01電気を生み出す / 火力発電所「世界最高水準の高効率プラント」
実現に向けた舞台裏
火力発電の高度利用に向けたコンバインドサイクル化
天然ガスを燃料とする当社最大の火力発電所「姫路第二発電所(兵庫県姫路市)」。
ここでは、火力発電の高度利用に向けた取組みとして、最新鋭の1,600℃級ガスタービンを用いたコンバインドサイクル発電方式への設備更新工事が進められ、平成27年3月までに新1号機~6号機すべてが営業運転を開始しました。熱効率はそれまでの約42%から世界最高水準の約60%に向上し、発電電力量あたりの消費燃料を大幅に節約することができるようになりました。
「既設設備の運転・撤去と新設工事の同時並行作業」を実現させる
今回の工事の最大の難点は、発電所内の限りあるスペースで、既設設備の運転(発電)を行いながら、段階的に停止させた既設設備の撤去工事を行うとともに、 新しい発電所の建設工事を、同時並行で進める必要があったことです。東日本大震災以降、需給逼迫の影響で火力発電所の高稼働が必要となる中、既設設備の安全・安定供給に支障をきたさないよう、細心の注意を払いながら、綿密な工程調整および工程管理を行うことで撤去工事を進捗させると共に、新設工事を確実に進め、工期の短縮化にも努めてきました。
これまでの経験、ノウハウを遺憾なく発揮した効率的な作業
このような工事工程を可能にしたのは、当社、協力会社を含めた総勢約2,000名の工事関係者がこれまでの経験、ノウハウを遺憾なく発揮したからです。
過去の堺港発電所における設備更新工事(平成22年9月)や舞鶴発電所2号機建設工事(平成22年8月)、平成24年11月に試運転を開始した姫路第二発電所新1号機建設工事等で得た経験や工法を最大限活かしながら、各々が、工期厳守のために、効率的に作業を行ってきました。地中に障害物等が埋まっていたり、急な天候の変化など予期せぬ事象が起こりながらも、柔軟に工事工程を修正しながら作業を進めました。
『ご安全に!』で安全意識を共有
しかしながら、何事においても安全最優先で進めなければなりません。
工事期間が長期にわたることから、協力会社の皆さんが「安全意識を持ち続けること」が何より大切。
当社従業員が安全メッセージ等を伝える「協力会社との全体朝礼」。工事関係者がお互いに「ご安全に!」と声を掛け合う「声かけ運動」。これらの取組みを通じ、コミュニケーションを密に図ることで日々「安全最優先」の意識を現場に浸透させてきました。また、「安全パトロール」では、協力会社社員と当社従業員が共に作業現場を廻り、現場の不安全箇所の改善等に努めてきました。営業運転開始後も、日々の安全パトロールはもちろん、定期点検中には重点パトロールを実施するなど、工夫しながら、関係者一同で安全性を追求し続けています。
コンバインドサイクル発電方式への設備更新は完了しましたが、今後も引き続き、当社、協力会社含めた関係者が一丸となり、「世界最高水準の高効率プラント」の安全かつ安定した運用に向け、全力を尽くしてまいります。