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行政書士は「行政書士法」という法律で定められた国家資格です。行政書士試験に合格した人や長年、公務員として経験を積んだ人にこの資格が与えられます。官公署に書類を提出する時や事実証明をしたい時、権利・業務に関する書類が必要な時に書類作成、申請代行、コンサルティングをします。
こんにちは!「P・cosMos」です。フリーランスで働く女性行政書士4人 の集まりです。
ところで、『行政書士って、何をする人?』って思っておられませんか?すご〜く簡単に言いますと、「書類を書く人」。書類は内容証明郵便から各種許認可関係の書類等々、数千種類。そしてこれに付随する業務……一言ではとても言い切れない行政書士の業務内容ですが、日常生活の中で『困ったな?』、『どうしたらいいのだろう?』、『こんなことをしたいのだけど、何から手を付けたらいいの?』と悩んだら、とりあえあえず『行政書士に相談してみよう!』と思っていただきたいのです。
今回、【いちぼると】のHPで、私たちが日々の業務の中で携わっているいろいろな法的な知識や情報などをみなさんにお伝えする機会を得ました。行政書士がみなさんにとって身近な存在になるきっかけになったら、うれしいです。


【著作権】という言葉は最近、新聞やTVニュースで取り上げられる機会が多くなっていますから、みなさんも耳にしたことがあると思います。でも……【著作権】っていったい何?「○○権」というのだから、何らかの権利なんだろうけど、「どんな権利で、誰の権利なの?」。「そう言えば、“著作権の侵害”という言葉も聞いたことがあるわ」という人もいらっしゃるのでは?
この権利、【著作権】は一部の特別な人にだけ与えられるものではなく、実はとても身近な権利なのです。
あなたにも、お子さんにも【著作権】があるかも知れません。また、知らないだけで“著作権の侵害”という行為を犯しているかも知れないのです。
今回は【著作権】についてお話をさせていただきます。
執筆:行政書士 松塚百合恵(内容は2010年3月1日現在の法律にもとづきます。)
【著作権】は英語でcopyright(コピーライト)と言います。つまり著作物の権利であり、作品(著作物)を作った人が持っている権利です。と同時に、自分が作った作品(著作物)を他の人に勝手に使われないための権利です。
では、どのようなものが著作物になるのでしょうか?
〔著作権法〕では、著作物とは「思想または感情を創作的に表現したものであり、いわゆる文化の範囲に属するものである」と定義されています。簡単に言えば、「人が考えたものや思いついたものを何らかの形で表現したもの」です。言葉で表現したり、絵を描いたり、写真を撮ったり、音楽をつくったり……言い換えれば、「身の回りの全ての作品に【著作権】がある」ということになります。
何かを作れば・プロか・アマチュアか・上手いか・下手かを問わず(子どもの描いた絵や作文であっても)、【著作権】は必ず発生するのです。
◆[著作権法]で例示されている著作物の種類
*言語の著作物/小説・脚本・論文・講演など
*音楽の著作物/楽曲・歌詞など
*舞踊の著作物/ダンス・バレエ・日本舞踊・パントマイムの振り付けなど
*美術の著作物/絵画・版画・彫刻など
*建築の著作物/芸術的な建造物
*地図・図形の著作物/図表・設計図など
*映画の著作物/映画
*写真の著作物/写真・グラビアなど
*プログラムの著作物/コンピュータプログラム
◇その他の著作物
*二次的著作物/著作物を翻訳したり、小説を映画化したりなど二次的に創作された作品
memo:それを利用する場合、二次的著作物の作者だけでなく、その元となった著作物の著作者の利用許諾も必要になります。
*編集著作物/新聞記事や雑誌、百科辞典など編集されたもの
memo:それを構成するもの、例えば、雑誌の中の写真やグラビアなどが個々に著作物としての性質を有するものであれば、雑誌の著作者と写真の著作者の双方から利用許諾をとる必要があります。
*データベースの著作物/コンピュータで検索できる情報など
…このマークを見かけたことがありますよね?「マルシー」マークと呼ばれるものです(英語では「サークルシー」と言います)。
私の好きなディズニーの商品をよく見ると「©DISNY」とありますし、キティちゃんのグッズを見ると「©1976、2008 SANRIO.CO.LTD」と書いてあります。順を追って説明します。
・©=copyright(コピーライト)の略、つまり【著作権】のこと
・1976=作品(著作物)を最初に公開した年号
・2008=この作品を公開した年号
・SANRIO.CO.LTD=【著作権】を持っている企業名を表示
ちなみに他にもよく目にするマークを紹介しましょう。
*®/Registered Trademark。「登録商標」を表しています。
作品(著作物)を作ると、作った人(著作者)には以下のふたつの権利が発生します。
経済的な権利を守るもの/著作者がその一部や全部を譲渡したり、相続したりできます。
▲複製権…著作物を無断にコピーされない権利(著作者だけがコピーできる)
▲上演権…演奏権…無断で公に上演されたり、演奏されない権利
▲上映権…著作物を無断で公に上映されない権利
▲公衆送信権…著作物を無断で放送やホームページに載せたりされない権利
▲口述権…無断で言語の著作物を口頭で公に伝えられない権利
▲展示権…無断で美術の著作物や未発行の写真の著作物の原作品を公に展示されない権利
▲頒布権…無断で映画の著作物を販売やコピーの譲渡、貸与されない権利
▲譲渡権…無断で映画以外の著作物の原作品又はコピーを公衆に提供されない権利
▲貸与権…無断で著作物のコピーを他人に貸与されない権利
▲翻訳権等…著作者に無断で二次的著作物を創作されない権利
▲二次的著作物の利用権…二次的著作物において、その原著作物の著作者は二次的著作物の著作者が持つのと同様の権利が認められる
人格的な権利を守るもの/著作者だけが持っている権利なので、譲渡したり、相続したりすることはできません。
▲公表権…著作者の承諾なしに公表されない権利(公表するのかorしないのか。公表するなら、いつ、どのような方法で公表するのかを決めることができる権利)
▲氏名表示権…著作物を公衆に提供する際に、氏名を表示するかorしないか、するなら、実名かペンネームかを決める権利
▲同一性保持権…著作物とその題号を勝手に改変されない権利
【著作権】といっても、著作者にはいろいろな権利があることがおわかりいただけましたか?権利の内容から、著作(財産)権というのは「無断で○○○○されない権利」であり、著作者だけにある権利なのです。つまり、著作物の無断利用は原則禁止されているということなのです。ご注意ください。
また、著作(財産)権には、有効期間(保護期間)あることを覚えておいてください。
| 著作物の種類 | 保護期間 |
|---|---|
| 実名の著作物 | 作者の死後50年 |
| 無名の著作物 | 公表後50年 |
| 映画の著作物 | 公表後70年 |
また難しい言葉が出てきましたね。が、作品(著作物)を作ると→著作者になり→さまざまな権利が発生するということはわかっていただけたと思います。
《著作権法》では、直接、作品作りには関与していなくても、その作品を広く社会に広げるために一定の関与をしている人には〈著作隣接権〉という権利を認めています。【著作権】に隣接した権利という意味です。
*実演家/歌には作曲家・作詞家がいて、それぞれ【著作権】を持っています。その歌は歌手によって歌われ、その歌手に対して〈著作隣接権〉が認められます(他には指揮者・演奏家・俳優・ダンサーが該当)。
*レコード製作者/優れた音質の録音をすることで、その音楽が広く伝えられることに貢献している、という考えの元に、レコードに収録されている音を最初に録音した人にも〈著作隣接権〉が認められます。
*放送事業者/放送という手段を通じて、番組の内容を広く伝えるという役割を果たしています。有線放送を業とする者にも〈著作隣接権〉が認められています。
*実演家→氏名表示権・同一性保持権・録音・録画権・放送権など
*レコード製作者→複製権など
*放送事業者→複製権など
| 実 演 | 作者の死後50年 |
| レコード | 公表後50年 |
| 放 送 | 公表後70年 |
memo:作曲家の死後50年を経過している曲の【著作権】、例えば、モーツアルトやベートベンが作曲した楽曲のそれは消滅していますが、すでに【著作権】が消滅している楽曲を演奏すると(誰でも演奏OK)、そこには〈著作隣接権〉が発生します。そして、その演奏を録音したCDを利用する際には、〈著作隣接権〉を持つアーティストや歌手の著作者隣接権を考慮しなくてはなりません(無断利用は著作者隣接権を侵害する場合があるかも知れないので、注意が必要です。この頁のおしまい、[【著作権】Q&A]中の「Q5.」参照)。

ここまで見てきたように【著作権】は著作者にいろいろな権利を発生させると同時に、他者のさまざまな行為を禁止することができます。
でも、いくら著作者として権利を有すると言っても、それをすべて認め、他者の行為を一切禁止するとなれば、多くの人たちが生活をする上で、とても不便なことになってしまうかも知れません。利用許諾を取ればいいのですが、全ての著作物に対して毎回利用許諾を取ることは、現実的とは言えないでしょう。無断での利用は禁止されていますが、使用することによって著作者に損害をもたらさないこともあるはずです。そのため著作権法では一定の場合、【著作権】を制限し、著作物を自由に利用できるようになっています。
TVの放送時間に見られないので、ドラマを録画して後で見ることがありますよね。でも、これは著作権法によると複製権侵害に該当します。しかし、こんなことまで許諾を取らなければならないとしたら、著作者は1日中、「録画してもいいですか?」という問い合わせに追われることになってしまうかも知れません。FM放送やレンタルCDを録音する場合も同じことが言えます。
そこで、個人的または家庭内など限られた範囲で仕事以外の目的に使用することを目的とする場合は、著作権者に無断で複製することができることになっています。
memo1:MDやCD-R等録音録画機器・機材がデジタル方式の場合は補償金を支払う必要があります。しかしこの補償金は機器・機材の価格に上乗せされているので、改めて払う必要はありません。
memo2:私的利用目的といっても、テレビゲームやDVDなど、コピーガードが付いているものにコピーガードを解除する装置を使って複製することは【著作権】の侵害となりますのでご注意を。
公表された著作物は引用することは可能です。引用の目的上、正当な範囲内で自分の論文などに対し、他人の論文の一部を引用して利用することができます。引用の部分であることがわかるようにしなくてはなりません。
学校において授業の一環として、教師や生徒が利用することを目的に、必要と認められる範囲内で、その上、著作権者の利益を不当に害さない場合に、著作物を複製できることになっています。
入学試験や採用試験などの問題として、すでに公表されている著作物をコピーすることができます。ただし、営利目的の模擬試験や検定試験の場合は著作権者に補償金を支払わなければいけません。
お客さんから料金を取らない場合で、すでに公表された著作物の上演、演奏などは使用可能です。ただし、出演者も無報酬であること。学校の演奏会、公民館での上映会などがそれに当たります。
memo:何でもかんでも【著作権】で制限すると、とても不便な社会になってしまうことは想像がつくでしょう。以下の場合(この他もあります)には【著作権】の制限がゆるめられ、社会全体とのバランスが図られます。
・著作者の利益に多大な損害を与えることがなく、社会全体の利益につながる場合
・著作者の利益と社会全体の利益を比べてみて、それが一定の場合
著作者から譲渡を受けた美術品等の作品については、所有者は著作者に無断で自由に展示できる
建築物や公園にあるオブジェ等は写真に撮ったりできる
展覧会等の開催者はパンフレット等に、展示する作品を掲載ができる
★【著作権】が侵害された場合……
著作物を無断で利用された場合、著作者は以下のような対応をすることができます。
▲差し止め請求/侵害行為に対して、やめるように差し止めの請求をすることができます。
▲損害賠償請求/侵害による金銭的な賠償を求めることができます。
▲名誉回復等の措置の請求/新聞への謝罪広告掲載などを求めることができます。
▲不当利得返還請求/不当に得た利益の返還を求めることができます。
著作権の侵害は犯罪です。10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金となります。
著作権について、いろいろとお話をしてきました。ここでおさらいをしてみませんか?
Q1.広告等の「キャッチフレーズ」や商品等の「ネーミング」にも著作権はありますか?
A.ありません。言葉を羅列して組み合わせた物にすぎない場合は、著作物とは考えられていません。
Q2.文化祭の作品としてクラス全員でアートを作りました。このアートの著作権者を代表でひとり決めなくてはいけないの?
A.全員が共同で著作権者になります。
Q3.レンタル店で借りてきたCDをパソコンにおとして、“ipod”に入れて持ち歩いています。友だちから「ダビングしてほしい」と言われたのですが、問題ないですか?
A.私的利用目的であれば問題はありませんが、何人もの友だちに「ダビングするよ」と言った場合は不適切な行為になります。
Q4.ホームページに掲載されているコアラの画像をプリントアウトして、授業の発表に使いたいと思います。問題はありませんか?
A.学校の授業の一環で使用されるなら問題はありません。また、画像を引用するのでしたら、「○○出典」等の記載をするとよいでしょう。
Q5.公民館で生徒たちのバレエの発表会をおこないました。入場料は無料で、生徒たちの出演料の支払いはしませんが、ゲストでプロのダンサーに来てもらいました。この場合も作品の著作権者の許諾は必要ないですか?
A.入場料を徴収しなくても、ダンサーや舞台スタッフなどに報酬を払う場合は著作権者の許諾が必要です。また、オーケストラ以外の音源を使う場合も〈著作隣接権〉があります。無断で使用すると「無断使用」に当たりますので、注意してください。
Q6.著作者から利用の許諾(「yes」or「 no」)を得るにはどうすればいいのでしょうか?
A.著作者と契約を結ぶことが一般的です。これは、口頭で「使ってもいいですか?」、「いいですよ」というやり取りで成り立ちます。ただし、口約束ですから、継続的に利用する場合などは、きちんと“契約書”を取り交わしたほうが確実でしょう。
●行政書士はこのような【著作権】にまつわる“契約書”の作成をします。また、著作権相談委員の認定を受けた行政書士もおりますので、ご相談ください。
著作権管理事業者
著作権者には利用許諾を与えたり、使用料を受け取ったりする権利があることがわかりました。また、実演家やレコード制作会社など〈著作隣接権〉を有する人にも録音利用の許可を与えたり、商業用レコードの二次使用料を受け取ったりする権利があることもわかりましたね。
ただ、このような著作権者や著作隣接権者が利用者とその都度契約をすることは、とてもたいへんなことです。そこで、これらの権利について集中的に管理する制度があります。
例えば、(社)日本音楽著作権協会(JASRAC)という団体は、著作権者から楽曲の利用許諾、使用料の徴収の権利を集中的に管理することを業としています。市販されている音楽の多くは、JASRACの管理のもとに【著作権】が運用されているので、CD を購入した人が著作権者等に直接、何もしなくても音楽が聴けることになります。
JASRAC以外にも著作権管理事業者があり、文化庁のHPで確認可能です。
☆☆☆著作権についての照会先☆☆☆
☆著作権情報センター (著作権全般) 03-5353-6921
☆JASRAC (音楽の著作物の利用許諾) 03-3481-2121
☆日本レコード協会 (レコードの利用許諾) 03-3541-4411
☆日本複写権センター (出版物のコピー) 03-3401-2382
☆ソフトウエア情報センタ− (ソフトウエアの利用全般) 03-3437-3071