プレスリリース

2001年4月17日

平成13年度研究計画について

 当社では、この度平成13年度研究計画を策定いたしました。
 電力小売りの部分自由化や自家発・コジェネの普及等、エネルギー間競争が激しくなる中、当社は現在、研究開発分野についても従来以上に戦略的課題に重点的に取り組むなど、研究開発の効率化に努めております。
 今年度の計画は、昨年策定いたしました「中期経営方針」ならびに「平成13年度経営計画」に基づき、研究重点課題を以下の4項目とすることといたしました。

 

《研究重点課題》

1.品質の高い魅力ある商品を産み出すための研究開発

2.徹底したコスト低減・生産性向上のための研究開発

3.地球温暖化防止をはじめとする環境負荷低減のための研究開発

4.グループ利益最大化のための研究開発


 上記の課題の中でも特に、大容量で低コストな「瞬時電圧低下対策装置」や「自然冷媒ヒートポンプ給湯器」などお客さまニーズにお応えするための研究ならびにコジェネシステム・ESCOや高速通信ラストアクセスなど新規事業への展開につなげる研究に特に力を入れていくことといたしました。

<『中期経営方針』重点行動方針>

  ◎「商品・サービスの強化」
  ◎「販売力の強化」
  ◎「コスト競争力の強化」
  ◎「グループ総合力の強化」
  ◎「原子力を基軸とした公益的課題への着実な対応」

<『平成13年度経営計画』経営目標>

  ◎「グループ全体での収益力強化と資産効率改善に取り組む
  ◎安定供給や地球環境問題への対応など、公益的課題に積極的に取り組む

 

《研究計画の概要》

◎研究重点課題の概要

 1.品質の高い魅力ある商品を産み出すための研究開発

 住宅・産業・ビル分野における魅力ある電気利用機器の商品開発、電気と競合する技術の評価、電力貯蔵電池の開発普及などを最重要課題と位置づけ、販売戦略と連携のとれた商品開発を推進し、お客さまサービス向上を目指した研究開発に取り組みます。

 中でも、最近瞬時電圧低下(瞬低)対策・非常用電源機能に対するお客さまのニーズが最近特に強くなっております。それを踏まえまして、負荷平準化用途として開発してきたレドックスフロー電池に瞬低・非常用電源対応機能を付加する研究、あるいは新たに低コストなコンデンサ型瞬低対策装置の研究開発に着手いたします。さらにIH調理器・床暖房・ヒートポンプ給湯器など電気を使った豊かな社会を提案する商品開発にも取り組んでまいります。

   (例)

  • 高圧・大容量コンデンサ型瞬低対策装置の開発研究
  • 瞬低対策・非常電源用レドックスフロー電池の開発研究
  • IH調理器低コスト化研究
  • 電気カーペット技術を用いた低コスト型床暖房の開発研究
  • 自然冷媒によるヒートポンプ給湯器の開発研究

 2.徹底したコスト低減・生産性向上のための研究開発

 設備投資抑制を図るための既設設備の最大活用技術や劣化診断・寿命延伸技術、電力自由化対応技術に加え、原子力発電に関する設計・工法の合理化技術や光通信技術など先端技術に関わる研究開発に取り組んでまいります。
 これらの技術は当社事業の根幹に関わるものであり、従来通り着実に技術開発を進めて行くものです。

   (例)

  • ガスタービン吸気フィルタ効率化研究
  • 次世代軽水炉の概念設計研究
  • 次世代ファイバによる大容量伝送の研究

 3.地球温暖化防止をはじめとする環境負荷低減のための研究開発

 原子力プラントの高経年化対策、原子燃料の高燃焼度化や炭酸ガスの回収・固定技術、植林技術および廃棄物リサイクル技術など、地球環境改善のための技術に関わる研究開発に取り組んでまいります。

 なかでも、化学吸収法によるCO回収は実用段階の技術開発を達成しています。この脱炭応用技術はマレーシアの化学プラントに導入されており、さらなる高効率・低コスト化によって新たな事業展開を目指した商品価値の高い技術開発に取り組んでまいります。

   (例)

  • 化学吸収法による排煙脱炭技術のコスト低減化研究
  • マングローブ植林技術開発研究
  • 屋上緑化技術の開発研究

 4.グループ利益最大化のための研究開発

 新しい事業領域拡大のため、総合エネルギーサービス事業を視野に入れた分散電源、水素エネルギー技術などの研究開発に積極的に取り組むとともに、情報通信サービスに関する研究開発を推進してまいります。

 なかでも、コジェネシステムの設計・運転・保守技術やAIGIS・NALISなど高速ラストアクセス通信技術の研究開発を加速するとともに、将来の活用が期待されている水素の製造・輸送・貯蔵に関する研究開発にも積極的に取り組んでまいります。

(例)

  • MGTを用いたエネルギー診断技術の実証研究(当社の保養施設に設置) 
  • ガスエンジン実証試験研究 
  • 多様な高速ラストアクセス通信技術の評価・開発研究
  • 情報化ゲートウェイの開発研究
  • LNGを活用した水素製造・供給技術の開発


◎研究の規模

1.件数
(単位:件)

 

合計

(重点課題)
新規

継続

 今年度

891

 (705)

321

384

 前年度

914

 (680)

379

535



2.研究費
(単位:億円)
 

総額

前年度
計画比

重点課題

*その他

 今年度

234

▲6.0%

160

74

 前年度

249

▲9.8%

163

86

  *その他は重点課題以外の研究テーマや電中研給付金
※研究費総額のうち、電力中央研究所への給付金を除いた額の約87%を研究重点課題に配分しています。


【研究重点課題の費用内訳】
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【研究費の年度推移(計画ベース)】

(単位:億円)

 

9年度

10年度

11年度

12年度

13年度

研究費

314

305

276

249

234

前年比

10.2

2.9

9.5

9.8

6.0

以 上

<参考資料>


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