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「『共生』を実現している会社 かんでんエルハート」

2007.03.01
かんでんエルハート企画業務部の西本 敏副部長



かんでんエルハート・企画業務部
副部長 西本 敏

住之江ワークセンター
住之江ワークセンター
デザイン
デザイン
印刷・製本
印刷・製本
封入
封入
ノベルティ封入数の記録
ノベルティ封入数の記録
電話注文承り
電話注文承り
包装
包装<
花の販売
花の販売
花籠づくり
花籠づくり
花籠
花籠
温室にて
温室にて

ハンディキャップのある人とない人が一緒に働く「かんでんエルハート」。設立の経緯や事業内容、今後の課題は?──設立当初から関わってきた、かんでんエルハート企画業務部の西本 敏副部長に訊いた。

――設立の経緯は?  //////////
かんでんエルハートは1993年12月9日、「障害者の日」に設立した。関西電力は従来から障がい者雇用に積極的に取り組んできたが、社会全体でもまだ知的障がい者や重度身体障がい者の就労は進んでいなかった。しかし関西電力は「地域との共生」を理念とする会社。地域で雇用を促進し、障がいのある人の自立と社会参画に繋げようと、大阪府・大阪市の支援を得て、第三セクター方式で設立したのが、かんでんエルハートだ。

――具体的にどのような仕事をしているのか?  //////////
当初、重度障がい者多数雇用事業所という方針だけは決まったが、それぞれの人に適した仕事を用意するのが大変だった。まず目の不自由な人に「マッサージ・ヘルスキーパー」の仕事、聴覚障がい者や肢体不自由者には「デザイン・印刷・製本」の仕事。これらはすんなり決まった。難しかったのが、知的障がい者の仕事。就労の前例がほとんどないなかで、製造業なら自社の製造ラインで働けるが、電気事業はそうはいかない。いろいろ検討した結果、体力のある人は「花卉栽培・花壇保守」、手先の器用な人は「ノベルティ商品の包装・箱詰」「ダイレクトメールの封入」、漢字を読める人は郵便物の仕分けなどを行う「メールサービス」と、それぞれの人向けに新たな職域を開発した。その後、「電話受付サービス」や「データサービス」など業務を拡大している。

――従業員数は?  //////////
95年4月にここ住之江ワークセンターをオープン、障がい者28人、健常者15人の総勢43人でスタートした。それに先立ち、阪神大震災直後に採用試験を実施したが、すごい倍率。知的障がい者14人の募集に対し、応募が176人。当時、知的障がい者は授産施設や福祉作業所などでしか働けず、企業が14人雇用するのは画期的だった。今、障がい者97人、健常者43人で、140人の所帯になった。97人の中には、知的障がい者48人、肢体不自由者22人、聴覚障がい者8人、視覚障がい者11人、心臓疾患でペースメーカーの人など体内部障がい者4人、そして統合失調症やてんかんなど精神障がいの人が4人働いている。2006年から国が精神障がい者の雇用促進を打ち出したこともあり、当社は率先して雇用している。これは、まだあまり例がないと思う。

――最初に入社した人はもう10年以上経つ。作業効率も上がったのでは?  //////////
もう全然違う。例えば、ノベルティのボールペンの封入作業を、5人の知的障がい者が1日何本できるか、ゲーム感覚でやっている。初めは6,500本だったのが今14,500本と、作業効率が倍増。しかもみんなきっちり丁寧な仕事をする。

――では開業当初とは随分変わった?  //////////
かなり変わった。開業当初は、まずは彼らが毎日出勤してくれることが一番で、仕事は二の次。しかも仕事は失敗ばかりだった。名刺一つ作るにも文字を間違えたり。だけどお客さまは、障がい者だからといって仕事を依頼してくれるわけではない。障がい者だからという甘えは許されない。今、彼ら自身にもプロ意識が芽生え、儲けようという気でやっており、ふつうの会社として商売ができるようになった。

――職場見学に来る人も多いそうだが?  //////////
年間約3,000人、累計で約45,000人にのぼる。職場の設備はもちろんバリアフリーだし、知的障がい者雇用や特例子会社の先例として見学に来られるケースが多い。見学に来た人が言ってくれるのが、挨拶の明るさ。社員みんなが「こんにちは」と明るく笑顔で挨拶する職場は、我々の誇りでもある。95年の開業時には紀宮さまが、2006年8月には皇太子殿下がお見えになった。いろんなハンディキャップを持つ人が仕事に従事しており、障がい者雇用数が4倍近くになっていること、商売も順調で業績が安定していることが認められたのではないかと思っている。

――特例子会社とは?  //////////
障害者の雇用の促進等に関する法律で認められたもので、重度身体障がい者や知的障がい者を多数雇用する子会社を、親会社の一事業所と見なし、法定雇用率へのカウント計上ができるというもの。全国で今200余りの特例子会社がある。雇用率は現在、法定雇用率1.8%に対し、全国平均が1.52%、エルハートと合わせて関西電力は2.05%になる。

――高槻フラワーセンターでは昨年、貸農園を始め、好評と聞いたが?  //////////
高槻フラワーセンターは2000年に開設し、花卉栽培や花壇保守の仕事をしてきたが、関西電力の営業所の統廃合や火力発電所の廃止などで、園芸の仕事が減った。かといって、漢字の読めない人にメールの仕分けはできず、別の部署への異動は容易ではない。彼らの仕事を確保するため、新規事業として貸農園「ほのぼの農園 鵜殿の郷(うどののさと)」を始めたというわけだ。これが非常に好評で、1区画10平米、全434区画を2006年4月中旬に貸し出したところ、6月にはすべて借り手がついた。お客さまは土地代月額1,000円に加え、希望に応じて、水やり代行100円、草抜き代行300円など、リーズナブルな値段で農園を持てる。特に団塊の世代などに人気がある。収穫祭や花見など、四季ごとにイベントも実施しており、活用しにくかった土地が、今やお年寄りから子供さんまで集まるコミュニティの場になっている。

――今後の課題と抱負は?  //////////
今後、雇用を増やすにしても、適材適所の仕事を準備することが課題だ。それと彼らが年齢を重ねたとき、仕事を続けられるのか。園芸の仕事など体力が要る。できる仕事にどうしても制約があるなかで、どのようにしていくかを考えないといけない。我々は知的障がいや精神障がいの人に「就労の場」を提供しているわけだが、単に仕事だけでなく、半歩踏み込んだ形で取り組んでいる。社員の中にはジョブコーチ(職場適応援助者)の資格を取った者が4人いて、彼らを中心にご両親やカウンセラーとも連携しながら、いろんな相談に乗っている。どこまで会社がやるかという声があるが、うちは半歩踏み込んだ形で、障がい者の自立と幸せをサポートしていきたい。この12年間には障がい者同士の職場結婚など嬉しい出来事もあった。異なる障がいを持つ人が同じ職場で働くケースは少ないが、エルハートでは、毎日の朝礼で聴覚障がいの社員がみんなに手話を教えるなど、異なる障がい者同士、また障がい者と健常者の交流が自然にできている。やはり、ハンディキャップのある人もない人も、みんな平等に幸せに生きるべきで、そのためには仕事を通じて可能性を引き出し、磨く努力が必要だ。各自が自分の可能性に挑戦し、ハンディキャップのある人もない人もごく当たり前に、共に生きられる社会──そんな「共生」を実現していきたい。 ■


かんでんエルハート>> http://www.klh.co.jp/



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