プレスリリース

2001年4月26日

高浜発電所1号機の点検結果について
(6B高圧給水加熱器ドレン流量増加による出力降下の原因と対策)

 高浜発電所1号機(加圧水型軽水炉 定格出力82万6千キロワット)は、定格出力運転中のところ、4月15日に、2次冷却水を加熱して蒸気発生器に戻す給水系(2系統)のうち、B系統の第6高圧給水加熱器ドレン流量に若干(全給水流量の約0.4%)の増加が認められ、各種関連パラメータの監視強化を行っていましたが、4月19日10時31分、当該ドレン流量がさらに増加傾向を示したことから、同日11時00分から出力降下を開始し、12時15分に定格出力の75%として、伝熱管の点検・調査を行うこととしました。
 なお、当該高圧給水加熱器は2次系機器であり、今回の事象による環境への放射能の影響はありません。

[平成13年4月19日 記者発表済]  

 1.調査結果

  (1) 漏えい検査の結果、6B高圧給水加熱器の伝熱管2本(9列6番、9列7番)に漏えいが認められました。
  (2) ファイバースコープによる観察の結果、当該漏えい管のうち、9列6番の伝熱管の出口側管板端面から約270mmの位置(管板内)の上面側に周方向長さ6mm×軸方向長さ3mm程度の開口(以下A部)が認められ、出口側管板端面から約405mmの位置(管板境界部)の上面側に周方向長さ20mm×軸方向長さ10mm程度と周方向長さ3mm×軸方向長さ2mm程度の2つの開口(以下B部)が認められました。また9列7番の伝熱管では、出口側管板端面から約410mmの位置(管板境界部)の下面側に周方向長さ10mm×軸方向長さ20mm程度の開口(以下C部)が認められました。
  (3) 当該6B高圧給水加熱器の漏えい管の周辺管38本について、渦流探傷検査(ECT)を行った結果、隣接管5本について有意な信号指示が認められました。
また、当該給水加熱器の出口側管板の伝熱管全数(漏えい管2本、周辺管38本よび既施栓管除く)についてECTを実施した結果、1本について有意な信号指示が認められました。

 2.推定原因

     以上の調査結果から、伝熱管内を流れる給水(2次冷却水)が当該加熱器内で漏えいし、ドレン流量が増加したものと判明しました。
     漏えい管の開口部の状況等から、9列6番の伝熱管(A部)において、管板内の伝熱管外面の初期傷が進展、貫通し、開口したものと推定されました。開口したA部から給水が流れだし、当該管の管板端面付近(B部)が浸食されて減肉が生じ開口するとともに、それらの影響により隣接伝熱管が浸食を受け、減肉、開口(C部)したものと推定されました。

 3.対  策

     漏えいの認められた伝熱管2本および有意な信号指示が認められた伝熱管6本にいて、施栓を行います。
     また、予防保全として、漏えい管の隣接管2本についても施栓を行います。
     なお、今回および高浜2号機において類似事象があったことから、取り替えを行た旧高浜2号機6A高圧給水加熱器の伝熱管を活用し、ECTにおける評価手法の見直し等を図ることとしました。

     施栓後、漏えいのないことを確認の上、4月27日21時頃から出力を上昇させ、翌28日に定格出力に復帰する予定です。

以 上  

    (経済産業省によるINESの暫定評価)
    INES:国際原子力事象評価尺度
    基準1 基準2 基準3 評価レベル
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<参考資料>


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