プレスリリース

2002年4月11日

園芸苗用開放型空調システムの開発について

 当社はこの度、園芸用の苗のハウス栽培において、作業性が高く、苗の品質向上に貢献すると同時に、大幅なコストダウンを実現した園芸苗用開放型空調システムを開発しました。

 パンジーやキンギョソウといった園芸苗は、ガーデニングの定着で近年その出荷数が増加しており、全国で毎年約10%ずつ販売量が増加しています(平成12年度の園芸苗の出荷数:5億7千万本)。こうした園芸苗は、主にハウスで育成されますが、夏に品質の良い苗を効率よく生育させるためには、ハウス内を冷却する必要があります。

 冷却の方法として、これまでは、ハウス内全体を冷却するシステムや、必要箇所のみ局所的に冷却するシステムが採られてきました。しかし、全体空調はイニシャル・ランニングコストともに高いため、高価なコチョウラン等の栽培にしか使われておらず、また局所空調は、コストは安いものの、保冷効果を高めるために、都度冷却したい箇所をシートで覆う必要があることから作業性が悪く、シートで覆った箇所は太陽光が当たりにくいという難点もあり、一般に普及していません。

 そこで今回、グループ会社の株式会社関西総合環境センターに委託して開発した新しい局所空調システムは、ハウスの床にあたる栽培ベンチ、つまり苗の根元から空調空気を吹き出させ、苗を直接冷却するとともに、水を吸収するシートを栽培ベンチに内蔵してその気化熱を利用、さらに、栽培ベンチの縁に断熱材を内蔵した壁をつくって保冷効果を高めたことで、苗の上部をシートで覆わない「開放型」としました。
 これにより、低コストで効果的という局所空調システムのメリットはそのままに、作業性の悪さと太陽光の当たりにくさという従来の課題をクリアできました。
 また、自動温度コントロールやタイマー機能を備えており、様々な品種に対応するきめ細かな空調環境が設定できます。

 本システムは、今後、近畿の全ての園芸苗ハウスの約10%にあたる560セット (1セット=標準タイプ・15坪仕様)を当面の販売目標として、株式会社関西総合環境センターにて販売を開始いたします。当初は近畿圏の顧客にアプローチを始め、将来的には営業販売体制を強化し、全国で販売を展開していく予定です。

以 上 

<参考資料>


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