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「環境総合テクノスって、どんな会社?」

2008.01.01
環境総合テクノスの大内山孝取締役



環境総合テクノス
取締役 大内山孝

かけがえのない地球環境の保全に貢献したい──。2004年10月、関西電力グループの環境・土木・建築事業を再編して誕生した「環境総合テクノス」は、調査、コンサルから設計、施工まで一貫して実施する総合エンジニアリング会社として、幅広い分野で事業を展開している。再編から4年目を迎えた同社の現状は? 強みは?──環境総合テクノスの大内山孝取締役に訊いた。

――まず環境総合テクノスの設立経緯から。 ●○●
1974年、前身である「関西総合環境センター」が環境アセスメントと緑化業務を中心に行う会社として設立された。当時は公害問題などで発電所の立地が困難になり、環境アセスメントの必要性が出てきた時期で、関西電力のすべての新設火力発電所で環境アセスメントを行うなど、この分野で豊富な経験を積み重ねてきた。ただ、発電所の建設、運用、補修の全体の中では、環境アセスメントは上流の一部に過ぎない。そこで上流から下流までトータルに対応できる企業をめざし、関西電力グループ内の環境・土木・建築事業を統合して、04年、「環境総合テクノス」が設立された。

――事業分野は? ●○●
環境・土木・建築という三本柱の総合エンジニアリング企業をめざしている。環境事業には大きく「環境影響評価・リスク管理」「環境修復・再生」「環境情報解析」「地球環境・地域環境」の4分野がある。

――「環境影響評価」の分野は、発電所のアセスメントが中心? ●○●
もちろん火力・原子力発電所のアセスメントは実績も豊富だが、それ以外にもさまざまな案件に取り組んでいる。風力発電所、土石採集場、産廃の最終処分場、土地区画整理、PCB廃棄物処理場のほか、大学キャンパスや病院の移転、大型デパートの建て替えに伴う環境アセスメントなども担当している。環境アセスメントは、自然環境から生活環境まで、あらゆる環境を相手にする仕事。総合力が必要とされるが、何度か経験すればさまざまな調査ニーズに応えられるようになる。当社にはそういうスタッフが多数在籍し、発電所以外の幅広い案件にも自社で対応できるのが強みだ。

――「環境修復・再生」事業とは? ●○●
屋上緑化や造園、藻場・ビオトープの造成、河川の浄化、ダム湖の環境保全などを行っている。貴重な動植物の保全にも取り組み、2007年には、絶滅危惧種の植物「キンラン」の育成に成功した。キンランは里山に自生する野生ラン。移植やポット栽培が極めて困難だったが、キンランと共生関係にある菌根菌の解明によって、その保全技術を開発した。

――「環境情報解析」とは、どのような分析を行うのか? ●○●
排ガスやビル風、温排水などの拡散予測、GISによる猛禽類の行動解析、景観設計のCG作成支援など。最新の機器を駆使して行うが、同時に長年の知見が重要だ。例をあげると、煤塵の濃度が上がった場合でも、一斉に上がれば例えば大陸からの黄砂の影響、一カ所だけなら至近の焼却炉が原因では、といった具合に、経験があればある程度推測できる。そうした知見を活用しながら、原因を探っていく。また大阪府交野市に自社の計測分析所があり、排水や汚泥、ダイオキシンや環境ホルモンなどの分析調査も行っている。幅広い分析に対応できる機器を備え、スタッフは約40人。環境コンサルティング業で、これだけの規模の分析所を併設している会社は少ないのではないかと思う。

西オーストラリアでのマリーユーカリ植林
西オーストラリアでのマリーユーカリ植林
海洋調査を行う「第2白嶺丸」(ホノルル港にて)
海洋調査を行う「第2白嶺丸」(ホノルル港にて)
ハワイ海域で投入作業中のマルチプルコアラ(採泥器)
ハワイ海域で投入作業中のマルチプルコアラ(採泥器)
栄養塩類標準物質
栄養塩類標準物質

――4番目の「地球環境・地域環境」というのは? ●○●
まず、温暖化防止や省エネルギー推進など、地球環境問題に関する調査研究とコンサルティング。調査研究ではCO2の海洋隔離やCO2炭層固定に取り組んできた。今後とも実績と経験を活かして貢献していきたいと考えている。また、山形から沖縄までの漂流、漂着ゴミの全国調査にも参加している。さらに、京都メカニズム総合コンサルティングにも力をいれている。CO2対策の共同実施(JI)やクリーン開発メカニズム(CDM)といった国家間プロジェクトの実施に向けたFS(事業化調査)を担当している。特にバイオマス利用による化石燃料削減に着目しており、モーリシャスやタイなど海外でFSを行っている。そのほか、タイのマングローブ生態系の修復や、西オーストラリアでのマリーユーカリ植林(2003年、農地内に合計約1000haを植栽)などの事業、国内では各地の水族館の飼育管理も行っている。

――本当に事業分野が幅広いが、なかでも特徴的な事業は? ●○●
海洋調査――調査船を運航し、スタッフが長期間乗り込んで調査・分析を行う業務は大きな「ウリ」のひとつ。90年から01年まで、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託による「海洋中の炭素循環メカニズムの調査研究」「CO2の海洋隔離に伴う環境影響予測技術研究」を行った。さらに02年度からはRITE(地球環境産業技術研究機構)から同様の業務を受託し、15年以上にわたって海洋調査に携わっている。
こうした実績が評価され、最近では大陸棚延伸に関する調査にも参画している。94年11月に発効した国連海洋法条約では、海上、海中、海底下の資源について200海里までの排他的経済水域を設定することができるとしているが、海底の地形・地質について陸との連続性を科学的に立証し、09年5月までに国連大陸棚限界委員会に申請して認められれば、200海里の外側さらに150海里、海岸から最大350海里まで沿岸国の「大陸棚」として設定することが可能とされている。この申請のための調査研究が経済産業省でも行われており、当社もその一端を担っている。我々の参加している調査によって国家の海底あるいは海底の下の資源に関する主権範囲が広がるかもしれないわけで、非常に重要な仕事と認識している。

――海洋調査の経験から生まれた製品もあると聞いたが? ●○●
海水ベースの「栄養塩類標準物質」。標準物質とは、いわば物質の濃度を測る「物差し」で、調査で採取した試料を標準物質と比較して濃度を決め、分析精度を確認し、調査データの品質管理に役立てるもの。ところが淡水の標準物質はたくさんあるのに、海水ベースのものはほとんどなかった。そこで自社の分析所でオリジナル製品を製作、販売したところ予想外に好評で、世界中からオファーがあり、1本1万円の製品が既に5000本以上売れた。当社の標準物質が世界中で地球環境保全の研究に役立てられていると思うと、嬉しさもひとしおだ。

――最後に、今後の抱負は? ●○●
環境関係市場は成長分野ではあるが、競争は激化しており、我々にとっては厳しい状況である。そうしたなかで受注を確保していくためには、これまで以上に環境・土木・建築の各部門の連携が必要だ。また業務拡張・受注拡大のためにも、社員の多能化を図っていきたい。もともと当社にはスペシャリストが多いが、専門分野をもう1つ2つ増やせれば仕事の幅がぐっと広がる。
そして品質管理と安全対策の徹底。言うまでもなく調査業務はデータがすべて。また調査は自然の中で行うため、スタッフに事故がないよう安全対策も今以上に徹底していきたい。さらに、誰かが困っていたら助けられる、お互いに協力し合えるような、ハートのある職場づくりにも務めたい。
最後に、やはり地球環境問題への取り組みを充実させていきたい。CO2の海底下貯留に関する環境影響評価やバイオマス燃料による化石燃料転換などの温暖化対策に加え、中国など途上国で問題となっている公害対策や省エネルギー対策などにも積極的に取り組んでいきたいと考えている。また、海洋調査の経験を活かして海底資源探査に伴う環境モニタリングにも取り組みたい。「かけがえのない地球環境の保全に貢献する」というのは、経営理念にもある使命。豊富な経験を積み総合的に支援できる「環境マン」たちが、どんどん海外で活躍し、国際貢献を果たしていければ大変うれしい。 ■


環境総合テクノス>> http://www.kanso.co.jp/



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