一意専心 関西電力の安全DNA

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細かな異常に注意を払い、巨大な設備を動かす 大飯発電所 タービン補修科 峰

安全文化。それは関西電力において、一人ひとりが常に安全を心がけることによって、先輩から後輩へと、脈々と受け継がれてきた精神であり風土です。これまでも、そしてこれからも形成され続ける安全文化―。この安全文化を守り続ける関電マンの「安全への想い」に迫ります。

原子力発電所は、原子炉で生み出した高温高圧の熱水(約300度)を利用して蒸気をつくり、その蒸気の力で発電機につながっているタービンを回して発電しています。このタービンの保全・管理業務を行っているのが、タービン保修課。峰は2010年から作業長を務めています。

どの設備をどの時期に点検するか、という段取りが
安全かつスムーズに作業を進めるためにも重要

「タービン保修課の仕事は、法的に決められた点検や、自分たちで決めた管理マニュアルに沿ったメンテナンスを、どのように実施するかの計画を立て、タービン設備の定期的な分解・点検をすること。原子力発電所の運転中のトラブルを防ぐためにも、設備のメンテナンスは欠かせません」

安定して電気を供給するには、トラブルを未然に防止することを念頭において、設備を保全・管理する必要があります。
たとえば、海外も含め他の発電所で起こったトラブルは、どんな小さなことであっても情報を入手し、大飯発電所の設備ではどこに該当するのかを調べ、類似品が使用されていたり、同じような環境だと分かれば、速やかに設備のメンテナンス計画を立てています。

「安全意識をもって作業管理をすることには、常に難しさを感じています」

タービン設備の分解・点検を行う際には、協力会社の作業員も含め50~60人くらいで行われます。
タービンは重いもので百トン程度にも及ぶ巨大な機器ですから、クレーン等の重機を使う必要があり、一歩間違えれば大きな事故につながりかねません。
設備を分解する工事の立案や工程の計画、どの設備をどの時期に分解するのかなどの段取りは、安全にかつスムーズに作業を進めるためにも非常に重要になってきます。

後ろで見守る人がいることの大切さに気づいた

「安全」という言葉から、峰が思い出す先輩の一言があります。
まだ作業長になる前のこと、現場で作業責任者と作業員が一緒に働いているところを見たことがありました。すると一緒にいた先輩が「作業責任者が作業してはダメだろう」と言ったのです。

「その頃の私には、その言葉の意味が分かりませんでした。でも、その後自分が体験してようやく分かったのは、作業に没頭すると、その部分しか見えなくなるということ。
自分が作業をしていたとき、作業長から『危ないぞ』と言われて、後ろで見守る人がいることの大切さに気づきました。作業責任者は一歩引いた目で見ることが、安全につながっていくのだと感じたことをよく覚えています」

「何が危険だと思うか」を自ら考え、答えを出す

作業長になって4年目という峰。後輩に対して、作業に関することはもちろん、安全についても伝えていく立場となった今、「自分の理想とする作業長像にはまだまだ到達できていない」と話します。理想は1から10まですべて教えるのではなく、本人が自分で気づくことのできる環境をつくれる作業長。なぜなら “自分で考える時間”が絶対に必要だからです。

「現場では『あの作業の何が危険だと思うか』という問いかけを若手の所員にしています。危険なことを教えるのは簡単ですが、それでは本人のためになりません。自分なりに勉強し、自分で考えて、先輩からの問いに答える。この繰り返しによって、知識や感受性が自分のなかにしっかりと蓄積されていくのだと思います」

こうした取組みは「K(危険)Y(予知)トレーニング」といい、作業の状況のなかにひそむ危険の種(タネ)とそれが引き起こす現象を、皆で話し合い、考えあって、予防する能力を高める手法です。発電所ではあらゆる場面で実践されています。
峰本人は先輩からのこのような問いかけに対し、自ら考え、答えることで様々なことを学んでいきました。そして今では作業長として、部下や後輩に問いかけることで、関西電力の安全文化を担う従業員一人ひとりの能力、意識を高めることにつなげています。
「今は再稼動に向けて、シビアアクシデント対策工事の作業管理を行っています。求められるレベルがこれまで以上に上がってきているのを感じますし、これらの経験は私も含めて、作業員全員のスキルアップにつながっていると確信しています。関西電力は団結力のある会社です。これからも一致団結し、安全を胸に刻んで頑張っていきたいと思います」

現場を歩く際には小さな異変も見逃さないよう注意しています

巨大な設備に対する一方で、設備の小さな異常にも注意を払わなければなりません。常に直尺(ものさし)を持ち歩き、設備で気になる箇所があれば寸法を計測。接続部分の隙間が広がっていないかなどの細かな確認を行います。地面に濡れた跡があれば、結露なのか接続部分からのにじみなのか、現場を歩く際には小さな異変も見逃さないよう注意しています。

峰のコンダクトカード

峰のコンダクトカード

関西電力の全従業員は常に「コンダクトカード」という安全行動宣言とCSR行動宣言を記したカードを持ち歩いています。これは各個人が年に一度安全に対する目標をたてるもので、峰は「手順を考え、一つ一つ確認し、基本動作を徹底します」という目標を立てています。

設備の小さな異常に注意を払う峰

2014年4月30日掲載

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