プレスリリース

2008年1月28日
関西電力株式会社

「CO2炭層固定化技術開発」の研究成果について

 当社のグループ会社である株式会社環境総合テクノスは、平成14年度から、経済産業省の「CO炭層固定化技術開発プロジェクト」に事業実施者として取り組んできましたが、昨年10月に、北海道夕張市における実験を終了し、この度、これまでの研究成果を取りまとめました。
 CO炭層固定化技術は、COを地中の石炭層に注入・固定化し、閉じ込めるとともに、COに置換されたメタンも回収するという技術です。
 本プロジェクトでは、このCO炭層固定化技術の確立に向けた研究を進め、その中で、
 ・石炭層へのCO注入性の向上
 ・メタンの効率的抽出
 ・CO注入後の地表への漏洩の有無を確認するモニタリング技術の開発
の3点の課題に取り組み、以下の成果を挙げました。


<研究成果>
  1.石炭層へのCOの注入性向上技術の開発     〔詳細別紙2参照
    COに合わせて窒素を注入することで、注入性を格段に向上させる技術を開発。
    COのみを注入する場合と比較して、最大で約2倍の注入性向上を確認。
(約3トン/日⇒最大約6.6トン/日)
    本技術は世界で初めてのものであり、現在特許申請中。
       
  2.メタンの効率的抽出の確認
    窒素を注入することによるCOの注入性向上により、COに置換されたメタンガスの回収について、通常時(COを注入しないでメタンを回収する場合)と比較して約9倍の増産効果を確認(80m/日⇒700m/日)。
       
  3.モニタリング技術の開発     〔詳細別紙2参照
    土壌中のCOとOの濃度変化を連続測定することで、石炭層に注入したCOの地表への漏洩の有無をモニタリングする技術を開発。
    本技術は世界で初めてのものであり、現在特許申請中。


 今回のプロジェクトとしては、本成果をもって終了となりますが、炭層固定化を含む、COの地中貯留技術は、地球温暖化防止対策に期待される技術として、国レベルで取り組みが進められており、当社グループとしても、引き続きこれらの研究に取り組み、さらなる技術開発に努め、積極的に貢献してまいります。

以  上

<参 考>

◆株式会社 環境総合テクノスの概要
  本  店 大阪市中央区
  沿  革
昭和49年 1月    (株)関西総合環境センター創立
平成16年10月1日   (株)環境総合テクノスに商号変更
    (関西電力グループの環境、土木、建築事業を統合)
  資 本 金 8千万円(関西電力100%)
  事業内容
環境に関する研究調査、測定分析、影響予測及び評価
土木、建築、環境緑化、造園設備の調査、計画、設計、監理、請負
地盤、測水等に関する調査及び測量業  他
  社  長 今井 武
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