プレスリリース

1998年6月2日
東京電力株式会社

第7回世界電力首脳有志の会議(E7)について

 第7回「世界電力首脳有志の会議(E7)」が、6月6日(現地時間)、EDF(フランス電力公社)の主催でベルサイユにおいて開催されています。
 この有志会議は、世界の主要な電気事業者(6か国・8事業者)が、電気事業に関するグローバルな問題について意見交換を行い、必要に応じて広く世界に問題提起・提言していくことを目的に、1992年に設立されました。日本からは東京電力(会長 那須翔)と関西電力(会長 宮崎勇)が参加しています。

 今回の会議は「電力部門の国際化と持続可能なエネルギー開発(注1)」をテーマとして開催されました。 これは、国境を越えたサービスや投資を通じて電力の国際化が進展しつつあるなかで、持続可能なエネルギー開発を実現していくためのガイドライン(行動基準)の試案を示すことを目的として、今回の主催会社であるEDFから提唱されたものです。

 議論の結果、電力会社、IPP、エネルギーサービス会社(ESCO:省エネについてコンサルトなどを行う会社)、製造業者など、国境を越えて電力やサービスを提供し、投資を行う全ての電力関係者が、地球社会の利益のために環境とエネルギーの調和を中心とした持続可能なエネルギー開発を実現すべく等しく努力することが望ましいとの結論に達し、ガイドラインの試案に公開書簡を添えて、電力市場関係者や国際機関、プロジェクト受け入れ国などに広く提言していくことといたしました。

 また、E7は今回の会議において「持続可能なエネルギー開発のためのE7基金」の設立を決定いたしました。E7は従来から地球環境保全のための途上国との協カプロジェクトを推進しているところですが、この基金は、E7が単独もしくは他の機関と協力して発展途上国や中・東欧諸国における持続可能なエネルギー開発を促進するプロジェクトを実施するための資金を個別プロジェクトごとにE7内外から募り、管理する際の受け皿とする事を目的としてパリに設立したものです。E7は今後、この新たな枠組みを活用する具体的プロジェクトについて検討していく予定です。

 さらに6月2日午後(現地時間)の会議において、電力システムの改革などE7各社が直面している課題について各社首脳が意見交換を行い、東京電力からは、去る5月27日にとりまとめられた電気事業審議会基本政策部会の中間的整理の概要を報告する予定です。

 関西電力からは、地球環境問題への対応、ユニバーサルサービスの確保、エネルギーセキュリティー、供給信頼度の維持などといった公益性の確保と、電力システムの効率化という課題を両立させていくことの重要性、そして、同社が担当する「原子力ワーキンググループ」の1年間の活動について報告する予定です。

 また、E7は様々な国際機関との協力を進めていますが、その一環として、今回の会議に先立つ5月28、29日に、世界銀行との共催で「京都会議後の世界の電力」と題したセミナーを開催しました。会議には世界銀行、国連気候変動枠組み条約事務局などの国際機関、政府機関の代表や、E7、中東欧諸国、旧ソ連諸国、中東、アジア、アフリカ、中南米など35力国・地域の電気事業関係者約百名が参加し、COP3(気候変動枠組み条約第3回締約国会議)の結果を踏まえた電気事業経営や国際協力のあり方について活発に意見を交換しました。

 なお、次回の有志会議は、「電気事業への社会的信頼」をテーマとし、関西電力の主催で、来年5月、京都にて開催される予定です。

以 上

(注1)「持続可能なエネルギー開発」
(SED:Sustainable Energy Development)
 未来の世代のエネルギー需要を満たすために必要な資源・環境を損なうことなく、我々の現在のエネルギー需要を満たしていくようなエネルギー開発。「持続可能な開発」の考え方をエネルギー分野に適用したもの。
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