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「安価に遠隔集中管理ができる『エネルータ』を開発」

2007.01.15
関西電力研究開発室エネルギー利用技術研究所総合エネルギー研究室の植田健司主幹



関西電力研究開発室
エネルギー利用技術研究所総合エネルギー研究室
主幹 植田健司

システム構築費用が約半額に! 関西電力は、各種設備管理用コンピュータシステムを簡易な仕組みで遠隔集中管理できる装置「エネルータ」を、東芝と共同開発した。その開発のポイントは、商品化の目処は?──関西電力研究開発室エネルギー利用技術研究所総合エネルギー研究室の植田健司主幹に訊いた。

――「エネルータ」とはどういうもの?  //////////
省エネルギー意識の高まりに伴い、大規模ビルなどでは、空調や照明、給排水などの使用状況を監視制御して、効率的に運用しようという動きが全国的に広がっており、複数のビルや工場を一カ所で集中管理したいというニーズも増えている。ところが各ビルで採用されているシステムは、汎用品でないケースがほとんど。メーカーや仕様もさまざまで互換性がないため、これらのシステムを繋ぐには、大がかりな改修や、システム全体を新たに構築し直したりする必要があった。しかしメーカーや仕様が違っても、サーバとモニタ・マウス・キーボードとの間の信号は、業界標準規格を用いるのが一般的。この点に着目し、サーバからモニタへ出力される画像信号を利用することで、異なるメーカーのシステムでも容易に遠隔集中管理できるようにしたのが「エネルータ」だ。

――開発のきっかけは?  //////////
開発に着手したのは5年ほど前だが、もともとの発想は、研究施設の実験状況を集中監視したいという我々研究部門のニーズだった。というのも、関西電力の研究施設はここ園田のほか、六甲、山崎、けいはんな、舞鶴、巽と6カ所に分散しており、各研究施設での試験を遠隔監視することで研究の効率性を高めたいという思いが、エネルータ開発のきっかけになった。具体的な成果としては、六甲実験センターで、4000時間にも及ぶガスエンジン実証試験の遠隔監視に、これを利用することができた。

エネルータ

――開発で苦労した点は?  //////////
サーバから出る画像信号が標準規格だということは、多少専門知識のある者なら知っているが、画像信号は非常に情報量が多い。例えば一般的な管理システムに使われているモニタの情報量は、画素数で80万ピクセルにも及ぶため、これまで伝送は困難とされてきた。そこで我々は、どうすればこの膨大な情報量を少しでも軽くできるだろうかと考え、数種の軽減化技術を開発した。一例を挙げれば、画像変化のあった情報だけを伝送する既存の技術に加え、異常を知らせる点滅表示などの繰り返し画像について、画像情報を繰り返し何度も伝送するのではなく、2回目以降は画面コード情報だけを伝送するような技術で、これによって情報量を大幅に軽減することができた。他にもいくつかあるが、こうした軽減化技術の開発が最も苦労した点であると同時に、世界でも例のない開発に成功した最大のポイントだと思う。現在、特許も出願中だ。

――東芝との共同開発だそうだが、それぞれの役割分担は?  //////////
このシステムを構想した関西電力が、一緒に研究してもらえるパートナーとして東芝さんにお願いした。役割分担でいうと、実際の開発、試作品の製作は東芝さんで、関西電力は研究開発の企画、開発仕様の立案およびフィールドテストを担当。六甲実験センターの遠隔監視のほか、オフィスビルにもエネルータを導入し、我々自身で検証しながら、少しずつ改善していった。

――エネルータでは何カ所まで集中管理できる?  //////////
基本的には制限はないが、一応今のシステムでは、最大100カ所まで監視できるようにしている。集中管理側も今は1カ所で実証試験を行っているが、例えば大阪と東京とか、複数箇所(最大8カ所)で管理することもできる。

――エネルータを導入した場合、管理システム構築費が約50%削減できるそうだが?  //////////
コスト削減率はまだ概算の段階だし、既存システムの状況などによっても異なるが、率直に言って50%というのは、かなり控えめな数字だと思っている。50%という数字は「管理システム2台を遠隔集中管理システム1台で管理する」というモデルケースを想定し、既存の管理システムを改修した場合と、エネルータを導入した場合のコストを比較したものだが、これはあくまで「改修が可能な場合」の比較。つまり、システムのメーカーが違ったり、バージョンに差があり過ぎたりして改修が不可能な場合は、システム全体を新規に再構築しなくてはならず、そうしたケースと比較すれば、当然ながら、削減効果はさらに大きくなる。このようにお客さまにとってもメリットは非常に大きいと思う。

――それだけのコスト削減が見込めるとなれば、反響も大きいと思うが、商品化の目処は?  //////////
商品化については、現在メーカーと検討中だが、おかげさまで2006年11月のプレス発表以後、予想以上の問い合わせをいただいたので、できるだけ早い時期に商品化したいと考えている。ただ、もともと社内のニーズで始めた研究なので、どういうマーケットがあるか、どれくらいの利益が見込めるかといった市場予測は、まだ十分掴んでいないのが実情。それにもちろん価格設定の問題もあるので、そのあたりも今後早急に関係箇所の協力を得ながら検討していきたい。

――マーケットは未知数とのことだが、考えられる用途は?  //////////
可能性として一番大きいのは、やはりエネルギー管理システム。改正省エネ法の施行によって、いわゆる「熱電一体管理」を義務づけられる施設が増えているので、比較的安価で管理システムを構築できるエネルータは非常に有効だと思う。もちろん、それ以外にも幅広い用途が考えられる。でもあまり一般の用途にまで広げすぎて、他人のパソコンに繋いで……なんて、ウィニーのようになっても困るので、基本的にはビルや工場、公共施設などへの適用に限定していく方針。それだけでも市場はかなり大きいと思われる。

――最後に、今後の抱負は?  //////////
当然といえば当然かもしれないが、これまで関西電力が行ってきた研究開発は、エネルギー関連の開発──いわば我々自身がユーザーとなる開発が大半だった。しかしエネルータの場合は、きっかけはともかく結果的に、広範なマーケットが見込める可能性を秘めた開発になった。これを最大限に活かすには、どういう製品に仕上げ、どういう形でお客さまに提供するのがベストなのか。その答を見つけるのが一番の課題である。今後は営業部門などとも緊密にコミュニケーションをとりながら、よりよいソリューションに仕上げ、世の中の役に立てたいと思う。 ■


研究開発情報>> http://www.kepco.co.jp/rd/index.html



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