プレスリリース

2004年9月27日

美浜発電所3号機2次系配管破損事故に係る報告について(現時点でのとりまとめ)

(1)配管破損メカニズムに関する調査   
a.現場調査   
 (a)外観観察       
 A系配管(破損配管)は頂上部近傍で軸方向及び周方向に大きく破口。   
 (b)肉厚測定       
 A系配管及びB系配管について超音波肉厚測定器による肉厚測定を実施した結果、いずれもオリフィス下流側においては、ほぼ全周にわたり減肉傾向が認められ、オリフィス上流側においては有意な減肉傾向は認められなかった。   
 (c)配管内面観察       
 A系配管のオリフィス下流側について、破口部からデジタルマイクロスコープにて配管内面の観察を行った結果、残留水によって表面が腐食し表面状態が変化したと推測される180°位置(配管底部)を除くすべての内面に、約1mm幅の鱗片状模様が一様に認められた。   
b.給復水の水質履歴      
 2次系の水質管理履歴を調査した結果、給水、復水のpH、溶存酸素など給水処理に係わる水質データは、いずれも水質管理値内に維持されていた。   
c.破損メカニズムの推定      
 当該部はオリフィス下流部位での流れの乱れによりエロージョン・コロージョンが発生したことにより減肉が進行し、肉厚が薄くなった部位が内圧により破口したものと推定される。
 
 
(2)配管肉厚管理に関する調査   
a.PWRにおける2次系配管の肉厚管理   
b.当該破損部位の肉厚管理状況の調査     
詳細な経緯については、添付2を参照   
c.他プラント等の状況  
 (a)肉厚管理の状況       
 美浜3号機を含む全プラントの2次系配管の肉厚管理状況について、記録類をもとに調査した結果、肉厚管理未実施の部位が6箇所、同一仕様プラントの測定結果から健全性は確認できるものの、肉厚管理が未実施であった部位が11箇所あることを確認した。また、過去の点検記録の確認過程で「発電用火力設備の技術基準の解釈について」の「ただし書」を特例的に適用し、健全性評価を行うという不適切な事例があることが判明した。   
 (b)肉厚管理未実施部位等の点検状況
 運転中のプラントを計画的に順次停止し、全てのプラントについて、上記の肉厚管理未実施部位、美浜3号機の破損部位と同等部位、その他の給水・復水系統のオリフィス下流部位等について、超音波肉厚測定器による肉厚測定を実施し、健全性を確認しているところである。
 

以  上
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