プレスリリース

2002年3月29日
関西電力株式会社
三菱重工業株式会社

CO2回収技術に関する研究を受託中

 関西電力(株)と三菱重工業(株)はKvaerner Process Systems社*1と共同で、海外のコンソーシアム・CCPからCO2回収技術に関する研究を受託中です。
 本コンソーシアムはCO2回収処分による温室効果ガスの削減とEOR(Enhanced Oil Recovery)の推進を目的として石油メジャー9社*2により設立されたもので、CO2回収、固定化に関し有望な技術を有する企業に対するファンド付与により技術開発支援を行い、CO2回収処分のコストダウンを図ることを目指した研究プロジェクト(CCP:CO2 Capture Project)を推進しています。

 関西電力(株)と三菱重工業(株)は地球環境問題への対応を目指し、従来から化学吸収法による火力発電所排ガスからのCO2回収技術の開発に共同で取り組んできており、マレーシアの尿素工場に利用される等、最も進んだ技術として世界的にも注目されています。Kvaerner Process Systems 社も、従来から膜を用いた天然ガスからのCO2回収技術の開発に取り組んできており、多くの実証経験を有しています。

 今回の研究受託は3社の保有技術がコンソーシアムの目指しているCO2回収のコストダウンに大きく寄与する有望な技術であると認められた結果であり、関西電力(株)と三菱重工業(株)が共同開発したKS-1吸収液とKvaerner Process Systems 社が開発したMembrane Contactor*3を組み合わせたシステムについて関西電力(株)の南港発電所(大阪市)でのパイロット試験を終了し、現在、試験結果やシミュレーション結果等の解析を実施しています。今後、CO2回収性能の改善と運転コストの大幅な低減の可能性について、総合的な評価を実施する予定となっています。

 パイロット開発において高い評価を受けた技術については、次期技術開発段階(実証プラント開発)への展開が図られる計画となっており、今回の技術開発への参加により、CO2の有効活用、地球環境問題への対応に大きく貢献できるものと期待しています。

*1 Kvaerner Process Systems社
ノルウェーに本部を置く、エネルギー・環境関係の重工業会社
*2 石油メジャー9社
BP Amoco、ENI、Norsk Hydro、Chevron、Texaco、Pan Canadian、Shell、Statoil、Suncor Energy
*3 Membrane Contactor
中空糸膜を利用した液/ガス接触設備
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