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「インドネシアで水力発電プロジェクトを推進!」

2007.11.01
関西電力企画室国際事業グループの武智芳博マネジャー 土木建築室土木建築エンジニアリングセンター土木グループの伊豆好弘課長



関西電力企画室国際事業グループ
マネジャー 武智芳博(左)
土木建築室土木建築エンジニアリングセンター土木グループ
課長 伊豆好弘(右)

黒部の経験を海外へ──。関西電力は、インドネシアにおけるIPP(卸電力)事業としてラジャマンダラ水力発電プロジェクトへの参画を決定した。その意義は? 今後の計画は?──関西電力企画室国際事業グループの武智芳博マネジャーと、土木建築室土木建築エンジニアリングセンター土木グループの伊豆好弘課長に訊いた。

――まずラジャマンダラ水力発電プロジェクトの概要は? ●○●
インドネシア・ジャワ島のラジャマンダラ地点を流れるチタルム川流域に水力発電所を建設し、発電した電気をPLN(インドネシア国有電力公社)に売電するプロジェクト。2003年から事業性評価などの準備に取り組み、このたび、独占開発権を取得した。今後はインドネシアパワー社と当社が共同出資して現地プロジェクト会社を設立し、2008年中の発電所建設工事着工、2010年の運転開始をめざしている。

――「独占開発権」とはどういうもの? ●○●
インドネシアで民間企業が発電事業を行う場合は、事業を行う権利を競争入札で得るのが普通だが、水力、風力などの再生可能エネルギーの開発については、入札を経ずに開発権を得られる制度がある。今回その制度を利用して独占開発権の申請を行い、発電事業を管轄するエネルギー鉱物資源省から承認を得たものである。

――プロジェクトパートナーのインドネシアパワー社とは? ●○●
インドネシアパワー社はPLNの100%子会社で、発電事業専門の事業会社。ジャワ島とバリ島の発電所は、インドネシアパワー社と、もうひとつの発電会社が大半を保有している。関西電力はインドネシアで発電事業を行うのは初めてなので、国内事情に精通し、かつ信頼のおけるパートナーが必要と考え、同社と共同で事業に取り組むことにした。

【プロジェクト位置図】
(画像をクリックすると拡大します)

――ラジャマンダラとはどんな場所? ●○●
首都ジャカルタの南東約100km、車で3時間ほどのところにある小さな村。水力発電所の建設地点からほんの一山越えたところには地元の人たちが住み、小学校もある。ジャワ島と聞くと、熱帯林のジャングルみたいな場所を想像しがちだが、そのようなイメージではなく、日本の里山のような、のんびりとした昔懐かしい風景の村。発電所をつくるチタルム川も、山間地の割には川幅も広く、緩やかな流れだ。

――そこが水力発電所に適した場所だった? ●○●
ダムを有する発電所の場合は、川幅が狭く、後方に水を大量に貯められるダムサイトとしての適地が必要だが、今回つくろうとしているのは「流れ込み式」の発電所。この方式の場合、川の水を取水口から取り込み、ほぼ水平にトンネル内を通して、落差を得られる場所まで導き発電するものであり、流れ込む水と、落差の得られる場所を確保することが必要である。日本でもごく初期の水力発電所は、ほとんどこの流れ込み式だった。ただ、流れ込み式はダムを必要としない反面、水を貯めておくことができないので、川に水が流れているときしか発電できない。しかしラジャマンダラの場合は、取水口の直上流に大きな発電所があり、電気が必要になれば、まずそこで発電するから、必然的に下流のラジャマンダラの取水口にも水が流れてきて、発電できることになる。

――そんな場所をどうやってみつけた? ●○●
上流のダムを関西電力の関連会社が調査していた関係で、当社社員を含めたスタッフが現地を訪れたときに、「こんないい場所があるぞ」と。それが2002年のことで、翌03年から国際協力銀行の資金協力を得て事業性評価を行った結果、適地であると判断し、本格的に開発を進めることになった。

――インドネシアの電力事情は? ●○●
インドネシアの電力需要は年率約8%も伸びており、発電所の建設計画も多いが、大半が火力発電。現状の電源構成も、ベース需要を石炭とガスで賄い、ピーク需要を水力と石油で賄っている。今回の水力発電プロジェクトの出力は約4万7000kWで年間の発電電力量は、約2億kWhである。これはジャカルタの一般家庭の約2%──約16万軒の年間使用量に相当する。それほど出力は大きくないが、ピークの石油消費を減らせるというメリットがある。特に今は石油価格が高騰しているので、インドネシアにとっても非常に役立つプロジェクトだと考えている。

――水力発電の建設計画が少ないのはなぜ? ●○●
水力発電の場合は、地形、地質、流量等を一つ一つ吟味、検討しながら、環境条件に合わせてオーダーメイドで開発しなければならず、事業開始までかなりの期間を要し、適地も限られてくる。そのため、早く利益を確定したい海外のIPP事業には馴染まない場合が多い。そんな中、当社は”めずらしく”海外で水力発電を一から開発している。

――関西電力が海外の水力プロジェクトに挑む意義は? ●○●
水力発電が地球環境にやさしい自然エネルギーだということももちろんだが、やはり当社には「くろよん」を代表として、水力発電に特別の思いがある。世紀の難工事といわれた黒四建設(黒部ダム、黒部川第四発電所)では、建設技術から資金調達まで、新しい試みを果敢に採り入れ、ついにあれだけのものを創り上げた。我々は、そうした先人たちの技術やノウハウを継承し、踏襲しつつ、新しい局面を切り開いていかなければならないと思う。国内では、水力発電所を建設する機会も少なくなってきており、海外で挑戦できることは、技術継承の意味でもまたとないチャンス。さらに国内と違う環境で仕事をすることで、社員の意識高揚やスキルアップにつながり、海外事業によって得たノウハウを国内の事業にフィードバックできるといった付随効果もある。ただし、第一の目的はあくまで収益性の確保。きちんと収益を上げられる事業であることが基本だ。

――海外事業を進めるうえで難しい点は? ●○●
文化も言葉も違う者同士が一緒に仕事をするわけだが、海外事業とはいえ、やはり仕事に従事する人々がお互いに信頼しあって仕事を進めることができるかどうかが、もっとも大切な点だと思っている。お互いの考え方も違うだろうが、文化や慣習を理解し、尊重すべきところは尊重し、信頼関係を構築していくことが今回のラジャマンダラ水力発電プロジェクトを円滑に推進する鍵だと思う。発電所完成の暁には、プロジェクトに従事した人々が、国籍や立場を超えて肩を抱き合って喜べるようなプロジェクトでありたいと思っている。

――今後の予定と抱負は? ●○●
まずPLNとの売電交渉契約──発電所で発電した電気をいくらで買ってくれますか、という交渉を行い、この契約がまとまれば、必要な許認可を得た後、いよいよ建設工事に着手する。まずは、これらにひとつずつ、着実に取り組んでいきたい。今回のプロジェクトは、水力発電のため発電時にCO2をほとんど出さず地球環境にもやさしく、ピーク需要時の石油消費量を減らす効果もあり、インドネシア側のメリットも非常に大きい。その共通認識をしっかり持ち、信頼関係を築いたうえで、関係者一同、力を合わせ、ぜひ予定どおりプロジェクトを進めていきたい。 ■


プレスリリース>> http://www.kepco.co.jp/pressre/2007/0921-1j.html



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