プレスリリース

2004年2月27日

美浜発電所1号機の原子炉起動および調整運転の開始について
(「制御棒駆動系機能検査」手順書不備に係る検査中断の原因と対策)

 平成16年2月23日に記者発表しました「美浜発電所1号機の原子炉起動および調整運転の開始」につきましては、2月24日17時00分頃に原子炉起動予定でしたが、起動前に行う必要がある「制御棒駆動系機能検査」の検査手順書の一部に不備があったため、検査手順書の見直しを行うことから、原子炉起動および調整運転の開始が当初予定より遅れることとなりました。  
 なお、制御棒駆動系設備に不具合は発生しておりません。

平成16年2月24日 お知らせ済)  

1.事象の概要    
 平成16年2月24日、定期検査中の美浜発電所1号機で、制御棒を完全に引き抜いた状態から落下させ、所定時間内に完全に挿入されることを確認する「制御棒駆動系機能検査」を開始しました。  
 検査にあたって、制御棒29本を順次引き抜く操作を行っていたところ、制御用制御棒の一つのグループ(4本)が、検査手順書で定めた位置(317ステップ)より1ステップ多い、318ステップまで引き抜かれていることを、当社の検査員が確認したため、検査を中断しました。

  
2.今回の事象の発生原因  
 制御棒を引き抜く手順として、制御棒を動作させるタイミングを調整するための動作信号を発信する回路(以下、マスタサイクラ)の位置確認※が実施されなかったことで今回の事象が生じました。  
 調査の結果は以下のとおりです。   
※グループ化した制御棒をそれぞれ動作させるための、マスタサイクラ信号表示の確認。
従来の検査においては、運転担当部署で制御用制御棒の引き抜き開始前までの検査準備を行い、その後、保修担当部署が引き継いで検査を実施していましたが、今回の定期検査から、実施体制を検査準備から一貫して運転担当部署が行うこととしました。
検査手順書に記載はありませんでしたが、従来から保修担当部署は検査前確認としてマスタサイクラの位置が適切であることの確認を行っていました。
今回、検査の実施を保修担当部署から運転担当部署に移管した際に、従来の手順書をもとに、これまでから検査を実施していた保修担当部署が、新たな検査業務手順書を作成しましたが、制御用制御棒引き抜き前に実施するべき、マスタサイクラの位置確認については従来同様記載していませんでした。
そのため、新たに検査実施担当となった運転担当部署が、新しい検査手順書に従って検査を進めた結果、マスタサイクラの位置確認が実施されなかったものです。

 
3. 対策  
 今回の事象が発生する可能性のある、制御用制御棒の引き抜き操作を実施する前にマスタサイクラの位置が適切であることの確認を行うことを、検査手順書に明記します。


 本日、見直した検査手順書を用いて再度「制御棒駆動系機能検査」を実施し、検査合格後、原子炉を起動し、明日28日に臨界に達する予定です。  
 その後は諸試験を実施し、2月29日頃に定期検査の最終段階である調整運転を開始し、3月下旬頃には経済産業省の最終検査を受けて本格運転を再開する予定です。                                     

以 上

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