プレスリリース

1998年1月26日

阿南紀北直流幹線の海域部着工について

     当社は、本年4月末より、電源開発株式会社と共同で、阿南紀北直流幹線(直流500kV設計)の海底ケーブルの布設工事に着手いたします。

     当社では、増大する電力需要に対応するため、電源開発株式会社・橘湾火力発電所からの電力(140万kW)を受電する計画ですが、本直流幹線は、この電力を送電するために建設するものです。

     本直流幹線は、四国の阿南変換所から関西の紀北変換所までの間、全長101.6kmを、当初は250kVの双極(プラスマイナス)で結ぶ大容量基幹送電線です。

     最終設備としての500kV設計は、世界的にも最大級の直流プロジェクトとなります。また、これは、わが国初の直流送電線である北本直流幹線をはるかに凌ぐ規模となります。

     更に、本プロジェクトでは、設備や布設工法において電力技術開発の粋を結集しており、

    • 世界で初めて、絶縁材料に半合成絶縁紙を採用した高電圧・大容量直流ケーブルの開発
    • 世界に数隻しかない布設専用船の活用と共に、ケーブルを海底下2~3mを掘削しつつ、同時に布設する高速布設同時埋設機の開発。
    • 交流/直流変換用バルブをコンパクト化した、世界最大級の高電圧・大容量サイリスタ素子の開発など新技術を導入しております。

    特に、海底ケーブルの布設においては、これまで布設後に埋設する方法が主流でしたが、今回開発した埋設機を用いることにより、布設後のケーブルの信頼性向上はもとより、大幅な工期の短縮ができ、また、布設工事中の船舶航行や漁業操業への影響を極力低減することができます。

     当社としましては、これらの技術開発により、大幅な建設費低減を図り、経営効率化に大きく寄与できるものと考えております。

     布設工事は1条毎に約2ヶ月を要し、4条の布設を終了するのは、本年12月頃の予定です。

    以 上 

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