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「関電トンネルトロリーバス、お客さま5000万人達成!!」

2007.06.01
関西電力黒四管理事務所の平谷伸二運輸課長 関西電力黒四管理事務所の駒沢博郎運輸長



関西電力黒四管理事務所
運輸課長 平谷伸二(左)
運輸長  駒沢博郎(右)

扇沢から黒部ダムへ──後立山連峰赤沢岳の直下を貫く関電トンネル5.4kmを含む総延長6.1kmを約16分で結ぶ「関電トンネルトロリーバス」。1964年の開業以来、多くのお客さまを運び続けて43年、この2007年5月に、お客さま5000万人を達成した。関電トンネルトロリーバスとは? 安全運行への取り組みは?──新緑の黒部へ足を運び、関西電力黒四管理事務所の平谷伸二運輸課長と駒沢博郎運輸長に訊いた。

――そもそも「トロリーバス」とは?  //////////
トロリーバスは、正式名称を「無軌条電車(レールのない電車)」というように、見かけはバスだが、法的にはモノレールやケーブルカー、新交通システムなどと同じ「特殊鉄道」に分類されており、関電トンネルトロリーバスも鉄道事業として認可を受けている。トロリーバスの最大の特徴は、ガソリンではなく、「電気」で走ること。電気だから、排気ガスを出さず環境にやさしいし、火災の心配も少ない。また、動力源がモーターなので、騒音が少なく、出力が一定で安定走行しやすく、通常のバスに比べ車体が頑丈で寿命も長い、などのメリットがある。電気で走るといっても、充電して走る電気自動車と異なり、架線から電気を受けて走る形。架線のある決まったルートを走るわけだが、架線のないところはバッテリーで補助走行もできる。

関電トンネルトロリーバス
関電トンネルトロリーバス
5.4kmのトンネル内を走る
5.4kmのトンネル内を走る
黒部ダム駅
黒部ダム駅

――昔は日本各地で走っていたとか?  //////////
日本で最初のトロリーバスは、昭和初期の1928年に開業した宝塚の新花屋敷トロリーバス。その後、京都市、名古屋市でも営業運転を開始した。さらに戦後は、1951年に川崎市、52年に東京都、53年に大阪市、59年には横浜市と、各地で相次ぎ開業。「トロバス」の愛称で人々に親しまれ、都会の足として活躍した。しかし60年代半ばになると、自動車の増加で道路渋滞が問題になり、地下鉄など新たな交通機関にも押され、次々に廃止。今では、この関電トンネルと、立山トンネルでしか走っていない。

――その関電トンネルトロリーバスの概要は?  //////////
関電トンネルトロリーバスは、長野県大町市の扇沢駅から富山県立山町の黒部ダム駅まで、6.1kmを約16分で結ぶ路線で、毎年4月10日〜11月30日の期間、1日15〜21往復している。開業は黒部ダム完成翌年の1964年8月。北アルプスの壮大な自然と「世紀の大事業」と呼ばれた黒部ダムの雄姿を、一般の方にも見ていただこうと営業を開始した。

――当初からトロリーバスで行こうと決めていた?  //////////
いや、開業前は他の交通機関も検討したらしいが、6.1kmの路線中5.4kmがトンネル内を走るので、排気ガスが出るのは困る。しかも急勾配の山岳地を走るのに、電車だと車輪の鉄とレールの鉄、鉄同士で滑るおそれがある。そこで摩擦係数が大きく、クリーンな電気で走るトロリーバスに決めた。現在運行している300型は、100型、200型に続く3代目で、93年にデビュー。ちなみに100型、200型は、現在メキシコへ渡っている。

――関電トンネルトロリーバスには、クーラーがないが、どうしてか?  //////////
ここは標高約1450mと高く、運行ルートの大部分を占める関電トンネル内は、真夏でも気温が10℃かそれ以下で、涼しいというか寒いくらい。だからクーラーはつけていない。クーラーなしでもひんやり快適だが、真夏でお客さまがいっぱいの時には、涼しい外気を採り入れられるよう、バスの天井7カ所にラインクロスファンを設けている。

――関電トンネルトロリーバスを運転しているのは関西電力の従業員?  //////////
そう。運転も整備もみんな直営で行っている。1964年の開業前は、みんなで大阪市交通局へ講習を受けに行ったそうだ。運転技術や整備方法を習い、実際に市内を走るトロリーバスを運転して、開業に備えたと聞く。トロリーバスを運転するには、大型二種免許と動力車操縦者運転免許という2つの免許が必要だが、現在、運輸課員49人中43人が両方の免許を持っている。うち実際に運転しているのは約20人で、他の者はふだんは整備や事務などを担当しているが、臨時便が出る繁忙期には、みんなが応援できる体制をとっている。

――営業期間は4月〜11月とのことだが、冬の間は何をしている?  //////////
点検整備を中心に行っている。トロリーバスは年1回の重要部検査と、3年に1回の全般検査が義務づけられているので、それに則り、我々自身が車両を解体して、不良箇所を整備したり、部品を交換したり、油を差したり……。重要部検査は1台につき約1週間、全般検査は10日以上かけて実施している。またトンネル内の架線点検や駅の設備の補修なども、冬の間に行う。そして4月10日の営業開始前には試運転を行い、全15台を順番に走らせて、車両チェックはもちろん、運転士の技能確認も行う。さらに消防署指導の下、事故想定訓練も実施し、万全の体制で4月10日を迎えるようにしている。

黒部ダム
黒部ダム
黒部ダム

――営業期間中の安全対策は?  //////////
まず運転関係では、毎朝の点呼時に体調確認と安全に関する注意喚起を行うほか、運転時の安全呼称を励行。車両関係では毎日の運行前点検。設備面では3日に1度の路面点検、2週間に1度のトロリー線の点検に加え、夏、秋の繁忙期前には精密点検も実施している。さらに「輸送の安全確保に関する会議」を月1回開催。そして今年から安全運行のさらなる向上をめざし、トンネル内に監視カメラを5台増設。運行ルート全12カ所の画面が、扇沢駅の司令室と事務所で確認できるようにした。4年に1度、運輸局から鉄道事業者の運転無事故に対して表彰があるが、こうした安全対策の積み重ねで、関電トンネルトロリーバスは、北陸信越運輸局から10期連続で無事故表彰を受けている。

――そういうなかで先日、開業以来の乗客数が5000万人に達したとか?  //////////
ゴールデンウィーク中の5月4日に5000万人目のお客さまをお迎えした。すごい数字。日本の人口の約半分、2人に1人が乗ってくださったことになる。関電トンネルトロリーバスは、開業5年目、映画『黒部の太陽』が話題を呼んだ68年以来ずっと、年間100万人以上のお客さまにご利用いただいている。特にバブル期の91年には年間170万人もの方が来られ、臨時便を大増発した。最近は台湾、韓国など海外からのお客さまも増え、昨年は9万人もの方が訪れてくれたし、一時期減っていた全国からの修学旅行客も近年また盛り返してきた。そして今年はいよいよ5000万人達成も間近ということで、地元大町市がさまざまなカウントダウンキャンペーンで盛り上げてくれた。達成当日、扇沢駅でのくす玉割りのセレモニーには市長が駆けつけてくださり、5000万人目のお客さまに記念品を贈呈。ちなみに5000万人目は、9歳のお嬢さん。ご本人やご両親に喜んでいただけただけでなく、同じ便に乗車されたお客さまもみんな祝福してくださった。我々としても先輩たちが積み上げて来た歴史の一場面に立ち会うことができ、感無量だった。

――では、今後の抱負は?  //////////
5000万人という節目を迎えたが、これからも何より安全最優先で、無事故無災害に努め、1人でも多くのお客さまに関電トンネルトロリーバスにご乗車いただき、関西電力のシンボルでもある黒部ダムの雄大な姿をご堪能いただきたい。そのためにもお客さまの声をもっとお聞きしたいと思い、投函箱も設置した。黒部ダムは国立公園内に位置する関係上、さまざまな制約があり改修などもなかなか思うに任せないが、できることから少しずつ改善していきたい。まず今年は車椅子の方でも黒部ダムの観光放水が眺望できる場所まで行けるよう、スロープの設置工事を始める予定だ。また車両についても、将来300型を更新する時期になった暁には、身体の不自由な方でも乗りやすく快適なものに替えていきたい。この関電トンネルトロリーバスがこれからもずっと、お客さまに愛される乗り物であってほしいと思っている。 ■


黒部ダムオフィシャルサイト>> http://www.kurobe-dam.com/



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