プレスリリース

2001年3月26日

平成13年度経営計画(概要)について

1.はじめに

 電力の小売分野の部分自由化がスタートして1年が経過し、今後も、電力調達入札の拡大や電力取引市場創設の動きが顕在化することが予想されております。また、お客さまのニーズの多様化、高度化にともなう自家発・コジェネの普及など、エネルギー間競争も激しさを増しております。

 この厳しくなる経営環境の中で、当社は、お客さま、株主、地域社会、従業員など、当社を取り巻く皆さまの視点にたって、経営改革の取り組みを進め、信頼をより堅固なものとしていきます。

 当社では、昨年4月、中期経営方針を策定し、「強い会社」、「信頼される会社」、「面白い会社」づくりに向けて経営改革への取り組みを進めてまいりました。策定から2年目を迎える平成13年度は、引き続きITの活用等による新たなビジネスモデルの構築を進めるとともに、これまで整備してきた枠組みを基礎として、経営改革の具体的実践を図り、中期経営方針の取り組みをさらに深化してまいります。

特に、平成13年度は21世紀最初の年度であり当社にとっても、創立50周年の節目を迎える年となります。当社を支えてくださる皆さまへの感謝の気持ちを新たにするとともに、これまで培ってきたノウハウ、技術、人材を礎として、不断の経営改革を実践することにより、21世紀においても、さらなる飛躍を遂げてまいります。

2.経営目標

○グループ全体での収益力強化と資産効率改善に取り組んでいきます。

○引き続き、安定供給や地球環境問題への対応など、公益的課題に積極的に取り組みます。
【収益性】
ROA
(総資産事業利益率)

平成13~15年度のROAは、平均2.3%以上

フリーキャッシュフロー

平成13~15年度のフリーキャッシュフローは、平均2,000億円以上

株主資本比率

平成15年度末を目途に株主資本比率は20%以上

有利子負債

平成16年度末を目途に有利子負債残高を4兆円以下に削減

経常利益

平成13~15年度の経常利益は、平均1,500億円以上

(参考)PCA見通し :平成13~15年度平均 △800億円以上

 

【公益性】

安定供給

エネルギーセキュリティや環境問題に配慮した上で、需給動向に応じた設備形成を行い、今後とも原子力を基軸に高品質な電気の安定供給に努める

環境

国内電力会社の中で最も低いレベルである現状のCO排出原単位を今後とも維持し、2010年度における使用量当たりのCO2排出原単位を0.3kg-CO2/kWh程度とする

 

【成長性】

グループ経営
グループ会社の企業体質の強化と新規事業領域の拡大により、2010年を目途に、グループ事業の売上高(当社グループ外に対する売上高)、利益を共に現状の1.5倍とする
3.お客さまに選択していただくための取り組み

○販売電力は、平成11年度から22年度までの年平均伸び率(気温閏補正後)は1.4%を目指します。

○平成13~15年度の3ヶ年で全電化住宅10万戸、蓄熱式空調システム3千件の獲得を目指します。
 
(1)グループ企業と連携したサービスの拡充
  ・総合エネルギーサービスの提供
     ガス、石油、コジェネシステム等を含めた総合的なサービスを提案するなど、グループ企業との連携により、お客さまにとって最適なエネルギーサービスを提供します。
  ・新築、改築時における電化サポート
     昨年設立した「かんでんEハウス」を中核に、設計段階からオール電化住宅を提案します。

 

(2)商品・サービスメニューの開発

  ・魅力あるメニューの開発
     今後もお客さまのニーズを踏まえた料金メニューの開発を推進します。また、住宅電化機器リース制度やアフターサービスを充実し、電化住宅のさらなる普及拡大を図ります。
  ・魅力ある商品開発
     マンションや戸建住宅向けの省スペース型自然冷媒(CO2)ヒートポンプ給湯器を商品化するとともに、引き続き低価格IHクッキングヒーター・電気式床暖房、高効率・低騒音型氷蓄熱システム、レドックスフロー蓄電池等の開発を推進します。
(3)ITの活用による新サービスの開発
  ・FTTO(Fiber To The Office:大口お客さまへのアクセス系光ネットワーク)等を活用した情報提供サービスの拡充
 
・AIGIS(Advanced Intelligent Gate-keeper for Integrated Service)による総合生活サービスシステムの開発
  ・NALIS(Next Apartment Life support Information Service)プロジェクトの推進
(4)お客さまへのサービスの充実
  ・「One to One」による販売活動の拡大
  ・スタッフのさらなる増強
  ・お客さまサービスレベルの向上
4.設備形成の取り組み

○電力の安定供給に向けた取り組みを基本に、今後の需要動向に応じ、効率的な設備形成を図ります。

○エネルギーセキュリティの確保や地球環境問題への対応など、長期的かつ公益的な  課題についても積極的に取り組みます。
 
(1)最大電力
 
・平成11年度から平成22年度までの最大電力の年平均伸び率(気温補正後)は、 販売電力量を下回る1.1%と計画しています。
(2)電源開発計画
  ・原子力
     電源開発の基軸として最優先に取り組むこととし、新規地点の確保に努めます。
  ・火力
     需要動向を踏まえ、新規電源の運転開始時期を繰り延べます。
     高経年で効率の低い小容量火力機については、今後稼働する見込みがないこと から廃止します。
  ・水力
   

 国内資源の有効活用の観点から、今後も継続して開発に努めます。

  ・広域開発
     関係各社と連携を図り、敦賀や珠洲といった原子力の開発を推進します。
(3)電力需給計画
 
・原子力については、高稼働運転の維持に努めます。
 
・火力については、平成12年度から総合的なコストダウンを目的とした長期計画停止 を行っていますが、至近の需要動向を勘案し、さらに10ユニットを停止します。
(4)電力流通設備
 
・供給信頼度の維持に万全を期しつつ、徹底した設備の有効活用を進めるとともに、 地域特性や需要動向に応じた効率的な設備形成を目指します。
5.経営効率化の推進
(1)設備形成の効率化
  設備投資額を償却範囲内に抑制し、かつ平成13~17年度の5年間の設備投資額 を平均で4,500億円以下とします。
  平成13年度の設備投資額を4,498億円とします。
(2)設備運用・保全の効率化
  平成13年度以降、原子力利用率80%台を定着させるとともに、さらなる高稼働 の確保を目指します。
  販売電力量当たりの修繕費を平成12年度以降5ヶ年平均で2.2円/kWh以下に 抑制します。
(3)負荷率の改善
  平成22年度の年負荷率を57%とすることを目指します。
(4)業務運営の効率化
  平成15年度末の従業員数を、平成10年度末から1 ,000人程度削減します。
6.グループ全体での競争力強化
○「総合生活基盤産業」を目指し、総合エネルギー、生活アメニティ、情報通信の  3分野へグループ経営資源を集中し、戦略的に事業を展開します。
・総合エネルギー事業の本格展開
・生活アメニティ分野で次世代型の生活環境創造をめざしたサービス提供
・企業向け、家庭向けの総合的な情報通信サービスの開始
○収益重視経営を徹底するため、グループ会社の経営革新を推進し、グループ 事業体制の再構築を進めます。
 
(1)戦略的なグループ事業展開
 【総合エネルギー】
  ガス事業で、ローリー輸送、導管による販売を拡大していきます。
  コジェネレーションなどのエネルギーシステムの提案に、燃料供給や機器 メンテナンスを含めたトータルサービスを提供する事業を展開します。
  総合エネルギーの基盤となる自前LNG基地建設を進めます。
 【生活アメニティ】
  介護事業で有料老人ホームを開設し、在宅サービス等へのサービス拡大を
    図ります。
  ホームセキュリティ、ビリングサービスを事業化します。
 【情報通信】
  光ファイバネットワークを拡充し、賃貸事業を展開します。
  高速大容量のIPネットワークを構築し、お客さまへのラストアクセスを多様化
    して、家庭向け、企業向けの情報通信サービスの提供を開始します。
  データセンター事業、コンテンツ事業を開始します。
 【海外事業】
  今後も積極的に海外事業を展開し、収益基盤の拡大を図ります。
     
(2)収益重視経営の徹底
  ・「関係会社経営革新支援システム」の本格導入
  ・収益力向上を目指した経営管理の徹底
  ・グループ事業体制の再構築

7.環境問題への取り組み

  ・CO問題への対応
  ・原子力の推進
  ・提案活動による環境負荷低減の取り組みの推進
  ・廃棄物等の低減・有効利用の推進
  ・草の根活動の推進
  ・新エネルギーの普及促進の支援
  ・環境管理システムの充実(ISO14001への対応)
  ・環境会計の充実

8.ビジネス構造改革・人づくり

(1)ITを原動力としたビジネス構造改革
  ERPパッケージの導入やサプライチェーンの見直しにより、ビジネス構造改革を 進めます。
  各所の自律経営に向けて、平成14年度計画から経営管理システムを本格実 施に移行させます。
(2)組織改正
  火力部門や送電部門における競争力の強化およびさらなる業務運営の効率 化を目指した組織改正を実施します。
(3)人事労務制度
  成果をより重視した人事・賃金制度の導入します。
以   上
                                          
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