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2002.02.15
「流行りものの法則〜美顔」

わかぎゑふ

わかぎ ゑふ
女優;演出家;エッセイスト
1959年大阪市生まれ。中学3年から芝居を始め、1986年中島らもとともに劇団「リリパット・アーミー」(2001年より、リリパット・アーミーII)を主宰、座長を務める。94年より別の劇団「ラックシステム」も主宰、座長。ほかにエッセイ、DJ、イラストなど多方面で活躍。著書「花咲くばか娘」「ばかちらし」「秘密の花園」「太りすぎの雲」「それは言わない約束でしょ?」など。


この間、シミのレーザー治療というものをしてきた。流行の美顔レーザーというものである。

ただ、理由はやっぱり舞台に立ってるからとか、顔を出す職業だからというような格好いいものではない。酔っ払って戸板に当たり、左頬の真ん中に怪我をしたのである。それがかさぶたになってるので面白がって取った。これが悪かったようで1cmくらいの傷あとにシミが出来てしまった。「格好悪いで」とみんなに言われ、レーザー治療に連れて行かれるハメになったのである。「ただでさえ、子供と間違われるのに」と周りが私の権威をなんとかしようと努力してくれた。

まぁ、それはいいとして、世の中の女性は急に美白にうるさくなったわけではない。戦前の女性誌なんかにも「奥さま、お嬢様の白く美しい肌をつくるために」なんて広告がたくさん載っている。戦中のものには「国民の節約のために、美白クリームは顔に薄くつけて伸ばしましょう」というようなものもあるくらいだ。戦争中にも女は美白を心がけていたということである。ここ半世紀以上、日本は美白ブームといっても過言ではないわけだ。

と、いうか今や女性誌の大半は美顔に関する広告で埋め尽くされている。女性誌だけではない、男性誌もマンガの本でさえどれを信用したらいいのか分からないほど美顔クリニック、エステの広告でいっぱいだ。

そうなのだ、実際にレーザー治療に行って驚いたのは男性が多かったことだ。気にすることないのにと思うような人から、目立つなと思う大きなほくろや、あざのある人もいた。みんな日常生活に支障はないが、対外的なことを考えて治療に来ているという感じだった。

今回の経験から私は、日本はかなり「見た目」を重視する国だなとあらためて思った。今まで行ったどの国よりも掃除が行き届いてたり、買い物の包装が綺麗にしてあったりする。町を走ってる車もみんなピカピカしてるし、マーケットの中の商品も整然と並べられている。ちょっと掃除をしない人がいたら最悪のレッテルが貼られる。それが日本人の性分なのだろう。

だから、顔に関してもどこかにシミがあると許せなくなる。その感覚が外国人より大きいような気がする。これはいいことなのだろうか? それとも過度な美的感覚なのだろうか? 綺麗なほうがいいと考えがちな私もちょっと悩み中だ。

だが、保険もきかないのに、レーザー治療院にあれだけの男性患者が並んで待ってることを思えば、不況がどうのとか、失業率がどうのとかいうことにも大きな関係があるようにも思う。「この人は身なりがいいから信用できる」というような死に絶えたような感覚が戻ってきてるんじゃないか?とも思うんである。そう考えると男性の美顔というのも怖いブームだ。

「人間は見た目じゃないよ」と子供の頃に教えられて育ったが、実際には世の中はどんどん見た目の世界に深くはまり込んで行ってるんじゃないだろうか? そういえば歯の治療なんかもかなり浸透してきて、今では矯正歯科が一大ブームだ。

いいことではある。あるが・・・何のために綺麗にするかという心がどこかに行ってしまってるような嫌な感じも残る・・・今こそ綺麗というものの本質を見失わないようにしなくてはいけない時代なのかもしれない。■

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