想において新たな課題となっている高経年化研究や高度医療研究の推進に積極的に協力する。

 

 

以  上

 

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