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「ツバル国で太陽光発電プロジェクト実施」

2007.07.01
関西電力企画室国際ネットワークグループの首藤誠チーフマネジャー



関西電力企画室国際ネットワークグループ
チーフマネジャー 首藤 誠

南太平洋の島国ツバル──海抜が平均2mと低いことから、地球温暖化による海面上昇で「最初に沈む国」と言われるこの国で、関西電力が太陽光発電プロジェクトを実施する。プロジェクトの経緯、概要は?──関西電力企画室国際ネットワークグループの首藤誠チーフマネジャーに訊いた。

――プロジェクトの概要は?  //////////
赤道の南、南緯8度の太平洋上にある、人口約9,600人、総面積約26平方kmのツバルという小さな国の首都フナフチに太陽光発電設備を設置する。規模は40kWで、発電した電気をバッテリーに貯めるのではなく、電力系統に直接接続し、送電する。設備の建設と併せて現地のツバル電力公社の技術者に建設ノウハウや完成後の運転ノウハウを伝達していく予定で、いわばハードウェアとソフトウェアの両方を伝達するプロジェクトだ。

――そもそもなぜツバル国でプロジェクトを行うことになったのか?  //////////
最初は5年ほど前、e7(世界電力首脳有志の会議;現在はe8)の活動を耳にしたPPA(太平洋電力会社連合;メンバー25カ国;本部フィジー)からe7に、「再生可能エネルギーについて勉強したいので技術的な指導をして欲しい」と協力依頼が来た。その年はパラオでPPAの年次総会があり、e7の中でパラオに地理的に最も近い関西電力が出向くことになり、私が参加した。その年次総会には、パラオの副大統領や各国大使、ツバルの国連大使などが出席しており、非常に熱心な会議だった。もともとe7の理念として、世界の持続可能な発展に寄与するということがあり、それに適うプロジェクトを順次推進しており、この要請も理念に適うということで、e7で承認を得て実施したのが、2005年の「太平洋島嶼国 再生可能エネルギー技術指導プロジェクト」だ。

ツバル国、首都フナフチのあるフォンガファレ島
ツバル国、首都フナフチのある
フォンガファレ島
大潮時の浸水
大潮時の浸水
フナフチにあるサッカー場
フナフチにあるサッカー場
サッカー場の観客席
サッカー場の観客席
プロジェクトの調印式
プロジェクトの調印式
完成イメージ
完成イメージ

――技術指導はどういう形で行った?  //////////
技術者を対象に、関西電力とイタリアの電力会社エネルが太陽光、ドイツの電力会社RWEが風力、東京電力が小水力の技術指導をワークショップ形式で行ったわけだが、太平洋島嶼国というのは、日本の南方のグアムやパプアニューギニアから東に向かって点々と島が続いている。飛行機で移動しようとすれば、まさに「アイランドホッピング」。そのような状況なので、集まりやすいようPPAのメンバー会社を北と南、2つのグループに分け、2カ所(マーシャル諸島とフィジー)で、それぞれ2週間ずつワークショップを実施した。

――その技術指導が今回のプロジェクトにつながった?  //////////
ワークショップでは実際に各国の日照や風のデータを用いて、理論と実践を含めて伝達したが、我々としては、机上の勉強だけで終わらせず、何か次のステップとして設備をつくりたいという気持ちがあった。それでPPAの事務局とも協議し、いくつかの地点で事前調査などを行っているとき、ツバル国政府から「先進国にCO2排出抑制を求めるだけでなく、自ら環境に優しい新エネルギーを導入し、地球環境保全に直接貢献したい」という強い思いを聞き、そうしたツバル国の思いの実現に役立ち、かつ地球温暖化の問題提起とすべく、今回のプロジェクトの実施を決めた。

――ツバル国は地球温暖化で「最初に沈む国」と言われているが、実際、海面上昇などの被害はどのような状況?  //////////
既に海岸線の浸食など、全体的に海面上昇の影響が深刻化している。珊瑚礁でできた島なので、地面も土ではなく、スポンジのように海水が滲み上がる。海抜が平均わずか2mで、周りの海面が上昇すると内陸まで水が上がってしまうため、耕作できる畑も減っている。

――ツバル国での電化状況は?  //////////
電化はごく一部だけ。首都のある島は電化されていても、離島は未電化。太平洋の島嶼国はどこも同じような状況で、たいていは未電化だ。電化されていても、フィジーで一部水力が使われているくらいで、ほとんどがディーゼル発電。地面が平らなツバル国では、すべてディーゼルである。

――では今回がツバル国にとって初の太陽光発電?  //////////
鉛蓄電池と組み合わせた家庭用のものは設置された事例があるが、鉛蓄電池の管理がうまく行われず広く普及しなかった。今回のような蓄電池を使わない系統連系型は初めてだ。ツバル国は、赤道直下で、太陽光発電には適している。地球温暖化が深刻化するなか、少しでも温暖化防止に貢献したいというのが大きな理由だ。また、原油高騰のなかディーゼル発電で使う燃料代の節減も図れる。

――発電設備はどこに設置する?  //////////
首都フナフチのサッカー場の観客席の屋根に設置する。また、観客席の隣に送電のためのインバータ装置や制御装置を収納する建物をつくり、その屋根にもパネルを置く。40kWと小規模だが、ツバル国の年間発電量の約1.2%、家庭用では約3.1%を賄うことになる。

――プロジェクトの今後の予定は?  //////////
建設着工は2007年9月を予定しており、運転開始は2008年1月。その時点で設備をツバル電力公社に引き継ぎ、運転管理はツバル電力公社が主体的に実施し、我々はそれを支援するという形。運転開始後も2年間は当社が要所要所で現地に出向き、フォローする予定だ。

――今回は「e8プロジェクト」ということだが?  //////////
2007年5月31日のe8大阪サミットでe8の発展途上国支援事業として承認された。ブータン(http://www.kepco.co.jp/insight/content/close/closeup088.html)に続き、関西電力がリーダーとして設備をつくる2例目のe8プロジェクト。関西電力にとっても、パラオでのPPAとのコンタクトからワークショップ開催、設備建設と、首尾一貫、リーダーシップを取っているプロジェクトだ。

――今後の抱負は?  //////////
e8として今後も世界の持続的発展に寄与できるプロジェクトを進めていきたい。実際、PPAからも太陽光発電の専門的なセミナーをやって欲しいというリクエストが来ている。太平洋の島国で一番可能性があるのが太陽光なので、ぜひ具体化していきたい。海外事業展開ではどうしても規模の大きな国に偏りがちだが、国際協力、とりわけ地球環境への寄与ということでは太平洋の島国は世界にメッセージを発信できる舞台になるのではないか。太平洋の島国に対し、日本政府のODAに加え、日本の民間企業もできるだけ協力し、世界の持続可能な発展に寄与できれば、これ以上のことはないと思っている。 ■


プレスリリース>> http://www.kepco.co.jp/pressre/2007/0528-2j.html
e8>> http://www.e8.org/



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