当社はこのたび、三菱重工業株式会社と共同で、火力発電所の排煙に含まれるCO2を、ジメチルエーテル(DME)
(注1)に変換する技術を開発し、南港発電所に設置したテストプラントで、その合成に成功しました。CO2を原料に、実用機を模擬したプラントで合成に成功したのは、国内で初めてのことです。これにより、当社のCO2有効利用技術の選択肢が一つ増えたことになります。
DMEは人体に無害なことから、現在は化粧品などのスプレー缶に封入する噴射剤として利用されていますが、近年、LPGや軽油の代替となりうるクリーンな新燃料として注目されています。そこで当社と三菱重工業は、CO2有効利用の有望な選択肢の一つとして、本研究を進めてまいりました。
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今回開発したDME合成方法の特徴は、次の通りです。
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火力発電所の排煙に含まれるCO2が原料です。(一般的に用いられている原料は、主に天然ガス。) |
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CO2と水素を反応させ、直接DMEを合成します(直接法)。これは、合成プロセスを簡素化し、将来的に、製造設備のコンパクト化を図るためのものです。(一般的な方法は、天然ガスから、まずメタノール(注2)を合成し、次にメタノールから水分を取り除いてDMEを合成(間接法)する。) |
当社は、CO2炭層固定化技術開発プロジェクトに参画するなど、CO2の処分に関する研究開発に積極的に取り組んでおりますが、本技術も有効なCO2利用技術であると考えております。当社と三菱重工業は今後、DMEの需要動向を見極めながら、さらなる合成効率向上や、製造コスト削減を目指して研究を進めるとともに、事業性についても検討して参ります。
以 上
(注1) |
ジメチルエーテル(Dimethyl Ether)…分子式CH3OCH3で示されるエーテルの一種。性質は、LPGの主成分であるプロパン、ブタンに類似しており、無色透明、可燃性、無臭の気体。 |
(注2) |
メタノール…別名メチルアルコール。分子式CH3OHで示されるアルコールの一種。無色透明、流動性、揮発性、可燃性、刺激臭、毒性のある液体。 |
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