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「下水処理場でのバイオガス発電事業って?」

2006.05.15
お客さま本部法人営業部公共営業グループの斉藤明博チーフマネジャー



お客さま本部法人営業部公共営業グループ
チーフマネジャー 斉藤明博



大阪市初の「PFI(Private Finance Initiative)」方式による「津守下水処理場消化ガス発電設備整備事業」を手がけることになった関西電力。温暖化対策として期待の高い「消化ガス発電」とは? また関西電力がPFI事業に取り組む意図は?──お客さま本部法人営業部公共営業グループの斉藤明博チーフマネジャーに訊いた。

――今回、関西電力が正式契約に至った「消化ガス発電事業」とは? //////////
地球温暖化防止が重要課題となるなか、各自治体ではエネルギー負荷が大きい下水道事業において、下水汚泥の処理過程で発生するメタンガスを有効利用した消化ガス(メタン中心のバイオガス)発電設備の導入等の対策が進められている。このたび大阪市は、西成区にある市内最大規模の津守下水処理場において、エネルギーコストの削減と環境負荷の低減を目的とした消化ガス発電事業を行うことを決め、その施設整備から向こう20年間の管理運営まで、民間の資金力・技術力を活用するPFI手法を導入。これに我々が応募して、採用が決まったというわけだ。

――下水道事業は環境負荷が大きい? //////////
そう。汚水を浄化し綺麗な水にして自然に還す下水処理場では、汚水を処理したあとに残る汚泥は、消化槽の中で微生物の働きによって分解され、温室効果ガスの1つであるメタンガス(消化ガス)を発生させる。この余剰消化ガスを単に燃焼処分し、CO2を発生させるのではなく、有効活用しようというのが「消化ガス発電」だ。

――今回の発電システムはどのようなもの? //////////
消化ガスを燃料として活用できるガスエンジンを組み込み、発電と同時に排熱を有効利用できるコージェネレーションシステムを整備する。消化ガスでつくった電気は、処理場で使う電気の約1/3を賄い、一方の熱は、下水汚泥を温め微生物の働きを活発化させガスを発生しやすくする熱源として利用する。加えて今回の特徴は、夜間の安い電力を蓄えて昼間に使う電力貯蔵システム「NAS電池」を併せて提案したこと。これによって昼間のピーク電力を抑えられるから、残り2/3を賄う系統電力のコスト削減にもつながる。我々系統電力を売る側としては残念な話だが(笑)、お客さまには大きなメリットとなる。

――大阪市にとっても初のPFI事業とのことだが、やはりコスト削減効果が大きい? //////////
自治体の財政事情が厳しさを増すなか、民間資金を活用して社会資本整備を行うPFI事業で、まず期待されるのが、コスト削減。今回の事業では、20年間で17億6000万円のエネルギーコストが削減される。課題となっているCO2削減も、公募の際、大阪市からは年間4000t削減したいという条件が提示されたが、我々の提案はそれを上回る4200tのCO2が削減できる計画で、大阪市としては環境保全への積極的な姿勢もアピールできる。またこれまで各地のPFI事業のほとんどが、いわゆる箱モノで、下水処理場の消化ガス発電事業でPFI方式を導入したのは、東京都、横浜市に次いで3例目。全国でも先駆的な取り組みだけに、事業の進展には大きな期待が寄せられている。

――関西電力側の事業参画の経緯は? //////////
バイオガス発電を手がけるのは初めてだが、燃料こそ違え、発電ノウハウが生かせる事業であり、今後拡大が予想されるバイオガス発電ノウハウも蓄積できる。もちろん社会全体の環境保全の観点からも有益。さらに言えば、この処理場で、残り2/3の電力を引き続き当社から継続して購入いただけることも期待できることから、応募を決めた。そして応募にあたっては、関西電力が代表となり、下水道事業の実績とNAS電池の技術を持つ日本ガイシ他との企業連合により提案を行い、大阪ガスグループを抑えての採用となった。

――今後のスケジュールは? //////////
2005年10月に我々の案が採用されたのを受け、2006年1月、日本ガイシや関電GASCOなど5社で、この事業を実施する特別目的会社「大阪バイオエナジー」を設立した。そしてさる4月12日に大阪市と正式に事業契約を締結し、6月にはプラント建設に着手。事業開始は2007年4月を予定している。

――ところで「公共営業グループ」とは? PFI事業を専門に担当しているのか? //////////
いや、これまで我々は、地方自治体や国の出先機関、国公立大学など、公的なお客さまに対し、電化提案、ソリューション営業を行ってきた。ただ、近年、公共機関での設備投資は減り、代わってPFI事業が増えてきたので、我々としても新たなチャレンジを始めたところだ。今回のように自ら代表者として応募したのは初めてだし、会社までつくって対応するのはなかなか体力の要る仕事でレアケース。ただPFIは、自分で仕様を決めて提案できるのが魅力。今回は大阪市の「消化ガス発電事業」だが、ほかにも各自治体で庁舎や病院、公営住宅などのPFI事業が多数計画されていて、ここでは「電化採用拡大」を狙った活動を行っている。実際、成果も上がっており、昨年暮れには、大阪府の「府営筆ヶ崎住宅民活事業」において、積極的な電化提案・協力を行い、大阪府営住宅として初めて、また大規模公営住宅としてはおそらく全国初の278戸の「オール電化採用」が決まった。

――では引き続きPFI事業に力を入れる? 今後の抱負は? //////////
まずは津守のPFI事業をきちんとやっていく。来年4月に間に合うよう、無事故無災害で建設工事を進め、事業開始後は2027年まで20年間、責任を持って運用管理を続けながら、「関西電力と組んでよかった」と言っていただけるよう、大阪市との関係強化に努めたい。もうひとつが大きな市場である「公営住宅のオール電化推進」。新築案件では大阪府筆ヶ崎住宅で風穴が開いたが、既存の公営住宅のリニューアルは、構造上やスペースの制約などもあってハードルが高い。しかし、比較的高齢者層が多い公営住宅でこそ安心・快適な電気の良さは実感いただけるはずなので、引き続きチャレンジを行っていく。公共事業者に信頼される「トータルエネルギーコンサルティング集団」──それが我々のあるべき姿だと信じ、これからもPFIへの活動などを通じ、我々自身のレベルアップを図っていきたい。■



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