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「高速電力線通信(PLC)って?」

2007.02.15
関西電力経営改革・IT本部通信技術グループの橘 俊郎チーフマネジャー



関西電力経営改革・IT本部通信技術グループ
チーフマネジャー 橘 俊郎

電気のコンセントに繋ぐだけで、家庭で簡単に高速LAN環境を実現! 2006年10月、高速PLCの規制が緩和され、いよいよ日本でもPLCサービスが解禁された。PLCとは? どう使えるのか?──関西電力経営改革・IT本部通信技術グループの橘 俊郎チーフマネジャーに訊いた。

――そもそもPLCとは?  //////////
電力線通信(PLC:Power Line Communication)、その名のとおり電力線に通信信号を乗せて送り、通信を行う技術だ。コンセントにPLCモデムのプラグを差し込むだけで、簡単にLAN環境を実現することができる。

――コンセントさえあればどこでもインターネットが使える?  //////////
ほとんどのコンセントで使える。今までは、例えば2階の書斎にはインターネット回線が来ているが、1階の居間でもパソコンを使いたいとき、1階と2階の間をLANケーブル(有線LAN)で結ぶ必要があったが、工事も大変だ。無線LANなら通信線の敷設は要らないが、家庭によっては通信できない場合がある。そのようなお客さまには、高速PLCはソリューションの1つになる。使い方も、コンセントに差し込むだけで、無線LANのような難しい設定も要らないから、驚くほど簡単。お年寄りやお子さんでも簡単に使える。

――そんなに便利なのに、日本では規制があってなかなか商用化が認められなかったと聞くが?  //////////
高速PLCで利用する周波数帯域に、電波法の規制がかけられていた。電波には低い周波数から高い周波数までいろいろあり、10kHz〜450kHzの帯域は、昔から電力会社や電鉄会社など自前の電線を持つごく一部の業界が、社内の通信用に使っていた。関西電力も設立当初から遠隔地の変電所との電話回線に使っていて、これはいわばナローバンドの低速PLC。一方、今回はブロードバンドの高速PLC。狭帯域で送れる信号は少しだが、広帯域ならたくさん送れるので、2MHz〜30MHzのメガヘルツ帯を使って高速で伝送する。ところがこの帯域は既にアマチュア無線や短波放送などに使われており、高速PLCの信号を伝送しようとすると、電力線から発生する漏洩電界がノイズとして既存無線局に影響を与えてしまう。だから高速PLCは電波法で規制されていた。

――それが今回、規制緩和になったのは?  //////////
既存の無線局にご迷惑をかけないよう、漏洩電界低減技術の開発と検証を6年越しでやってきた。6年前はクリアするのが難しかったが、低減技術の開発を進め、実験を経た結果、2006年10月ようやく規制が緩和された。

――海外ではもっと早くに実用化した?  //////////
ドイツでは2000年より実用化し、以降欧州各国、近年はアメリカや韓国でも実用化された。

――欧州各国では、既にかなり普及している?  //////////
現在のところ、爆発的には普及しているわけではない。家庭内インフラには、有線LAN、無線LAN、高速PLCなど選択肢があり、それぞれに強み弱みがある。高速PLCは数あるソリューションの1つと考えるべき。

――関西電力の高速PLCへの取り組みの経緯は?  //////////
2001年にPLCの技術開発を行う合弁会社「ラインコム」を設立したのが第一歩。2003年には関西電力、松下電器、三菱電機などが中心になって「PLC-J」(高速電力線通信推進協議会)を設立。日本で唯一の推進団体として技術基準の検討や普及推進に取り組んできた。電力会社の中で関西電力が先導したのは、情報通信事業会社「ケイ・オプティコム」を立ち上げたように、ブロードバンドへの思いが強かったから。規制緩和を実現し、高速PLCを普及させることが日本全体のためにもなるという思いで、取り組んできた。その間、2004年には「きんでん」の子会社「プレミネット」が中国で実証実験を行ったり、国内でも2005年以降、関西電力が六甲実験センターなどでサービス展開に向けた技術検証を行うなど、実験を繰り返している。

――高速PLCは具体的にどういう活用方法がある?  //////////
関西電力グループは、電気事業以外に情報通信事業や生活アメニティ事業なども展開しており、そのような分野で使うアイデアとして、例えば集合住宅などで高速PLCを使った「遠隔検針」も考えられる。あるいは「ホームセキュリティ」。家のあちこちに設置したカメラやセンサーからの情報収集に高速PLCを使えば、特別な配線をすることなく、留守中の自宅の様子を携帯電話などで確認できる。また携帯電話から電気温水器やエアコン、照明などの「家電制御」も可能であろう。情報通信事業で言うと、例えば寝室や書斎にホームサーバーを置いておけば、別の部屋でハイビジョン画像の映画を見るようなこともでき、情報家電の普及と相俟って、ブロードバンド環境が家庭内に一気に拡がる可能性もあると思われる。

高速PLCモデム
高速PLCモデム

――先頃ケイ・オプティコムが高速PLCモデムのレンタルサービスを発表したが?  //////////
2007年4月から、モデム2台を月500円でレンタルするサービスを開始する。ケイ・オプティコムは昨秋の規制緩和後すぐ、トライアルとして高速PLCモデムの無料プレゼントを実施したところ、200件の募集に対し3万件弱の応募があり、すごい反響だった。今回はそれをもう一歩進め、より使っていただきやすいよう日本で初めてレンタルサービスを行うことにした。

――高速PLCモデムのメーカー間の互換性などは?  //////////
現状、世界には複数の高速PLC規格があり、互換性はないし、同じ家の中で異規格のモデムを設置すると互いの通信を妨害しあう。標準化は難しいが、せめて共存できるよう、今、世界的に共存条件策定への検討が進んでいるところだ。

――今後の課題と抱負は?  //////////
課題は、高速PLCならではのソリューションをいかに生み出していくか。ビジネスチャンスとしては、家庭内のブロードバンド環境の拡大はブロードバンド人口の増加に繋がり、ケイ・オプティコムの市場拡大が期待できる。また家庭向けだけでなく、法人向けの市場もある。配線が短く単純な家庭に比べ、ホテルなど大規模ビルは配線も長く分岐も多いのでPLCの信号が通りにくい。ところが法人で高速PLCを使いたいというニーズは結構ある。それに対し同じくグループ企業の「かんでんエンジニアリング」が、高速PLCはもちろん有線LANや無線LANも含め、安く最適なLAN環境構築の提案も考えている。法人向けの高速PLCは簡単ではないが、市場が大きく多様なニーズを既に聞いているので、いち早く取り組み、チャンスを掴みたい。日本の高速PLCは、まだ始まったばかり。今後、普及が進めばもっと安くなり、安くなるとまた多様な使い方が出てくる。関西電力グループとして、高速PLCとブロードバンドの組み合わせで、さまざまな新しいソリューションを展開していきたい。 ■



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