プレスリリース

2001年12月17日

低温作動固体酸化物形燃料電池(SOFC)の高性能セルの開発について
~800℃以下で世界最高の出力密度を達成~

 関西電力株式会社、三菱マテリアル株式会社および財団法人ファインセラミックスセンターは、この度、600℃から800℃の低温で作動する固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)のセルの高性能化に成功し、単位面積当たりの発電出力(出力密度)で世界最高の数値を実現しました。

 SOFCはセルが固体酸化物であるセラミックスで構成され、安定性に優れ、他の燃料電池と比べ発電効率が高く、環境性にも優れているという特長があります。加えて、作動温度が高いために排ガスによる複合発電で効率を高めることが可能となり、家庭用小型電源から将来的には火力発電所の代替用まで幅広く適用できることから、近年特に産学官で研究が盛んに行われるようになってきました。

 現在のSOFCは作動する温度が1000℃付近で、高温のため使用される材料が制約され、コストがかかり、また熱による劣化が生じやすいため寿命が短いといった課題があります。三者は、これらの課題を克服するためSOFCの低温作動化に着目し、関西電力とファインセラミックスセンターが共同開発した高性能な燃料極と、三菱マテリアルと大分大学が共同開発した高性能な電解質、空気極を組み合わせることにより、低コスト・長寿命で、世界最高の出力密度を実現するセルの開発に成功しました。

 今後、関西電力および三菱マテリアルは、ファインセラミックスセンター、大分大学とも協力しながら、2、3年をめどに更なるセルの改良と数kW級の試作機の開発に取り組み、低コストで世界最高レベルの発電効率を持つSOFCの早期実用化を目指して参ります。

 なお、本研究の成果は、来年7月1日-5日にスイスで開催される 5th European SOFC Forum において発表する予定です。

以 上  

<参考資料>


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