ガバナンス

コーポレートガバナンスに関する基本方針 コーポレートガバナンス・ガイドライン [PDF 1,173,195B ]
コーポレートガバナンスに関する運用状況 コーポレートガバナンス報告書 [PDF 497,110B ]

コーポレートガバナンスの基本的な考え方

 当社グループは「関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」に基づき、ステークホルダーのみなさまのご期待にお応えし続けることで、持続的な企業価値の向上と社会の持続的発展に貢献します。
その実現に向けた経営の最重要課題は、コーポレートガバナンスの強化であると認識し、当社のコーポレートガバナンスにおいては、経営の透明性・客観性を高めることを目的に、執行と監督を明確に分離した「指名委員会等設置会社」の機関設計を採用しています。
監督においては、ステークホルダーのみなさまの視点を反映するため、取締役会を中心に外部の客観的かつ多様な視点を重視した体制を構築し、執行に対して適切な監督を行うことで、経営の透明性・客観性の向上を図ります。

現状のコーポレートガバナンスの概要

 当社は、株主総会から経営の負託を受けた取締役会のもとに、執行役会議および各種委員会を置き、業務の執行を適正に行うとともに、取締役会等を通じて取締役および執行役の職務執行を監督しています。当社のコーポレートガバナンスにおいては、経営の透明性・客観性を高めることを目的に、2020年6月より執行と監督を明確に分離した「指名委員会等設置会社」の機関設計を採用しています。

コーポレートガバナンス

※関西電力送配電(株)においても、ガバナンスについては、一般送配電事業者としての中立性の確保を前提に、当社が株主としての権利を有する関係において、適切な体制を実現してまいります。

コーポレートガバナンス体制

1.監督

取締役会

◆構成

 取締役会については、当社の事業規模、事業内容、経営課題への対処、および監督機能の観点から、ジェンダー、国際性、職歴や年齢などを含む多様性を踏まえ、必要かつ適正な体制とし、経営者や専門家として培われた豊富な経験と識見を有する幅広い分野からの独立社外取締役(8名)と、当社事業について豊富な経験と識見を有する社内取締役(5名)により構成しています。
また、適切な意思決定と実効的な監督を行う観点から、取締役会を構成する取締役の員数は、20名以内とし、その過半数を独立社外取締役としています。
なお、取締役会議長は、独立社外取締役が務めることとしています。

◆役割と責務

 取締役会は、多様で幅広いステークホルダーの立場を踏まえたうえで、当社グループの持続的成長と中長期的な企業価値の向上のために、「企業戦略等の大きな方向性を示すこと」、「執行役による適切なリスクテイクを支える環境整備を行うこと」、「独立した客観的な立場から、経営に対する実効性の高い監督を行うこと」を主要な責務としています。
経営計画等の経営の基本方針については、多様な観点から十分に議論を行ったうえで決定し、その進捗状況を定期的にモニタリングし、その結果を今後の方針に反映させます。また、実効的な内部統制やリスク管理の体制を整備し、特にコンプライアンスの観点から経営を監督しつつ、執行役の迅速・果断な意思決定を支援します。また、特に重要な事項については、重点的に報告を求める等、取締役会による特別監督を行います。
執行と監督を明確に分離する観点から、取締役会は、経営の基本方針に基づく業務執行の決定については、原則として執行役に委任します。なお、執行役への委任の有無にかかわらず、特に重要な業務執行について、必要に応じ、検討段階において取締役会で事前に議論を行い、執行役は社外取締役をはじめとする取締役からの適切な意見・助言を得ます。

指名委員会

 指名委員会の委員長は独立社外取締役であり、また委員4名全員が独立社外取締役です。
当委員会は、「取締役候補者の指名を行うに当たっての方針」を定めたうえで、取締役の選解任に関する株主総会議案を決議するほか、その他役員人事に関する事項について、決議・審議を行います。また、グループ全体の持続的成長と、中長期的な企業価値の向上のため、執行役社長の選定を最も重要な戦略的意思決定であるととらえ、十分な時間と資源をかけて後継者計画および後継者候補の計画的育成に取り組みます。後継者計画の策定にあたり、次の執行役社長に期待する成果や必要な経験・スキル、コンピテンシー(能力)、ポテンシャル(素質)、価値観、人柄について審議し、「社長のあるべき姿像」を確認します。
加えて、社内評価や、第三者機関による外部評価等も活用し、多面的に候補者の情報を収集するとともに、指名委員が直接面談するなど、選任プロセスを明確化し、高い透明性・客観性を確保しています。

  • 委員長:榊󠄀原定征
  • 委員:沖原隆宗、髙松和子、真鍋精志

報酬委員会

 報酬委員会の委員長は独立社外取締役であり、また委員4名全員が独立社外取締役です。
当委員会は、「取締役および執行役の報酬等の決定に関する方針」を定めたうえで、取締役および執行役の個人別の報酬を決議するほか、その他役員報酬に関する事項について、決議・審議を行います。また、取締役の報酬水準など、報酬に関する諸課題の検討にあたっては、外部専門機関のデータや他社状況等を活用しています。

  • 委員長:髙松和子
  • 委員:榊󠄀原定征、加賀有津子、真鍋精志

監査委員会

 監査委員会の委員長は独立社外取締役であり、独立社外取締役4名と執行役を兼務しない社内取締役2名で構成しています。監査委員会を構成する取締役には、適切な経験・能力および必要な財務・会計・法務に関する知識を有する者を選任するものとしています。
監査委員会は、その職務を執行するために必要な基本方針、規則等を定めたうえで、当社または当社の子会社の執行役、取締役または従業員等の職務執行について適法性・妥当性の観点から監査を行うとともに、監査の状況・結果について取締役会に報告・意見表明等を行っています。また、必要に応じて執行役等に対して助言または勧告を行います。
監査委員会、内部監査部門および会計監査人は、適宜、連携して監査を実施することおよび監査計画や監査結果の意見交換等を通じて互いに緊密な連携を図ることで、効率的かつ実効性のある監査に努めています。
また、監査委員は、執行役会議などの重要な会議体に出席し、執行役から経営上の重要事項に関する説明を聴取しています。

  • 委員長:友野宏
  • 委員:沖原隆宗、内藤文雄、田中素子、島本恭次、西澤伸浩

コンプライアンス委員会

 当社グループにおけるコンプライアンスに係る監督機能強化のため、執行から独立した「コンプライアンス委員会」を取締役会直下に設置しています。コンプライアンス委員会は委員長を含む委員の過半数を社外有識者として、コンプライアンスに係る基本方針や、取締役および執行役等に関する問題事象の対処方針など特に重要なものについて、審議・承認するとともに、社長等執行に対して必要に応じ直接指導、助言、監督し、取締役会に定期的に報告を行っています。

取締役

◆指名方針

 当社取締役には、「関西電力グループ経営理念Purpose & Values」および「関西電力グループ行動憲章」等に定めた経営の基本的方向性や行動の規範に従って、率先して、コンプライアンスを重視し、自らの職務の執行を律することを求めています。取締役候補者の指名については、ジェンダー、国際性、職歴や年齢などを含む多様性を踏まえたうえで、適切な意思決定と実効的な監督を行う観点から、能力、経験、人格、識見などについて、当社取締役としてふさわしい人物かどうかを総合的に勘案し、指名委員会で審議し、決定しています。
また、当社は、東京証券取引所が定める独立役員の要件を踏まえ、下記のとおり、独自の独立性基準を策定しており、社外取締役については、取締役会の監督機能強化の役割を担う観点から、当該基準に照らして、社外取締役の独立性を判断しています。なお、社外取締役が他の上場企業の役員を兼任する場合には、当社の社外取締役としての役割・責務を適切に果たすために必要となる時間・労力を確保できるよう、兼任数を合理的な範囲内としています。

【当社が定める独立性基準】

 当社は、社外取締役が以下1〜9のいずれにも該当しない場合に、独立性を有するものと判断しています。

1 当社を主要な取引先とする者またはその業務執行者
2 当社の主要な取引先またはその業務執行者
3 当社から役員報酬以外に多額の金銭その他の財産を得ているコンサルタント、会計専門家または法律専門家(当該財産を得ている者が法人等の団体である場合は、当該団体に所属する者)
4 当社から多額の寄付・会費を受けている者またはその業務執行者
5 当社の監査法人の業務執行者
6 当社の主要株主である者またはその業務執行者、および当社が主要株主である会社の業務執行者
7 当社または当社子会社から役員を受け入れている会社の業務執行者
8 最近において、上記1~7のいずれかに該当していた者
9 次のいずれかに掲げる者(重要でない者を除く)の配偶者または二親等以内の親族
(1)上記1~3までに掲げる者
(2)現在または最近における当社または当社子会社の業務執行者
【取締役のスキル・マトリックス】

 指名委員会が選定した当社の取締役会が有すべき経験や識見、および取締役のスキルの保有状況は次のとおりです。

取締役 経営
経験
ガバナンス・
リスク
マネジメント
法務・
コンプ
ライアンス
財務
・会計
テクノ
ロジー
産業
政策
広報
戦略
グローバル
経験
販売・
マーケ
ティング
榊󠄀原 定征
沖原 隆宗
加賀 有津子
友野 宏
髙松 和子
内藤 文雄
真鍋 精志
田中 素子
森 望
稲田 浩二
荒木 誠
島本 恭次
西澤 伸浩
◆役割と責務

 取締役は、取締役会等において、積極的に意見を表明し、建設的な議論を尽くすものとし、また、職務を執行するにあたり、他の取締役や執行役に対し説明を求めることを含め、十分な情報収集に努めています。
社外取締役は、企業経営者や専門家としての豊富な経験や識見を活かし、外部の客観的な視点から、取締役会の監督機能強化の役割も担っています。また、取締役会における議論に積極的に貢献するとの観点から、社外取締役同士で意見交換を活発に行うとともに、執行役とも十分に連携しています。

◆トレーニング

 取締役に対して、その役割・責務を果たすうえで必要な知識を付与するため、就任の際、また就任後も定期的に研修を行う等、適切なトレーニングの機会を設けています。社外取締役に対しては、その役割・責務を果たすうえで 必要な知識を習得できるよう、就任の際、また就任後も継続的に、当社グループの事業・財務・組織等に関する説明を行っています。さらに、事業内容の理解促進を目的とした当社施設の視察や第一線職場との対話等も適宜行っています。

【各スキルの詳細】
 当社の経営理念、中期経営計画および重点課題等を踏まえ、当社の経営監督に必要なスキルを選定しております。
各スキルの詳細は、以下のとおりです。

経営経験 会社役員としての経営経験を踏まえた、「ゼロカーボンビジョン2050」等の中長期的な経営戦略、人財・組織運営等の経営全般に対する監督
ガバナンス・リスクマネジメント ガバナンスの確立、レジリエントな事業基盤構築、サプライチェーンを含む事業活動全般に係るリスクマネジメントの体制・運用状況に対する監督
法務・コンプライアンス 事業活動における法務・コンプライアンスの観点からの専門性に基づく監督
財務・会計 正確な財務報告や、財務健全性の維持、企業価値の向上に向けた成長投資の推進、適切な株主還元を実現するための財務戦略や資本政策等に対する監督
テクノロジー 発電事業等における安全最優先かつ効率的な運営、水素等の最新技術動向の把握・利活用、DX・サイバーセキュリティ対策の取組み等に対する監督
産業政策 エネルギー政策の動向等への適切な対応、地方自治体等の地域のみなさまからの信頼獲得、地域活性化に向けた取組みに対する監督
広報戦略 広範なステークホルダーとの双方向コミュニケーションの深化、信頼獲得に向けた取組みに対する監督
グローバル経験 海外投資や海外企業との協働に対する監督
販売・マーケティング 電力販売にとどまらない新たな価値・サービスの提供等による収益力向上に向けた取組みに対する監督

2.執行

執行役

◆選任方針

 執行役は、「 関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」および「関西電力グループ行動憲章」等に定めた経営の基本的方向性や行動の規範に従い、また、社長による「ステークホルダーのみなさまに対する宣誓」の趣旨に則り、率先して、自らの職務の執行を律することが求められています。執行役の選解任については、当社事業の各分野における豊富な専門的知識と経験、業務執行能力、人格などについて、当社執行役としてふさわしい人物かどうかを総合的に勘案し、取締役会において審議し、決定しています。

◆役割と責務

 執行役は、取締役会決議により、取締役会から委任された業務執行の決定を行い、かつ、会社の業務を執行しています。

◆トレーニング

 執行役に対して、執行役としての職責を果たすうえで必要な知識を付与するため、就任の際、また就任後も定期的に研修を行うなど、適切なトレーニングの機会を設けています。

執行役会議、各種委員会

 取締役会の決定した基本方針に基づいて、当社グループ全般の重要な業務執行方針および計画ならびに業務執行に関し審議するとともに、必要な報告を受けるため、執行役社長を議長にすべての執行役で構成する「執行役会議」を原則として毎週開催し、迅速かつ適切な会社運営を実施しています。上記に加え、当社は、執行の適正化と円滑化を図るため各種委員会組織を設置し、執行役会議を通じた意思決定や各部門の業務執行を支援しています。これらは各目的に関連する業務を担当する執行役を主として構成し、定期的に開催もしくは必要に応じて適宜開催しています。

◆組織風土改革会議

 「組織風土改革会議」を設置し、組織風土改革をはじめとした新電力顧客情報の不適切な取扱いに係る事案および小売電気事業における独占禁止法違反に係る事案の再発防止策を総合的に推進します。同会議は、当該事案に係る全社的な課題の把握・分析、再発防止に向けた総合的方策の策定、組織風土改革に向けた具体的方策の検討・推進および実施状況の確認等を行っています。

◆内部統制部会

 当社グループの事業活動に伴うリスクを適切なレベルに管理し、当社グループの持続的な成長を実現するため、「内部統制部会」を設置しています。同部会では、内部統制システムの整備・運用状況の評価や、改善に係る総合的方策の検討、また、不備事項の改善指示および改善状況の確認・支援を行っています。

◆サステナビリティ推進会議

 サステナビリティに係る課題の対応については、当社グループとしての基本的な考え方や、遵守すべき行動の規範を「関西電力グループ行動憲章」に定めています。さらに、「サステナビリティ推進会議」を設置し、当社グループ全体のサステナビリティに関する総合的方策の策定や、実践状況の確認を行い、グループが社会の持続的な発展に貢献するための具体的な活動を展開しています。

◆原子力安全検証委員会・原子力安全推進委員会

 原子力安全については、将来世代の従業員まで引き継いでいく原子力安全にかかわる理念を「原子力発電の安全性向上への決意」として明文化し、これに基づき、たゆまぬ安全性向上に取り組んでいます。また、「原子力安全推進委員会」において、美浜発電所3号機事故を踏まえた再発防止策の推進や安全文化の醸成、福島第一原子力発電所事故を踏まえた自主的・継続的な取組みに関して、広い視野から確認、議論を行い、全社一丸となり、取組みを推進しています。
さらに、社外の有識者を主体とする「原子力安全検証委員会」において、独立的な立場から助言等を得て、安全性向上の取組みに反映しています。

◆調達等審査委員会

 工事の発注や契約手続き、寄付金や協力金に関する拠出手続きの適切性、透明性を確保することを目的に、社外有識者を過半数とする「調達等審査委員会」を設置し、外部の専門家の視点で審査する仕組みを構築しています。

◆経営監査委員会

 内部監査については、安全・品質に関する経営的諸問題を幅広く共有・審議するとともに、社外の識見や情報を取り入れ、公正かつ専門的な立場から、グループ全体の内部監査の適正を確保するため、「経営監査委員会」を設置しています。また、内部監査の専任組織として、公認内部監査人や内部監査士を擁する経営監査室を設置し、業務の適正を確保するための体制の整備・運用状況に係る適正性・有効性等を定期的に監査しています。

3.顧問

 当社は下記のような顧問制度を採用しています。

◆制度

 当社グループの持続的な発展に寄与する場合、必要に応じて顧問を置くことができることとしています。

◆委嘱・報酬決定プロセス

 客観性を確保する観点から、取締役および執行役を退任した者に顧問等を委嘱する場合は、その委嘱の必要性ならびに業務内容および報酬について、指名委員会および報酬委員会ならびに取締役会において、厳正に審議し、決定するとともに、顧問の委嘱業務および個別の報酬額について開示しています。

◆役割

 顧問は、自らの経験や人脈等を活かし、業界活動、地域経済からの要請への対応など、関西経済および当社グループ事業の発展につながる社会貢献活動等を行う一方、経営への指導および助言活動は行いません。

4.取締役・執行役の報酬

◆取締役および執行役の報酬等の決定に関する方針
(報酬制度の方針および概要)

 取締役および執行役の報酬は、会社法の規定に基づき、報酬委員会において決定しています。
業務執行を担わない取締役の報酬については、その役割を踏まえ、基本報酬のみの構成としています。
業務執行を担う執行役の報酬については、企業業績と企業価値の持続的な向上に資するよう、各執行役の地位等に応じて求められる職責などを勘案した基本報酬に加えて、短期インセンティブ報酬としての業績連動報酬および中長期インセンティブ報酬としての株式報酬で構成し、その支給割合については、目安として「基本報酬:業務連動報酬:株式報酬=6:3:1」となるよう、設定しています。

(報酬決定プロセス)

 社外取締役のみで構成している報酬委員会において、「取締役および執行役の報酬等の決定に関する方針」を定めたうえで、この方針に則り、取締役および執行役の個人別の報酬を決議しています。
また、報酬水準など、報酬に関する諸課題の検討に当たっては、外部機関のデータや他社状況などを活用しています。

◆報酬体系(基本報酬、業績連動報酬、株式報酬)
(基本報酬)

 当社の基本報酬は、各取締役および執行役の地位等に応じて求められる職責などを勘案して、役位に応じた基準額を支給しています。

(業績連動報酬)

 当社の業績連動報酬は、中期経営計画の財務目標に沿った各指標およびESGの取組み実績を踏まえた全社業績と、各担当部門の取組み実績を踏まえた個人別業績から構成しており、その支給額については、役位ごとの基準額に、目標に対する達成度合に応じて算定し、支給しています。

(株式報酬)

 当社の株式報酬は、執行役等に、役位に応じた基準額に基づき、毎年一定のポイントを付与し、退任時にポイントの累積値に応じて、当社株式を交付および当社株式の換価処分金相当額の金銭を支給しています。

◆報酬体系
業績連動報酬の内訳
  • (※1)業績連動報酬の役位別基準額(年額)
    • ・取締役執行役社長 2,280万円
    • ・取締役執行役副社長 1,740万円
    • ・執行役副社長 1,610万円
    • ・執行役常務 1,170万円
  • (※2)全社業績は、業績の達成度に応じて0~150%の範囲で変動する。
  • (※3)個人別業績は、個人別の成果などに応じて0%~120%の範囲で変動する。
     なお、執行役社長は、個人業績を適用せず、会社業績の割合を100%とする。

5.子会社のマネジメント

 子会社に対しては、「 関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」および「関西電力グループ行動憲章」等の経営の基本的方向性や行動の規範について、浸透を図るとともに、子会社管理に係る社内規程に基づき、子会社における自律的な管理体制の整備を支援、指導すること等により、企業集団の業務の適正を確保しています。
また、子会社における重要な意思決定については、事前に関与することや、経営状況を定期的に把握することに加え、特に当社グループの成長の柱となる事業を担う中核会社については、重要な業務執行方針および計画を執行役会議で審議することにより、グループ全体の企業価値の毀損を未然に防止し、またはこれを最小化するよう努めています。
具体的には、業績評価制度に基づき、各社の計画・方針と当社グループ方針との整合を確認したうえで、期初に財務・非財務の目標を設定し、期中や期末において経営幹部がコミュニケーションを行うなど、進捗確認を行っています。加えて、一定規模の投資や新規事業分野への進出などの個別の計画等に関しては事前に調整を行っており、これらを通じて、グループ全体の企業価値の向上および企業価値毀損の未然防止に努めています。

6.取締役会の実効性評価と対応方針

当社は、取締役会や指名・報酬・監査委員会の機能向上のため、毎年、取締役会等の実効性評価を実施し、取締役会運営をはじめとするコーポレート・ガバナンスの改善を図っています。

(1)2021年度の実効性評価結果に基づく課題と2022年度の主な取組み
2021年度の主な課題 2022年度の主な取組み

①社外取締役と経営陣とのコミュニケーション機会の充実

取締役による意見交換会や、全取締役・執行役を対象とする研修会を実施する等、社外取締役と経営陣のインフォーマルなコミュニケーション機会を積極的に設定し、相互理解の向上を図るとともに、事業ポートフォリオや中期経営計画等に関する中長期的な重要テーマに係る議論を充実させました。

②中長期的な重要テーマに係る議論のさらなる充実

③取締役会による各監査機能に対する監督等のあり方

取締役会と監査委員会の関係性に係る認識共有の場の設定、内部監査部門等との意見交換の充実等を通じ、取締役会等の監督機能の実効性向上を図りました。

④役員トレーニングのあり方、実施状況の確認

役員トレーニングの実施状況や今後の方向性を取締役会に報告し、適宜、取締役会の意見を反映させる等、役員トレーニングに対する取締役会の監督を強化しました。

⑤取締役会の構成のさらなる向上

株主総会に提案する取締役候補者の選定を含むボードサクセッションについて、ジェンダー、年齢、職歴等の多様性を踏まえた構成となるよう、継続的に指名委員会で議論を行いました。
(2)2022年度の実効性評価の概要
評価・分析方法 評価項目
  • 第三者機関を活用した、全取締役対象のアンケート(5段階評価+自由記述)により、取締役会等の実効性に関する調査を実施
  • 第三者機関による調査結果の分析を踏まえ、取締役会等の実効性について、本年4月27日開催の取締役会にて審議・評価
  1. 1.取締役会の役割・機能
  2. 2.業務改善計画の取組状況
  3. 3.取締役会の構成・規模
  4. 4.取締役会の運営
  5. 5.指名・報酬・監査委員会の運営
  6. 6.社外取締役の役割・サポート体制
  7. 7.株主・投資家等との関係
  8. 8.昨年度の主な課題に対する改善状況
(3)2022年度の実効性評価の総評
2022年度の調査結果の総評
取締役会の強みとして、取締役会の役割である「経営戦略等の中長期的な重要テーマに関する議論が充実している」こと、およびそれを支える「十分な情報提供、審議時間確保等の適切な取締役会運営や取締役会の人数規模」が挙げられ、また、指名・報酬・監査委員会に共通した強みとして「アジェンダセットや十分な情報提供等の適切な運営」を挙げる分析結果を確認しております。
また、昨年度の主な課題に対する改善状況について「概ね改善している」との結果を得ており、取締役会等の実効性が着実に向上していることを確認しております。
一方、「(ご参考)コンプライアンスに関わる不適切な事案の詳細について(2022年度事業報告 59頁から62頁)」に記載の事案等の発生を受けて、「組織風土改革やコンプライアンス推進の状況」が課題である分析結果も確認しております。
当社グループは、コンプライアンスの徹底を一人ひとりが「自分事」として真摯に向き合い、かつ、実践する組織風土の改革を断行するとともに、グループ全体の内部統制を抜本的に強化してまいります。取締役会は、これらを中心とする執行側の取組みに対して、より一層監督機能を発揮し、継続的に実効性向上に努めてまいります。
(4) 今後の主な課題と対応の方向性
今後の主な課題 今後の対応の方向性

①組織風土改革・コンプライアンス強化に向けたさらなる取組み

緊急対策本部の取組状況、内部通報制度を含む内部統制の整備・運用状況等に関する報告内容・審議時間を充実させ、取締役会等がさらに監督機能を発揮し、組織風土改革・コンプライアンス強化を強力に推進してまいります。

②取締役会による指名・報酬委員会への監督のあり方

指名・報酬に関して取締役会が監督すべき事項等について、取締役会で認識を共有し、十分な取締役会報告を行うことで、取締役会の監督機能の向上を図ります。

③株主・投資家等への情報開示・説明

重要事項に関する情報開示のあり方や情報発信の機会に関して、株主・投資家等の目線で取締役会がさらに監督機能を発揮し、株主・投資家等との適切な関係構築を図ります。

④取締役会の構成のさらなる向上

将来の経営環境を踏まえた、あるべき取締役会の構成について、指名委員会において継続して議論してまいります。

2022年度の運営状況

◆取締役会

 法令および取締役会規則に基づき、株主総会議案や各委員会の構成、執行役人事、役員人事措置等、当社グループの経営にかかわる重要事項等について決議しています。
また、新電力顧客情報の不適切な取扱いによる電気事業法違反等の問題に関する取組みの進捗状況、事業ポートフォリオ、四半期ごとの決算を含む中期経営計画の進捗状況、内部統制に関する運用状況等について定期的に報告を受け、審議を行っています。上記の決議および審議を行うに当たって、取締役会議論の充実およびコーポレート・ガバナンスの強化を目的として、2022年度は、取締役による意見交換会を3回、独立社外取締役のみで構成する会合を1回開催し、当社の経営課題や将来的な成長戦略の方向性等について幅広く議論しています。加えて、2022年度は、社内外問わずより時間をかけて経営課題に関する議論を行うための機会を設けてほしいとの社外取締役のご意見を踏まえ、取締役および執行役による役員合同研修会を開催し、「2050年に向けた電源ポートフォリオ」や「組織風土改革・人財力改革」といった重要テーマについて2日間に亘り議論しました。これらの意見交換会や会合等を通じて得た意見を経営や以降の取締役会議論に反映しています。
また、独立社外取締役は、取締役会議題等の事前説明、第一線職場の視察、従業員との対話等、年間を通じて、積極的に当社の状況把握に努めております。

※コンプライアンスに関わる不適切な事案に係る業務改善計画の策定以降は、組織風土改革や内部統制の抜本的強化等の一連の改革の達成状況を継続的かつ客観的な視点で検証するため、取締役会が特別監督を実施し、業務改善計画の実施状況を把握し、指導を行っております。

◆指名委員会

 株主総会に提出する取締役の選任および解任に関する議案の内容の決定、取締役の選任方針の決定を行うほか、執行役社長の後継者計画の内容および育成プロセスや顧問の委嘱等について、審議を行っています。2022年度、重点的に審議・意見交換を行った事項には、以下を含みます。

  • 執行役社長の後継者計画の運用と後継者候補の育成
  • 株主総会に提案する取締役人事
  • 社外取締役の後継者計画
  • 役員人事措置の内容
◆報酬委員会

 取締役および執行役の個人別の報酬等の内容に関する方針の決定、取締役および執行役の個人別の報酬等の内容の決定を行うほか、顧問の報酬等について、審議を行っています。2022年度、重点的に審議・意見交換を行った事項には、以下を含みます。

  • 他社の役員報酬水準や報酬方針の動向等に係る調査結果を踏まえた当社役員報酬のあり方
  • 業績連動報酬の仕組みや目標設定(ESG 関連指標の導入を含む)
◆監査委員会

 取締役会で決定した当社グループの経営にかかわる重要事項等を踏まえた監査計画を策定し、当社グループの事業活動が適法・適正に行われているか、また、リスクの防止と企業価値の向上に向けて適切・妥当な意思決定や業務執行が行われているか、との観点から監査を行うとともに、監査委員会委員間での審議、取締役会や執行側への報告、意見表明当等を行います。当該事業年度、重点的に行った監査等の事項には、以下を含みます。

  • コンプライアンス、ガバナンス強化に向けた取組状況
  • 中期経営計画に基づく取組状況
  • 第一線職場との対話
  • 金品受取り問題および役員退任後の嘱託等の報酬に関する問題について、当社が提起した旧役員を被告とする損害賠償請求訴訟の対応

監査委員会は、会計監査人から、期初の段階で、監査計画の説明を受けるとともに、その実施状況について、四半期ごとに四半期レビューの状況、中間と期末に年度監査の状況報告を受け、意見交換を行うなど、互いに緊密な連携を保っています。また、監査上の主要な検討事項(KAM)についても、会計監査人と年度中に複数回協議し、意見交換を行っています。
監査委員会と会計監査人との主な連携の状況は次のとおりです。

項目 時期 概要
監査計画の説明 7月(※1) 当事業年度の監査計画の説明を受ける。
四半期レビュー報告 7、10、1月 会計監査人から四半期のレビュー結果について報告を受け、意見交換を行う。
監査の中間報告 12月 会計監査人監査の中間報告を受け、意見交換を行う。
監査の期末報告 5、6月 会計監査人監査の期末報告(内部統制監査状況を含む)を受けるとともに、会計監査人の職務の遂行状況に関する詳細報告を受領する。
監査上の主要な検討事項(KAM) 9、12、5、6月 KAMについて監査委員と会計監査人が協議し、意見交換を行う。(※2)
  • ※1 年度を通じて、各報告時に、監査計画の見直しがあればその報告を受けています。
  • ※2 KAMに関連する情報開示の適切性・整合性についても確認をしています。
◆取締役の活動状況

 なお、2022年度の取締役会および指名・報酬・監査委員会の開催状況および個々の取締役の出席状況については次のとおりです。

氏名 開催状況および出席状況
取締役会 指名委員会 報酬委員会 監査委員会
榊󠄀原 定征 ◎100%(14/14回) ◎100%(7/7回) 100%(2/2回) -
沖原 隆宗 100%(14/14回) 100%(7/7回) 100%(1/1回) 100%(11/11回)
小林 哲也 79%(11/14回) 71%(5/7回) 100%(2/2回) -
佐々木 茂夫 100%(14/14回) - - 100%(15/15回)
加賀 有津子 93%(13/14回) - 100%(2/2回) 100%(4/4回)
友野 宏 100%(14/14回) - - ◎100%(15/15回)
髙松 和子 100%(14/14回) 100%(7/7回) ◎100%(1/1回) -
内藤 文雄 100%(14/14回) - - 100%(15/15回)
森 望 100%(14/14回) - - -
稲田 浩二 93%(13/14回) - - -
西澤 伸浩 100%(11/11回) - - -
杉本 康 100%(14/14回) - - 100%(15/15回)
島本 恭次 100%(14/14回) - - 100%(15/15回)

(注)1 小数点以下第1位を四捨五入しており、( )内は、出席回数/在任中の開催回数を示しています。

2 ◎は議長または委員長を示しています。

3 ※は独立社外取締役を示しています。