プレスリリース

1999年8月9日
関西電力株式会社

高浜発電所2号機の点検結果について(復水器水質変動による出力降下の原因と対策)

 高浜発電所2号機(加圧水型軽水炉、定格出力82万6千キロワット)は、定格出力で運転中のところ、8月4日6時37分に「C蒸気発生器カチオン電気伝導率高」警報が発信し、引き続きB,Aの蒸気発生器についても警報発信しました。
 その後水質の監視・脱塩塔の切り戻し操作を行っていましたが、復水器の検塩計指示値に上昇が認められたため、復水器内に海水の微少な漏れ込みが発生しているものと考えられました。
 このため、8月4日9時17分より出力降下を開始し、同日12時01分に電気出力を約50%としました。
 なお、この事象による環境への放射能の影響はありません。

(平成11年8月4日 記者発表済)

  • 1.調査結果
     海水の漏えいがあると考えられた2A復水器細管全数について、渦流探傷検査(ECT)を実施した結果、1本の細管に貫通の可能性を示す内面減肉信号指示が認められました。
     当該管について漏えい検査を実施した結果、漏えいが確認され、さらに管内をファイバースコープにて観察した結果、微小な貫通孔につながると考えられる長さ約1mmのくぼみ状の欠陥が内表面に認められました。
     また、貫通には至っていませんが減肉信号が施栓基準に達している細管が4本ありました。
  • 2.推定原因
     漏えいの認められた1本の細管については、ファイバースコープで観察された
     欠陥の形状から、潰食が発生・進展したことにより貫通漏えいに至ったものと推定されました。
    (*)潰食 :細管内表面への海生物等の付着により海水の流れる面積が狭くなることで 生じた局部的な流速過大が作用して、内表面が減肉する現象。
  • 3.対策
     漏えいの認められた1本の細管および、施栓基準に達していた4本の細管について施栓を実施し、漏えいチェックを行い、健全性を確認します。
     なお、今後の安定運転に万全を期すため、1A、3A水室の細管全数についてECTを実施しており、施栓基準に達している8本の細管について施栓を実施し、漏えいチェックを行い、健全性を確認することとします。

 対策実施後、8月10日早朝から出力を上昇させ、同日深夜頃に定格出力に復帰する予定です。

以 上

(通商産業省によるINESの暫定評価)
基準1 基準2 基準3 評価レベル
評価対象外 評価対象外
INES:国際原子力事象評価尺度

<参考資料>


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