火力発電について
火力燃料

  • 燃料の種類
  • 燃料調達の現状
  • 安定調達・コスト削減への取組み

関西電力の火力発電では、主に「液化天然ガス(LNG)」、「石炭」、「石油」などの化石燃料を使用しています。それぞれの燃料について、ご説明します。

LNG

【特徴】

  • ・LNGは、気体の天然ガスをマイナス160℃に冷却、凝縮し、容積を600分の1にしたものです。
  • ・超低温であるため、特殊な貯蔵タンク、輸送船舶が必要です。
  • ・カタールからのLNG船一隻(約9万t)から、約240万軒/月の電力をまかなうことが可能です。※
  • ・燃焼時のCO2排出量や窒素酸化物が他の化石燃料より少なく、比較的クリーンな化石燃料です。
    ※月間電力使用量を260kWh/軒と想定した場合

LNGを主な燃料として使用する発電所

LNG

LNGタンカーってなに?

LNGタンカーは、超低温(-160℃)の液化天然ガスを安全に輸送するために特別に設計された専用船です。燃料輸送を通じて関西の生活や経済を支える重要な役割を担っています。 燃料輸送の舞台裏「待ちに待ったLNGの到着」

石炭

【特徴】

  • ・石炭は、用途により一般炭・原料炭に分類され、発電用石炭は「一般炭」になります。
  • ・重量あたりの発熱量は相対的に低く、燃焼させる際には大規模なボイラが必要です。また、固形であるため、コンベアなどの運搬設備も必要になり、設備にかかるコストが大きくなります。
  • ・石炭船一隻(約8万5,000t)から、約96万軒/月の電力をまかなうことが可能です。※
  • ・硫黄分・窒素分の含有量が多いため、燃焼時に環境へ与える負荷が大きくなります。
    ※月間電力使用量を260kWh/軒と想定した場合

石炭を主な燃料として使用する発電所

石炭

石炭はそのまま燃やすの?

固形物である石炭を微粉炭機という機械ですりつぶして粉状にし、その後ボイラーで燃焼させます。 関西電力唯一の石炭火力発電所「舞鶴発電所」裏側

石油

【特徴】

  • ・石油は、外航船(約10万KL)によって産油国から国内の石油基地に運ばれ、さらにそこから内航船(約5,000KL)によって、発電所に運ばれます。
  • ・貯蔵や運搬がLNGや石炭と比べて容易です。また、調達の柔軟性にも優れています。一方、燃料価格はLNGや石炭と比べて割高になります。
  • ・石油内航船一隻(約5,000KL)から、約8.0万軒/月の電力をまかなうことが可能です。※
  • ・発電所地域の環境規制をクリアするために、硫黄酸化物の発生量が少ない超低硫黄原油(硫黄分0.1%以下)を中心に使用しております。また、助燃用に重油も使用しています。
    ※月間電力使用量を260kWh/軒と想定した場合

石油

石油を主な燃料として使用する発電所

火力燃料には、それぞれにメリット、デメリットがあります。関西電力では、燃料の特徴を最大限に発揮できるよう、各燃料を組み合わせて使用しています。

各化石燃料の特徴

  経済性 調達の柔軟性 環境性 関西電力での現在の発電面の役割
LNG

環境性に優れ、経済性も石炭の次に高いLNGは、ベース~ミドル時の発電に使用
石炭

経済性に優れる石炭は、ベースの発電に使用
石油

調達の柔軟性に優れる石油は、ミドル~ピーク時の発電に使用

経済性

下図を見ると、燃料価格は石炭が最も安く、次いでLNG、石油の順に高くなっています。関西電力では、電気をできるだけ安価にお届けするため、安い燃料を使用する発電所から順に稼動することや、同じ種類の燃料の中でも、常に国際的なエネルギー価格の動向を注視しつつ、より経済性のある燃料を調達することに努めています。

化石燃料の熱量あたりの価格推移

調達の柔軟性

貯蔵性が高く契約期間が短い燃料ほど、必要な数量の増減に対して細やかに対応することができ、柔軟性が高い燃料と言えます。貯蔵が容易で短期契約が多い石油は柔軟性が高く、反対に、貯蔵に手間がかかり、長期契約が基本のLNGは柔軟性が低くなっています。関西電力では、電力需給に見合った運用が行えるよう、これらの特徴を考慮しながら燃料の調達を行っています。

燃料調達の柔軟性(概念図)

環境性

環境への負荷が小さい順に、LNG(天然ガス)→ 石油 → 石炭と並びます。LNGは比較的クリーンな燃料といえます。関西電力では、環境性も考慮しながら、発電設備を構成しています。各燃料を組み合わせることにより、「S+3E※」の実現を目指しています。

※安全確保(Safety)を大前提に、長期的なエネルギーセキュリティの確保(Energy Security)や経済性(Economy)、地球環境問題への対応(Environmental Conservation)を総合的に勘案したエネルギーミックスのあり方。

燃種ごとの環境性(石炭を100とした場合)

事業概要