サステナビリティに対する考え方

社長メッセージ 新たな関西電力の創生に向け、全力を尽くしてまいります

 当社グループは、1951年の創業時に「お客さまへの奉仕を第一に考える」という「前垂れがけの精神」を掲げて以来、「お客さまと社会のお役に立ち続ける」ことを変わらぬ使命として事業を営んでまいりました。
 2019年3月には、事業環境が変化するなかにあっても、この変化に先んじて対応し、私たちの使命を全うし続けていくとの想いを込めて、3ヵ年の具体的な実行計画を「関西電力グループ中期経営計画(2019-2021)」に取りまとめ、この達成に向け精力的に取り組んでまいりました。
 こうしたなか、当社の役員等が社外の関係者から金品等を受け取っていた問題などにより、当社グループは事業活動にとってなにより不可欠なお客さまや社会のみなさまからの信頼を大きく損なう事態となりました。
 当社創業以来の危機ともいえる状況のなか、私たちはいま、失われた信頼を取り戻し、再びお客さまや社会のみなさまから必要とされる企業グループとして再生を果たすべく、再発防止に向けた改革に全力で取り組んでいます。
 また、新型コロナウイルスの感染拡大や、世界的な脱炭素化の流れの加速等、当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しています。私たちは、これらに的確に対応していくため、現在、中期経営計画の見直しを検討しています。
 新たな事業戦略のもと、グループの成長への道筋を切り拓き、社会の持続的な発展に貢献してまいります。

 金品等を受け取っていた問題などに関し、当社は、2020年3月に再発防止に向けた業務改善計画を取りまとめ、その実行に全力を尽くしてまいりました。6月には「指名委員会等設置会社」に移行し、健全かつ透明性の高いガバナンスの実現に向けて新たなスタートを切りました。現在は、改革の枠組みに魂を入れ、実効性を高めることに全社一丸となって取り組んでいます。
 そのポイントは次の3点です。

 1点目は「ガバナンス改革」です。当社は、経営の執行と監督を明確に分離し、取締役会の監督機能を強化するため、「指名委員会等設置会社」に移行しました。取締役の過半数を社外から迎え、法定三委員会(指名委員会、報酬委員会、監査委員会)に、経験・知見豊かな多数の社外の方々に参画いただくなど、経営判断にかかわるあらゆるプロセスで外部の客観的な視点を取り入れ、審議・実行していく体制を構築できたと考えています。
 金品等を受け取っていた問題などでは、社内調査が取締役会等へ報告されず、情報共有のためのルールも明確ではありませんでした。今後は、取締役会や各委員会に重要事項を確実に報告し、しっかり議論していくことが不可欠です。そのため、社外取締役のサポートと各委員会の運営を担う組織として、取締役会室を新設したほか、監査委員会スタッフとして原子力事業本部に常駐する監査特命役員を配置するなど、現場の実態や情報をスピード感を持って取締役会等に伝える仕組みを整備しました。
 社外取締役の要望を受け、執行役が経営課題を議論する会議にも出席いただくなど、取締役会の機能強化、透明性確保に努めています。

 2点目は「コンプライアンスの徹底」です。
 「ユーザー目線」の欠落や、コンプライアンスよりも事業活動等を優先する内向きの企業体質が根本的な原因であるとの第三者委員会調査報告書の指摘を踏まえ、こうした企業体質を是正し、健全な組織風土の醸成に努めてまいります。
 そのためにも、まず私自身が、「業績や事業活動をコンプライアンスに優先させることは断じてあってはならない」と肝に銘じ、法令遵守はもとより、時代の要請する社会規範とは何かを常に「ユーザー目線」で考え、それに則り行動し続けることなどを「ステークホルダーのみなさまに対する宣誓」としてお約束しました。私をはじめ役員が先頭に立って行動し続けることで、この宣誓に込めた想いを当社グループの隅々にまで広げていきます。
 また、当社グループのコンプライアンスにかかわる監督機能を強化するため、執行から独立した「コンプライアンス委員会」を取締役会直下に新設しました。委員会は、過半数を社外の専門家で構成し、グループ全体のコンプライアンス推進にかかわる指導や助言等をおこない、基本方針等の審議をおこなうとともに、定期的に取締役会に報告する仕組みとなっています。
 すでに当委員会については複数回開催し、「ユーザー目線」でのコンプライアンス意識の醸成に向けた基本方針の見直し等について検討を進めています。

 3点目は「発注・契約業務の適切性・透明性の確保」です。当社は、「調達等審査委員会」を設置し、外部の専門家が工事の発注・契約手続きを事後審査する仕組みを構築しました。
 発注に関するルールが不明確であった等の第三者委員会調査報告書の指摘を踏まえ、4月の委員会設置以降、精力的に議論いただき、6月末までに、工事の発注や契約手続き等に関するルールを明確化しました。
 現在はこのルールに基づき、個別案件について厳正な審査をおこなっています。

 当社グループがこれまで長きにわたり事業を続けてこられたのは、ひとえにお客さまや社会のみなさまからの信頼の賜物にほかなりません。失われた信頼を取り戻すため、社外取締役や社外委員の方々の支援も頂戴しながら、誠実で、透明性の高い開かれた事業活動を展開し、一日も早く、「関西電力は変わった」と思っていただけるよう全力で取り組んでまいります。

2020年11月