プレスリリース

2007年5月30日
財団法人電力中央研究所
関西電力株式会社

「高効率炭化ガス化ガスエンジン発電システム」の開発~バイオマスを用いた中小規模発電システムで世界最高レベルの発電効率23%を達成~

 財団法人電力中央研究所[理事長:白(しらと) 良一]および関西電力株式会社[取締役社長:森 詳介]は共同で、木質バイオマス等を燃料とした「高効率炭化ガス化ガスエンジン発電システム」の開発に成功し、定格出力320kWで世界最高レベルの発電効率23%を達成しました。


 バイオマス発電は、数千kW以上の大規模なものを除いては発電効率が低く、採算性が乏しいため、導入が進んでいないのが現状です。そうした中で、今回の共同開発は、中小規模の発電システムにおける発電効率向上を目指して進めてきたもので、電力中央研究所が開発した、発電用の燃料ガスを製造するバイオマスガス化技術と、関西電力のもつ着火力の強いガスエンジン技術を組み合わせることで実現したものです。
 具体的には、今回開発した「高効率炭化ガス化ガスエンジン発電システム」において、

  ◇バイオマスを発電用燃料ガスに転換するガス化炉の高性能化
  ◇低カロリーの発電用燃料ガスに対応するガスエンジンへの改良
を図ることで、世界最高レベルの発電効率を達成※1しました。
  ※1: 発電効率23%は、木質バイオマスでの試験結果

 さらに、今回開発したシステムについては、バイオマス発電特有の発電用燃料ガスのカロリー変化にも対応※2し、安定した電力供給を維持できることを実証しています。
  ※2: バイオマス原料は、性状が不安定で、ガスカロリーが変化するため、850kcal/Nm3から1,200kcal/Nm3のカロリー変化試験を実施し、安定して発電が行えることを実証

 今後は、本システムのさらなる高効率化に加え、今回、実施した木質バイオマス以外の廃棄物燃料の実証試験も含めて、実用化に向けた研究を進めていく予定です。

以  上

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