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五十棲 剛史・船井総合研究所執行役員経営支援統轄本部副本部長

2004.11.15
「顧客引力──お客さまを惹きつけるサービスモデル」

五十棲 剛史・船井総合研究所執行役員経営支援統轄本部副本部長


いそずみ たけし
船井総合研究所執行役員経営支援統括本部副本部長
船井総研を代表するトップコンサルタント。主にリフォーム会社、ビルダー、住宅関連メーカー等の業績アップ、ライフスタイル関連ビジネスの立ち上げプロデュース等を手がける。お客さまも社員もワクワクするアトラクティブなビジネスモデルの設計に独自のノウハウを持っており、「イソズミマジック」と呼ばれるほど短期間で各社の業績を向上させる。著書「営業引力の法則」「『イソズミ・マジック』で業績アップ」「伸びる会社の業績アップ対策55」など。

ホームページ>> http://www.isozumi.com/

サービスとは、お客さまの心が動くことをすることです。
僕は住宅関連会社へのコンサルティングを行うことが多いけど、営業マニュアルをなぞるだけではお客さまの心は動きません。価格比較をロジカルに説明されても心は動きません。だったら顧客サービスとして情報提供しようと、住まいのお手入れ方法やレシピを載せた情報誌を配ったりするけど、それでも心は動きません。

アトラクティブ・セールス──お客さまを惹きつけるには、まずはコミュニケーション。営業担当者の近況報告をすればいいでしょう。自分の子供が生まれたとか、社内報を送ってもいい。するとお客さまから電話がかかってきます。「おめでとう」と。住まいのお手入れ方法などは押しつけ情報であって、惹きつける情報ではありません。心が動くのは、ロジカルな部分でなく、感性や情の部分に共感するからです。「私信」に近い方が、お客さまの心が動きます。

大事なことは、関係性、お客さまとのリレーション。
ふつう住宅の新築なんて一生に一度。だから住宅会社はほとんどが新規開拓に力を入れてます。新規の見込み客づくりのために、テレビCMや新聞の折り込み広告、イベントをしたりします。だけど、効果はイマイチ。

そんななか、ある住宅会社は既存客に対して販促費を使っています。例えばレクリエーションとしてバスツアーを企画し、顧客名簿をもとに参加を募ると、今年はなんと672組、驚くほど大勢が参加するんです。客側にいくらか負担してもらうけど、大半は会社の負担。また年4回、会社の駐車場で感謝祭をします。屋台を出したり抽選会をしたり、別に目新しくはないけど、1回やれば2000組来る。さらに秋の新米の季節には1万軒以上の顧客に5kgの新米をプレゼントしたり、社員が登場するニューズレターもどんどん送ります。要するに既存客に対し、ものすごく手間と費用をかけているんです。

すると、大手住宅メーカーなどがチラシやイベントで住宅展示場への集客をしようとしてもなかなか人が集まらないのに、その会社は地域でダントツの集客なんですね。なぜなら、家を建てたいと思った人から相談を受けた既存客が「○○さんがいいよ」と推薦してくれるから。住宅展示場に来る客の7?8割がクチコミ客。で、既存客を大事にすることが回り回って新規客の獲得につながっているんです。お客さまリレーションの本質をきちんとやってると思いますね。

購買頻度の高い商品なら、既存客の名簿を管理し、いろいろフォローするけど、購買頻度の低い商品、住宅や不動産、リフォームは新規客しか狙わず、既存客には誰も何もしません。そうでなく、お客さま第一主義を標榜するなら、ここまでやるかというくらい徹底的に既存客をフォローする。お客さまから感謝状が届くようになって初めて、お客さまから選ばれる、支持される会社になれると思います。

今は、即レスポンス・即結果を求めすぎ、本質的な部分が欠落しています。しかも、そういう即レスポンスへの期待を客が見抜いていて、それが見えてる企業、広告などに対しては、あまり心を動かされない。

例えば、顧客管理としてよく使われるポイントカード。僕はお客さまを「囲い込む」という言葉が大嫌い。それは世の中の中心に自社があるという発想です。僕もマイレージカードを持ってますが、別にどこにも囲い込まれてるなんて思ってない。企業は固定客と思っているかも知れないけど、たまたま今日はこれを使っただけ。それで囲い込みだなんて、とんでもない勘違い。ホントに好きな店やブランドは、そんなもんなくても行ってますよ。

友達紹介もプレゼントにつられて紹介したりはしません。お客さまは、そもそも紹介したい。紹介したくなる会社や商品・サービスなら紹介するんです。客の方から紹介したくなるとは一体どういうことか。自分がお客さまならどうか。自分が行きたくなる嬉しくなることは何か、を考えた方がいいですね。

「飽きやすいもの調査」というのがあって、その代表は、音楽やゲームソフト、携帯電話。どんどん新しいものが出るのですぐ飽きるんですね。逆に飽きにくいものの1位は思想、2位が宗教、次は政党、プロ野球のひいきの球団など。つまり、信条や思想で惹きつけたお客さまはずっと変わらないんです。いわば「信者」、信者と書いて「儲」けるというからね。日本語もうまくできてる。

だから、ひと言で言えば、企業もファンづくりだと思います。
「生涯顧客」、ロイヤリティの高いお客さま、自社の商品やサービス、自社そのもののファンをどれだけつくれるか。ここで会社のミッションや理念が大事になります。ディズニーランドは、夢や感動を与えることを理念として、弁当や酒の持込厳禁など厳しいルールを設けてるのに、それでも多くの人を惹きつけています。ウチはどういう思いで企業活動を営んでいるのか。ミッションや理念をはっきりと打ち出し、営業マン一人ひとりのトークから渡す資料、店舗、アフターサービスに至るまで、全てのお客さま対応のなかで、ミッションや理念に串刺しされた展開をする。共感いただけたお客さまがファン客になるんです。

ファンづくりという点では社員も一緒。会社に対するロイヤリティの高い社員がどれだけいるか、が会社の強みになります。社員の定着を左右するのは、給料よりも、誇りの持てる会社かどうか。社会的価値の高いことをやってる会社の方が離職率が低い。インターネットでの企業への誹謗中傷なんて、ほとんどが内部告発。良いも悪いも中からしか出ません。だからまず社員をファンにする。最終的に僕は、支持者がいれば会社は存続していくと思っています。

そして顧客サービスは、ニーズよりウォンツ。ニーズはお客さまが意識していること。そうでなく気づいてないことをぽんと出すのがウォンツ。そちらが大事。サプライズ──お客さまに嬉しい驚きをあげることから始めましょう。■


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