プレスリリース

2004年10月25日

美浜発電所1号機の2次系配管点検結果について
(タービン動補助給水配管の肉厚不足)

 美浜発電所1号機は、平成16年9月5日から2次系配管点検のため停止中ですが、10月15日に発生した日本原子力発電(株)敦賀発電所2号機の「A低圧給水加熱器ドレンタンク常用水位制御弁下流側配管からの漏えい」事象を受け、漏えい発生箇所と同じ1箇所について、既に肉厚測定を実施し、計算必要厚さを十分満足していることを確認しました。
  また、漏えい発生箇所と類似箇所である制御弁下流側配管のうち、過去に点検実績のない箇所、および余寿命が10年未満の箇所の合計15箇所について点検を行うこととしました。


〔平成16年10月19日 お知らせ済み〕

 

 タービン動補助給水系統(※) のB補助給水流量調整弁下流側配管の肉厚測定の結果、配管の一部が法律に基づき国に報告する対象となる厚さ(5.8mm)を下回っていることを確認しました。(測定最小値 5.6mm)
 当該配管以外の14箇所については、法律に基づき国に報告する対象となる厚さを満足していることを確認しています。
 B補助給水流量調整弁下流側配管を切断し、内面観察等の調査を実施した結果は以下のとおりです。

(※)補助給水系統:事故時などプラントが停止し蒸気発生器の水位が低下した場合に使用する系統であり、通常は水が流れない系統である。

1. 調査結果

(1) 配管内面観察結果
 エロージョン・コロージョン特有の鱗片状模様はなく、減肉は認められませんでしたが、切削(シンニング※) 加工跡を確認しました。

(※ シンニング):配管突合せ溶接部を平滑化するために、接合部内面を切削すること。
これにより配管の肉厚は他の部分より薄くなる。

(2) 寸法計測結果
 ・ 肉厚測定で最小値が測定された箇所は、シンニング加工部であることを確認しました。
 ・配管内径を計測した結果、当該調整弁の内径の方が配管内径よりも約6mm大きく、当該調整弁の内径にあわせて、配管内面がシンニング加工されていたことを確認しました。
 ・ 当該配管のシンニング加工部の偏心状況を確認したところ、肉厚測定で最小値が測定された対面の肉厚測定値は約7.2mmと厚くなっており、偏心して加工されていたことを確認しました。

 (3)建設時の施工管理の調査
  当該配管は、昭和45年の建設時に現地で溶接されていますが、開先加工装置で加工する際の芯だし(中心決め)は、目視で実施していたことから、シンニング加工時に偏心が発生する可能性があると推定されました。

2.同系統のシンニング加工部の肉厚測定

 追加点検として、当該調整弁上流側配管およびA補助給水流量調整弁上流側配管について肉厚測定を実施した結果、A補助給水流量調整弁上流側配管の一部が、法律に基づき国に報告する対象となる厚さ(5.8mm)を下回っていることを確認しました。(測定最小値 5.7mm)
 当該配管についても、切断し調査を行ったところ、B補助給水流量調整弁下流側配管と同様にシンニング加工跡が確認され、その一部について、法律に基づき国に報告する対象となる厚さを下回っていることを確認しました。
 また、当該配管のシンニング加工部の偏心状況を確認したところ、肉厚測定で最小値が測定された対面の肉厚測定値は約7.8mmと厚くなっており、偏心して加工されていたことを確認しました。

3.推定原因

 配管内面観察結果等から、配管内面シンニング加工後の配管厚さが、法律に基づき国に報告する対象となる厚さに対して余裕が少なかったところに、配管と開先加工装置との間にわずかに芯ずれが生じたことにより、法律に基づき国に報告する対象となる厚さを部分的に下回る部位が生じたものと推定しました。

4.対策

  法律に基づき国に報告する対象となる厚さを下回った2箇所の配管については、同種材料の配管に取り替えます。

以 上


(経済産業省によるINESの暫定評価)
基準1 基準2 基準3 評価レベル
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INES:国際原子力事象評価尺度

 

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