用語集(その他)

遺伝子発現、mRNA、タンパク質

われわれ生物の遺伝情報は、細胞核内にあるDNAと呼ばれる2重らせん構造の物質の中に遺伝子として格納されています。これら遺伝情報は、必要なときに必要な情報だけが読みとられ、読みとられた情報に基づき必要なタンパク質が合成されなければなりません。

DNAに格納された遺伝情報を読みとるために、まず2重らせん構造がほどけ、2本のうちのどちらか一方の鎖に記された情報がmRNAと呼ばれる物質に伝達されます。これを「転写」と呼びます。遺伝情報を受け取ったmRNAは細胞核から細胞質内に移動します。そこでは、リボソームと呼ばれる細胞小器官により、mRNAに「転写」された遺伝情報をもとにタンパク質が合成されます。

この過程を「翻訳」と呼びます。「転写」過程から「翻訳」過程に至るまでの一連の現象を「遺伝子発現」と呼んでいます。

がん遺伝子、c-fos、c-jun、c-myc

細胞が増殖するためにはさまざまなタンパク質を必要とします。そのため、細胞増殖の際には多くの遺伝子が発現します。

このうち、c-fos、c-jun、c-mycのような遺伝子は、細胞が増殖刺激を受けたときに一過的に発現が誘導される遺伝子で、細胞増殖の制御に重要な役割を果たしていると言われています。このようにこれらの遺伝子は、細胞増殖においてきわめて重要な遺伝子ですが、がん細胞の多くで、これら遺伝子の変異や過剰な発現が高い頻度でみられます。したがってこれらの遺伝子は、がん遺伝子とも呼ばれています。このように、これら遺伝子の過剰な発現が、細胞のがん化の原因の1つになっている可能性もあります。

楕円磁界、円磁界、直線磁界

電線に電流が流れるとその周囲には磁界が発生します。磁界の大きさや向きは電線を流れている電流の大きさや電線の位置によってさまざまに変化します。磁界の向きによって、楕円磁界、円磁界、直線磁界などと呼ばれています。

直線磁界とは、磁界の方向が常に一定している磁界です。円磁界、楕円磁界は、磁界の向きが一定の周期でそれぞれ円状および楕円状に変化する磁界です。

送電線周辺には、この磁界の回転の軌跡が楕円になるような楕円磁界が一般に存在します。

直線磁界回、回転円磁界、転楕円磁界