

2011年の東日本大震災に伴う電力需給のひっ迫を機に、私たちは従来の大きな発電所だけに電力を頼るのではなく、電力需要と供給のバランスを管理することの大切さを認識しました。また、太陽光をはじめとする自然エネルギーの普及が進み、自然の状況で発電量が左右されるという課題に対して、IoT(モノのインターネット)によりお客さまの設備を相互につなぎ、お客さまの設備そのものをエネルギーリソースとして活用しようという動きが進んでいます。
関西電力は、関西に限らずすべての地域で、お客さまの設備を活用し、お客さまのアクションで生み出していただいたエネルギーをアグリゲート(束ねる)することで、VPP(バーチャルパワープラント・仮想発電所)をみなさまと一緒に作り、電力の安定供給に向けて真剣に取り組んでいます。
2016年4月以降、各地域の一般送配電事業者(TSO)が、電気の安定供給を図るため、猛暑や厳寒に対応するための調整力(電源I’)を公募により調達しています。
この公募には、お客さまの設備を活用(自家発電機の起動や生産設備の停止などの負荷抑制によるデマンドレスポンス)して参加することができます。電力需給がひっ迫した際にお客さまの電力需要を抑制し、抑えていただいた電気の使用量分を発電したとみなしてVPP(仮想発電所)を作っています。
また、制御されるお客さま設備の容量(kW)や制御された電力量(kWh)に応じた報酬を受け取ることができます。
お客さまは、この公募にご参加いただくことでデマンドレスポンスによる電気料金の低減に加えて、以下の報酬を受け取ることができます。
①kW報酬 | 契約で決められた期間・時間帯において、お客さまの設備を制御していただく可能性があります。契約期間内は、常に対応可能な体制を構築いただく必要があることから、待機料金として、制御されるお客さま設備の容量(kW)に従って報酬をお支払いいたします。 |
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②kWh報酬 | 実際にお客さまが制御された電力量(kWh)に従って報酬をお支払いいたします。 |
当社と調整力公募にご参加いただく場合、原則としてお客さまに費用をご負担いただくことはございません。また、発動時に計画通り設備制御できなかった場合は、当社からお客さまへお支払いする報酬を減額させていただくことがありますが、お客さまからお支払いをいただくケースは原則ございません。
当社は、2016年度以降の調整力公募や国が行う技術実証実験への参加を通じて、VPP(バーチャルパワープラント・仮想発電所)に関する知見を有しています。これらの経験からお客さまごとに最適なご契約内容をご提案させていただきます。
また、当社を通じこの制度にご参加いただく場合、デマンドレスポンスの状況が分かる見える化システム(K-VIPs)を当社負担で設置させていただきます※。このシステムはお客さまの電力の効率的なご使用の検討にもご活用いただけます。
※お客さまの状況により設置できない場合もございます。

- デマンドレスポンスの
達成状況が一目で確認できる - デマンドレスポンス発動時の目標値と現状の使用状態を1分ごとに確認いただくことができるためデマンドレスポンスの精度向上が期待できます。
- デマンドレスポンスイベント
の共有ができる - デマンドレスポンスに参加できない場合、スケジュール画面に入力いただくことで予定を当社と共有できるため、ご連絡いただく業務の簡素化を実現しました。
- 収支管理(報酬額の算定)が
しやすい - デマンドレスポンスイベント履歴や実施結果など、お客さま実績を一括して管理できることにより、お客さまの収支管理をサポートします。
- データをさまざまな用途に
活用できる - データはお客さまでダウンロード、Excel出力が可能です。デマンドレスポンスのみならず、エネルギーマネジメントや需要予測等への活用展開が見込めます。
今お使いのお客さまの設備を活用してデマンドレスポンスにご参加いただけます。
デマンドレスポンスにご参加いただくことで、電力需要の負荷平準化や再生可能エネルギーの出力変動の吸収、電力不足時の供給などの面で、地域の電力システムの安定のために貢献いただけます。

電気の需要と供給のバランスをとるために、お客さまの設備を制御することで電気の使用量を増減させることをいいます。
デマンドレスポンスには、「下げデマンドレスポンス」と「上げデマンドレスポンス」があります。下げデマンドレスポンスは電気が足りない場合にお客さま設備制御により電気の使用量を抑えていただきます。下げデマンドレスポンスの主の手法をご紹介します。
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空調や照明等の負荷設備を調整・停止させることで電力需要を抑制します。
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下げデマンドレスポンス依頼の時間帯に蓄電池から放電した電気を使うことによって、その時間帯における電力供給を抑制します。
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生産設備を調整・停止させることで電力需要を抑制します。抑制した分は別の時間にシフトすることで生産量を維持します。
こうして下げられたお客さま設備の容量(kW)や制御された電力量(kWh)を集めることで、下げられた分の容量(kW)や電力量(kWh)を発電したものとみなし、VPP(仮想発電所)として活用します。
デマンドレスポンスを依頼させていただく場合は、原則として開始時刻の3時間前に、関西電力アグリゲーターより開始時刻及び継続いただきたい時間をお客さまに連絡させていただきますので、デマンドレスポンスを実施していただきます。



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調整公募のスケジュールはどのようになっているのでしょうか?2020年度向き調整力公募へのご参加については、9月末までにお客さまと当社間で参加に向けた合意をさせていただいた上で、当社は入札の準備を進めさせていただきます。
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詳細な内容を確認したいのですが、事前準備などはありますか?新たにご用意いただくものはございませんが、単線結線図等、お客さまの設備の概要がわかる資料をご提出いただく必要がございます。
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どのような設備があれば参加できますか?自家発電機、生産調整、空調制御等様々な方法がございます。ぜひご相談ください。
導入事例はこちら
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関西電力にお願いするにあたって、費用負担はあるのですが?お客さまに費用をご負担いただくことはございません。
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どのくらいの報酬がもらえるのですか?一般送配電事業者が9月頃に公表する調整力公募の内容や、お客さまからご提供いただくデマンドレスポンス容量等により異なりますので、別途ご提案させていただきます。
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関西電力からのデマンドレスポンスの連絡があった場合、具体的にどのような対応をすればよいのでしょうか?当社からの連絡後(原則、開始の3時間前)に、あらかじめご契約いただいたデマンドレスポンス設備等を、原則3時間継続して制御していただきます。(年間に最大12回ご対応いただくことがございます。)
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実際に関西電力から連絡を受けた際に、契約通りにデマンドレスポンスできない場合はどうなりますか?ペナルティが発生しますか?契約通りにデマンドレスポンスできない場合は、お客さまへお支払いする報酬を減額させていただくことがあります。そのため、当社では、お客さまの設備やその稼働状況等を丁寧に分析し、無理のないデマンドレスポンス内容をご提案させていただきます。
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関西電力以外の小売電気事業者と電気供給に関して契約していますが、 デマンドレスポンス取引について、関西電力にお願いできますか?当社以外の小売電気事業者と契約中のお客さまでも問題ございませんので、ご相談ください。
K-VIPsについて
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見える化システム「K-VIPs」を利用するにあたって、費用負担はあるのですか?お客さまに費用を負担いただくことはございません。
ただし、ゲートウェイ機器をつなぐ商用電源(100V)、画面を見るための機器(パソコン、タブレット、スマートフォンなど)ならびにインターネット環境のご用意は、お客さまにお願いしています。
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見える化システム「K-VIPs」利用のための機器の設置にあたって条件はありますか?また設置工事にあたり停電の必要はありますか?見える化システム「K-VIPs」の利用のために必要な機器の設置は、担当係員が現地状況などを確認したうえで設置条件の説明および設置方法をご提案いたします。
設置工事に際して原則停電の必要はありません。