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「CO2クレジット(排出権)の購入とは?」

2006.08.15
関西電力環境室地球環境グループの砥山浩司マネジャー



関西電力環境室地球環境グループ
マネジャー 砥山浩司

ブータン王国における小規模水力発電プロジェクトで、日本の電力会社として初のCDMプロジェクトに参画した関西電力。今度は中国における水力発電CDMプロジェクトからCO2クレジットを購入する。その目的は? 今後の抱負は?──関西電力環境室地球環境グループの砥山浩司マネジャーに訊いた。

――京都メカニズムとは?  //////////
京都議定書で認められた「柔軟性処置」と呼ばれるもの。CO2などの温室効果ガスは、各国が自国内で排出量を削減することが基本だが、他の国で対策を行った方が、経済的にも、地域発展のためにも有効なケースが多いことから、自国内の対策の補完的措置として認められたものである。このうち先進国と途上国の間で行うものを「クリーン開発メカニズム」(CDM)、先進国間で行うものを「共同実施」(JI)、先進国間で国ごとの排出枠自体を取り引きするものを「排出権取引」(ET)という。とりわけ途上国との間で行うCDMは、先進国の企業などが途上国で削減事業を行うと、その削減分を排出権として獲得でき、自国の削減分にカウントされるので、注目が集まっている。

――関西電力が京都メカニズムを活用する理由は?  //////////
2005年2月に京都議定書が発効し、日本は2008〜2012年におけるCO2排出量を1990年の排出量から6%削減することになっている。関西電力は電気事業全体の目標に合わせて、2010年度に使用(販売)電力量あたりのCO2排出量を0.34kg- CO2/kWh程度にすることを目標としている。これを達成するため、CO2削減対策としてコスト効果が高いと期待されている京都メカニズムについても、必要に応じて積極的に活用したいと考えている。

――今回、中国で行っている水力発電CDMプロジェクトからCO2クレジットを購入すると聞いたが?  //////////
中国の水力発電会社が実施する小規模水力発電プロジェクト2案件からCO2クレジット(排出権)を購入する。プロジェクトはいずれも中国甘粛(かんしゅく)省の南部を流れる黄河支流に自流流れ込み式の水力発電所を建設して、地元の電力会社へ売電するもの。CO2を排出しない水力発電所の建設によって、2012年末までに合計約56万トンのCO2が排出削減される見込みで、関西電力が全量を購入する。既に日本政府と中国政府の承認を得ており、現在、国連によるCDMプロジェクトの登録手続きを進めているところだ。

――プロジェクト参画の経緯は?  //////////
プロジェクトの情報を得るには、インターネットで探す方法もあるし、実際に現地に行って探す手もある。いろんな方法があるが、今回は、日本で得た情報はプロジェクト名くらい。あとは直接現地に足を運んで、向こうのデベロッパーと話をしたうえで、同様の案件8〜9件の中から2件を選んだ。というのも、正直言ってこういうプロジェクトはまさに玉石混合。ちゃんとしたものもあれば、詐欺みたいなものもある。約束をして行ったのに相手が来なかったり(笑)。そういう中から本当にモノになるプロジェクトを見つけるには、やはり現地に行って、自分の眼で見るしかない。

――その現地、発電所の建設場所はどういうところ?  //////////
甘粛省は中国北西部、新彊ウイグル自治区の東側。発電所の建設場所は、省都蘭州まで飛行機で飛び、そこから南へ車で約8時間、700〜800kmのところにある。そこに流れ込み式の水力発電所──カンフェン水力発電所とルエタイ水力発電所を建設するというもので、ルエタイ水力発電所はまもなく初号機が運転を開始する予定である。

――国連に登録されたCDMプロジェクトは何件くらいある?  //////////
06年7月末現在で253件。うち日本の企業が関わっているものは23件。国別で見ると、トップはオランダで、次がイギリス、日本といった順だ。オランダは「風車の国」のイメージが強いが、実際は原子力発電の比率が非常に高い。原子力はCO2を出さないから、これ以上CO2削減の余地がほとんどなく、京都議定書の公約を達成するにはCDMプロジェクトでクレジットを購入するしかないと決め、そのための資金も税金で徴収して、早くから活動を始めている。 ちなみに、日本政府の承認を受けた案件は現在50件程度。うち電力会社が中心となって進めているものは15件ほどで、それ以外にも商社、銀行、電機メーカーなど、さまざまな企業が取り組んでいる。05年5月に登録されたブータンの小規模水力プロジェクトは、関西電力がリーダーとなって、e8(世界の主要な電力会社のNGO)で取り組んだもので、世界でも6番目のCDMプロジェクトだったが、その後一気に増えた格好だ。

――CDM第1弾はブータン、第2弾は中国。次は?  //////////
気候変動問題は、長期にわたって地球規模で対策を講じるべきものだから、CDMプロジェクトも中国や東アジアに固執するのではなく、世界中から実効性のあるものを厳選してやっていきたい。具体的には、エネルギーの利用効率が悪いロシアや旧東欧地域。急激な経済発展にインフラ整備が追いついていないインド。あるいは内戦や災害、貧困問題などで十分な支援が行き届いていない地域──例えばインドネシアの津波被害を受けた地域など。そういったところで案件があれば、ぜひ検討したい。

――今後の抱負は?  //////////
関西電力は環境との関わりが深いエネルギー事業者として、温室効果ガス削減に大きな責務を負っていると認識している。そのため、国内において排出原単位のさらなる低減に力を入れるのはもちろん、海外への技術移転やCO2削減プロジェクトへの参画も積極的に進めていく方針。なかでも地球温暖化に対して実効性がありコスト効果の高いCDMのような仕組みは、今後も必要に応じて積極的に活用していきたいと思っている。■




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