プレスリリース

2004年3月30日

「自然冷媒(アンモニア)高効率ヒートポンプチラー」の開発・販売について~地球環境にやさしいアンモニア冷媒を採用、4月より販売開始~

 株式会社東洋製作所と東京電力株式会社、中部電力株式会社、関西電力株式会社の4社は、このたび、ビルや工場の空調に使用する空冷ヒートポンプ分野において、オゾン層を破壊しない環境性に優れたアンモニア冷媒を採用し、業界最高効率を実現したヒートポンプチラー*1を共同開発し、4月1日より販売を開始いたします。  

 近年、テナントビルや工場などにおいては、エネルギーコストの低減ニーズに加え、オゾン層を破壊しない冷媒の採用やCO2排出量の低減を目的とした地球に優しい省エネルギー製品への感心が高まっております。4社は、そうしたお客さまニーズにお応えするために、次の優れた特徴をもつ機器を開発いたしました。

  1. 地球環境に優しい!
      オゾン層破壊係数*2(ODP)と地球温暖化係数*3(GWP)がともにゼロの自然冷媒「アンモニア」を採用した地球環境に優しいヒートポンプチラー。
  2. ランニングコストが安い!
     理論COPの高い冷媒(アンモニア)、高効率圧縮機、冷却効果を高めた散水式空気熱交換器の採用により、従来のフロン系の空冷ヒートポンプチラー(東洋製作所製 COP2.9/2.7(冷却時50/60Hz))に比べ高効率化を図り、COP*45.1/4.9(冷却時50/60Hz)を実現。これにより、年間を通じたランニングコスト(電気代、水道代、メンテナンス代を含む)を約35%削減。
  3. 安全!    
     万が一、冷媒が漏洩したとしても、密閉ダンパ*5、高性能除害装置*6、誤作動のないアンモニアセンサーにより安全対策が万全。
  4. 省スペース化!
     除害装置をユニットに内蔵したことにより、外置きタイプの東洋製作所製従来機と比較して、約50%(当社比)の省スペース化を実現。
  5. モジュール連結方式*7で幅広い空調負荷に対応!   
     開発機を複数台組合せることにより95kW~950kW/106kW~1,060kW(冷却時50/60Hz)まで幅広い空調負荷に対応。また、運転台数を負荷状態にあわせて変化させることで、負荷に見合った高効率な運転が可能。

 なお、東洋製作所は本年4月1日から商品名「珊瑚(サンゴ)」として販売を開始いたします。製品価格は1,500万円で、初年度は60台以上、3年後には年間600台以上の販売を目指します。

 また、電力3社は、エネルギー間競争が激化する中で、お客さまから選択していただけるようソリューション営業力の強化に取り組んでおりますが、今回の機器の開発は、そうした強化策のツールとしても期待されます。

以 上

*1 ヒートポンプチラー:
  ビル空調、工場空調等に使用する冷温水を生成する機器
*2 オゾン破壊係数
  フロン系冷媒(R11)がオゾン層破壊に与える影響を1とした時の係数。
*3 地球温暖化係数
  二酸化炭素が地球温暖化に与える影響を1とした時の係数。
*4 Coefficient of Performance:
  COP=(冷・暖房能力/消費電力)値が大きいほど省エネ性が高い
*5 密閉ダンパ
  アンモニアガスをユニット内に密閉するために、空気吸い込み口などに設けられたシャッター
*6 高性能除害装置:
  アンモニアガスをそのまま外に漏らさないように水などによって希釈する装置
(アンモニアを冷媒に使用した一定能力以上の設備については、高圧ガス保安法によりアンモニア除害装置の設置が義務付けられている。)
*7 モジュール連結方式
  開発機を1つの構成単位(モジュール)とし、連結することで負荷に対応する方式

<参考資料>


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