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「関西電力と電中研の技術が融合! 中小規模バイオマス発電システムの開発」

2007.07.15
関西電力研究開発室技術調査グループの堀祐二マネジャー



関西電力研究開発室技術調査グループ
マネジャー 堀 祐二

環境にやさしいバイオマス発電──関西電力と電力中央研究所は、工場などへの普及も見込まれる中小規模の発電システムの分野で、「高効率炭化ガス化ガスエンジン発電システム」を開発、世界最高レベルのシステム効率23%を達成した。システムの特徴は? 開発の経緯と展望は?──関西電力研究開発室技術調査グループの堀 祐二マネジャーに訊いた。

――今回開発された「炭化ガス化ガスエンジン発電システム」とは?  //////////
バイオマス発電の一種で、木屑やチップなど木質バイオマス等を燃料として、電力中央研究所が開発したバイオマスガス化技術と、関西電力の持つ着火力の強いガスエンジン技術を組み合わせた発電システムだ。その名のとおり、燃料をいったん蒸し焼きにして炭化させ、さらに1000℃以上の高温にすることで熱分解して、ガスをつくって発電する。バイオマス発電には大きく3つの方法があり、1つは直接燃焼──関西電力が2008年度より舞鶴発電所1号機で予定しているのが、このバイオマス混焼(http://www.kepco.co.jp/insight/content/close/closeup102.html)。2つ目が、下水汚泥などを発酵させた際に出るメタンガスなどを燃料として発電する方法で、大阪市が津守下水処理場で進めているような方法(http://www.kepco.co.jp/insight/content/close/closeup104.html)。3つ目が今回のような熱分解。木屑など発酵させるのに手間のかかるものにも適している。

――電中研との共同開発の経緯は?  //////////
電中研のバイオマスガス化技術をシステムとして活用するには、発電させるためのエンジンが必要。そこで、そのエンジン技術を持つ我々に声がかかった。関西電力は都市ガスを燃料にしたガスエンジンで世界最高効率の実績を持っていたし、将来的にはバイオガスを燃料に使い、発電効率を高め採算性のあるシステムを構築したいという意向があった。電中研はエンジンがほしい、関西電力はバイオガスがほしい、ということで共同開発に合意し、2006年夏以降、エンジンを都市ガス用からバイオガス用へと改良し、12月にガス化炉が設置されている電中研の研究所(横須賀)に持ち込んだ。

――関西電力のガスエンジン技術とは?  //////////
熱分解で生成したバイオガスはカロリーが低く都市ガスの10分の1程度しかないため、普通のエンジンでは安定して動かすことが難しい。我々のガスエンジンは、低カロリーガスでも安定して火がつく「マイクロパイロット着火方式」を採用。これは通常の電気火花を散らす点火プラグ着火方式とは異なり、微量の軽油を噴射し、燃えた炎でガスに火をつける方式で、着火エネルギーは通常の約2,000倍。低カロリーガスの運転にも対応できる。

――世界最高レベルの発電効率と聞いたが?  //////////
バイオマス発電はこれまで、数千kW以上の大規模なもの以外では発電効率が低く、数百kWの中小規模では、今まで20%を超えたものはなかった。今回は性能確認のため、最も性能が安定している木屑などの木質バイオマスを燃料に、320kWの出力規模で23%のシステム効率を達成した。これは中小規模では世界最高の効率といえる。

――開発にあたって苦労した点は?  //////////
やはりバイオガスは低カロリーなので、出力をあげるための改良に苦労した。バイオマス燃料は性状が不安定で、出てくるガスカロリーが変化する。ガスホルダーにある程度ためてからエンジンの方へ移して均一化させた。また実験設備ではガス化炉を温めるのに一昼夜ぐらいかかり、徹夜での作業になる。そのため週1回程度しか実験ができず、なかなか実験回数が増やせないという苦労もあった。

――木屑以外も燃料になるのか?  //////////
このシステムは「炭化機」がついているので、木屑だけでなく、都市ゴミや食品残渣など多様な産業廃棄物の処理ができる。そのため、これまでのバイオマス発電で問題となっていた収集量の確保にも対応でき、採算性が見込みやすい。生ゴミ等を処理業者に依頼して廃棄するのは環境への負荷が大きく、処理費用もかかる。自社から出る廃棄物の量を減らし、なおかつ処理費も軽減できれば、導入の可能性が広がるだろう。

――コストはどの程度?  //////////
産廃物の量や種類など、お客さまごとに大きく異なってくる。廃棄物を集めてくるとコストがかかるので、実際にゴミが出る工場等に、お客さまの状況にあわせて設備をつくる。実証設備は1日5トンの処理能力だが、実際の採算を考えるともう少し大きいものになるだろう。

――今後の予定は?  //////////
2006年度は木質バイオマスで実証実験を行ったが、今後は実用化に向けて、その他の産業廃棄物でも発電できることを実証していきたい。発電効率23%というのは木質バイオマスでの発電効率であり、廃棄物だと安定しない分、効率が下がることも考えられる。廃棄物でも効率よく発電できるよう実証実験を行うことと、さらに高効率化することが2007年度の目標。2007年度末にはシステムとして完成させたいと考えている。

――関西電力にとってこのシステムの位置づけは?  //////////
電気を供給する立場として、お客さまへ提供するメニューが増える。お客さまのニーズに応じて、電気もガスも、バイオガスも、トータルソリューションとしてエネルギーを提供できるというメリットがある。

――今後の抱負は?  //////////
企業や自治体の、環境問題への関心は高い。バイオマス発電は採算性の難しさが普及のネックになっていたが、環境のことを考えるとひとつの大事なアイテムには違いない。未利用エネルギーの有効活用と、CO2の削減にもつながる。これがもっと世の中に普及し受け入れられていくよう、さらなる開発を進めていきたい。 ■


プレスリリース>> http://www.kepco.co.jp/pressre/2007/0530-1j.html



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