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「地球温暖化防止と地域環境改善へ、舞鶴で『竹炭』を科学する」

2006.11.15
関西電力研究開発室研究推進グループの野村 眞チーフマネジャー



関西電力研究開発室研究推進グループ
チーフマネジャー 野村 眞

竹を炭化することでCO2を固定するばかりか、その竹炭で川の水もキレイにする。2006年10月、関西電力は舞鶴市内の河川で、炭化した竹を用いた水質浄化の実証試験を開始した。舞鶴で行っている竹炭研究の狙いは? 今後の抱負は?──関西電力研究開発室研究推進グループの野村 眞チーフマネジャーに訊いた。

――CO2固定・有効利用研究を舞鶴で行うようになった経緯は?  //////////
もともと関西電力は、1991年からCO2削減・有効利用研究に取り組んでおり、大阪・南港発電所でのCO2分離・回収実験や、北海道・夕張でのCO2固定化実証試験など、研究を重ねてきた。2004年に30年ぶりの石炭火力発電所として舞鶴発電所が運転を開始したのを機に、舞鶴で「竹炭」によるCO2固定・有効利用研究を始めた。

――なぜ「竹」に注目?  //////////
近年、全国的に竹林による被害が拡大している。竹は繁殖力が強く、周囲に地下茎を伸ばすことで、落葉樹などの雑木林を浸食、森林の生態系を乱してしまう。特に舞鶴市は、京都府の竹林面積の25%を有するほど竹林が多く、被害は深刻。竹を伐った場合でも、伐った竹を放置しておくとメタンガスやCO2など温室効果ガスを出す要因になる。そこで、舞鶴市等地元関係者のご指導・ご協力を得ながら、2004年に関西電力が「舞鶴CO2竹炭固定・有効利用実験センター」を建設。竹を炭にしてCO2を固定することによる地球温暖化の防止と、その竹炭を有効利用して地域環境を改善するという、両面からのアプローチを開始した。

――具体的にはどのような研究を行っている?  //////////
2004年から5つのテーマで研究を進めている。まず「竹を炭にする研究」として、地元の森林組合に伐採してもらった竹を実験センターに集め、建物内の作業場で、2〜3cmのチップ状にして熱風で乾燥させたあと蒸し焼きにして炭をつくる。炭化温度などの要件を変えながら、多様な種類の竹炭を製造し、特性評価を行っている。有効利用研究としては、「竹炭による水質浄化研究」をはじめ、「竹炭を用いた土壌改良材の研究」「竹炭たい肥の農業への利用研究」「竹炭を用いた藻場造成研究」を行っている。

――「炭」を多面的に活用する?  //////////
そう。炭は昔から農業や水産業に幅広く応用されている。例えば炭を混ぜた土壌に苗木を植えると、木の根っこに微生物がつき共生関係になって木が早く育つ。これについては、関西電力は1992年からインドネシアのガジャマダ大学とラワンを使った共同研究を行っており、今回はその「炭」の技術と舞鶴市の「竹」を組み合わせて研究しようということになったもの。舞鶴発電所構内で土壌改良効果の実証実験を行うことになっており、また竹炭の脱臭・脱水効果を利用して、牛ふんと竹炭を混合したたい肥の試作・製造も進めている。さらに、水生生物の餌場としても重要な「藻場」を人工的に造成するにあたり、基盤部に竹炭を混ぜれば藻がつきやすくなるのではないかということで、2006年度中には舞鶴湾で藻場造成のフィールド実験を開始する予定。

――今回はその竹炭で「水質浄化」のフィールド実験を開始したそうだが?  //////////
舞鶴市内を流れる寺川という川に、竹炭を入れた水槽を3段の階段状に設置し、ポンプで汲み上げた川の水を順に流すことで、浄化実験を行う。竹炭は、寺川のような一般的な川では浄化効果が期待でき、より身近に活用できる。今回実験装置を設置しているのは「西浜南ちびっこ広場」という公園の横。「お知らせ看板」を立てて、公園を訪れる人に実験内容を知らせる工夫も行っている。

――一竹炭で水質が浄化されるワケは?  //////////
活性炭もそうだが、炭には微細な孔がたくさん開いていて、その孔に臭いなどが吸着される。水質浄化の場合、孔に微生物を棲まわせ、微生物の力で水を汚す有機物を分解するというしくみだ。もともと川が持っている浄化能力を活かす形での水質浄化というわけで、この実験を2008年3月まで、1年半をかけて行っていく。

――竹炭研究の苦労や配慮された点があれば?  //////////
竹炭の研究をこれほど大規模に行っているところは、そんなにないはずで、炭化炉も、何度もメーカーと協議しながら、カスタマイズしてつくりあげた。実験センターは舞鶴自然文化園内に建設したので、外観は周囲の景観にマッチするよう山小屋風に、また設備の振動や音を小さくするようチッパーの動力はエンジンでなくモーターにするなど、周辺環境への配慮を重ねた。ちなみにこの作業スペースは、ガラス張りで、実際の作業状況が外から見えるようになっており、事前に申し込めば作業スペース内部の見学もしていただける。センターの一角には地球温暖化問題や竹炭有効利用の研究内容に関する学習コーナーも設け、地域に開放するなど、開かれた研究施設として運営している。

――今後の課題と抱負は?  //////////
この研究も2007年からは総合評価段階に入り、LCA評価、つまり原料の採取、運搬から設備や竹炭の製造、使用、廃棄までの全ライフサイクルを通じて消費されるエネルギーや排出されるCO2をどれだけ低減できたかを定量的に評価していく。この竹炭研究は「地域密着型」の研究。一番の意義は、地域に貢献できること。これらの研究によって、従来、未利用のまま放置されていた竹林が二酸化炭素固定用林として活用されるとともに、竹炭を水質浄化材や土壌改良材などに有効利用することにより、地域産業振興の一助になればと思っている。■


関西電力の研究開発>> http://www.kepco.co.jp/rd/index.html



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