プレスリリース
2003
2003年7月29日
大飯発電所4号機の原子炉起動および 調整運転の開始について
1. 今回の定期検査を利用して実施した主要な工事 | ||
(1)1次冷却材ポンプ供用期間中検査等 (図-1参照) | ||
1次冷却材ポンプの供用期間中検査として、4台ある1次冷却材ポンプのうち、B-1次冷却材ポンプについて、主フランジボルト並びに同締め付け部等の耐圧部の健全性を確認するとともに、分解検査としてインペラ等の内部部品について点検を実施しました。 また、長期的な設備信頼性維持の観点より、昇温、降温時における振動安定対策として、改良型サーマルスリーブ(*)に取り替えるとともに、併せて主軸についても取り替えました。 (*)サーマルスリーブ:主軸への熱影響を緩和するために取り付けられている部品。 |
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(2)原子炉容器照射試験片取出工事 | ||
中性子照射による原子炉容器の材料特性変化を定期的に把握するため、原子炉容器内部に設置している照射試験片を取り出しました。 | ||
(3)2次系熱交換器他取替工事 (図-2参照) | ||
2次系給水系統の水質向上対策として、給水加熱器および湿分分離加熱器の伝熱管について、銅合金から耐食性に優れたステンレス製に取り替えました。これにより、蒸気発生器への不純物の持ち込みの低減を図ります。 | ||
2.今定検中に実施した保全対策について | ||
(1)余熱除去系統他配管の点検工事 (図-3参照) | ||
国内PWRプラントのステンレス配管に貼り付けられた塩化ビニールテープが原因で応力腐食割れが発生した事例に鑑み、余熱除去系統や化学体積制御系統等の配管について、配管外表面の点検を行い、塩化ビニールテープの貼り付け跡が認められた箇所について、浸透探傷検査(PT)を実施しました。 その結果、1箇所で指示模様が確認されたため、軽微な手入れを行いましたが、指示が残存しました。当該箇所については、超音波探傷検査(UT)により必要厚さを満足していることを確認しましたが、今後の継続的な点検に伴う作業性等を勘案し、念のため、同種の配管に取り替えました。 |
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(2)海塩粒子による応力腐食割れに係る点検 | ||
国内プラントにおいて、ステンレス配管に海塩粒子が付着し、応力腐食割れが発生した事例に鑑み、海塩粒子が付着しやすい場所にあるステンレス配管(海水系配管下方にある配管等)2箇所について、目視点検および配管表面の塩分量測定を実施し、異常がないことを確認しました。 | ||
3.蒸気発生器伝熱管の渦流探傷検査(ECT)の結果 | ||
4台ある蒸気発生器のうち、BおよびD-蒸気発生器伝熱管(計6,764本)について、健全性を確認するため渦流探傷検査(ECT)を実施した結果、有意な信号は認められませんでした。 | ||
4.燃料集合体の検査結果 | ||
燃料集合体(25体)について外観検査を実施した結果、異常は認められませんでした。また、燃料集合体全数193体のうち、93体(うち76体は新燃料集合体)を取り替えました。 | ||
5.次回定期検査の予定 | ||
平成16年秋頃 |
以 上
<参考資料>