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「第2の“くろよん”」
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当社は、ラオス国において、ナムニアップ1水力発電プロジェクト(以下ナムニアップ水力)を推進している。これは、ラオス国とタイ国の国境を流れるメコン川支流・ナムニアップ川にダム式の水力発電所を建設し、27年間の発電事業を行った後、ラオス政府へ施設を無償譲渡するBOT(※1)のプロジェクトだ。このビッグプロジェクトは、その出力やダムの高さが黒部川第四発電所と同規模(最大出力・約29万kW、ダムの高さ・167m)であることから、「第2の“くろよん”」と呼ばれている。

(※1)Build Operate Transferの略で、事業会社が施設を建設し、一定期間、管理・運営を行って資金を回収した後、公共側に施設を譲渡する方式。

日本が世界に送る、インフラ輸出プロジェクト

ナムニアップ水力は、開発地点の調査段階から参画した自主開発プロジェクトだ。当社は、プロジェクトの推進会社・ナムニアップ1パワーカンパニーへ45%を出資する筆頭株主であり、当社社員20名を派遣するなど、このビッグプロジェクトをリードしている。
実は、ナムニアップ水力で発電される電気の大部分は、隣国のタイ国へと「輸出」される。メコン川を有し、水資源に恵まれるラオス国にとって、電力は銅製品と並び主要な「輸出品」だ。ラオス国から当社・ナムニアップ水力へ寄せられる期待には、こうした外貨の獲得に加え、関西電力がこれまで培ってきた、発電所の建設・運転に関する経験や技術、人材育成も含まれている。わが国では、長期に渡って持続可能な事業で、相手国の経済成長に寄与する「質の高いインフラパートナーシップ」を推進しているが、ナムニアップ水力はまさに、日本企業の優れた技術・ノウハウが提供可能なインフラ輸出のプロジェクトといえるだろう。

周辺地域の理解と協力を促すために

ナムニアップ水力の主発電所は、ダムの総貯水容量が黒部ダムの11倍、約22億立方メートルに達する。貯水池の面積は67平方キロメートルと、静岡県の浜名湖を上回る規模。ダムの建設などにより田畑や住居が水没するため、移転を余儀なくされる地域の方々は、約540世帯、3500名にも上る。
ナムニアップ水力では、住民の方々の土地や家屋、学校、病院などを新たに用意するだけではなく、移転村で生活する皆さんが、より豊かになるための職業訓練や、商品作物の栽培・輸出などといったお手伝いも行っている。当社はCSRを基軸とした経営に取り組んでおり、ナムニアップ水力でも文房具を贈呈するなど、CSR活動の機会づくりに努めている。
昨年末は、記念のサッカー大会を開催した。主ダムの建設に伴って移転が必要となる住民のために整備しているフーホンサイ村をはじめ、隣接するハジュン村、タフア村とナムニアップ1・パワー・カンパニーから合計4チームが出場。試合は大いに盛り上がり、サッカーを通して地域の皆さまとの絆が深まった。

運転開始日を控え、工事はいよいよ本格化

ナムニアップ水力は平成31年に運転開始予定。工事の進捗率が9割を超え、主ダムのコンクリート打設など土木工事が終盤に差し掛かっている。今後、発電設備などの電機工事が本格化する予定。昨年末には、主発電所の水車ランナー(※2)が設置された。ランナーの直径は約4メートル、水車軸と合計の重量は約65トンという重量物。これを設置箇所との隙間1.5ミリメートルの間へ正確に収めた。今年5月には主ダムに水を貯める作業が始まり、翌年の運転開始をめざして引き続き、安全最優先で工事を進めていく。

(※2)水車を構成する主要部品のひとつ。発電機と直結した水車ランナーをダムの水で回転させることにより電気を生み出す。

当社の海外事業に関する取組み状況

1/フィリピン:サンロケ水力 2/タイ:ロジャナ火力 3/台湾:名間水力 4/台湾:国光火力 5/シンガポール:セノコ火力 6/オーストラリア:ブルーウォーターズ火力 7/インドネシア:ラジャマンダラ水力 8/ラオス:ナムニアップ水力 9/インドネシア:タンジュンジャティB火力 10/米国(NY州):エンパイア火力 11/米国(NJ州):ウェエストデプトフォード火力 12/米国(PA州):ヒッコリーラン火力 13/アイルランド:エヴァレイアー風力 14/イギリス・ドイツ:ノイコネクト英独連系線プロジェクト

本プロジェクトのノウハウを未来の海外事業に活かす

当社では、関西電力グループ中期経営計画において、国際事業を新たな成長の柱の一つに位置づけた。2025年までに海外事業へ5,000億円の投資を計画しており、持分容量は約1,000~1,200万kWに拡大していく。
日本の電力会社として初めて海外発電事業に乗り出した、1998年のフィリピン・サンロケ水力発電プロジェクトをはじめ、アジアを中心に展開してきた国際事業は、現在では、欧州や北米、豪州を含め、11カ国14プロジェクトを数え、ワールドワイドに拡大中。今度もさらに世界へと「挑んで」いく。

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