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「バイオマス混焼、2008年にもスタートへ」

2006.04.15
企画室原価グループ チーフマネジャー 田窪宏一



企画室設備グループ
チーフマネジャー 櫟 真夏(いちのき まなつ)



実効性のある地球温暖化防止対策へ──。2008年、関西電力はバイオマス混焼の開始をめざし、計画を進めている。2004年8月に運転を開始した、石炭火力の舞鶴発電所1号機で、石炭と木質バイオマス燃料を混焼しようというもので、規模としては国内最大。その目的と効果、今後の課題は?──企画室設備グループの櫟 真夏(いちのき まなつ)チーフマネジャーに訊いた。

――まずバイオマス燃料利用の目的は? //////////
関西電力は以前から「ニューERA戦略」として、地球温暖化防止に寄与するさまざまな施策を展開している。例えば発電時にCO2を排出しない原子力発電の安全を最優先とした推進、火力発電所の熱効率を上げるコンバインドサイクル化、海外での植林活動など、多くの事業を進めており、今回の計画もこの一環。舞鶴発電所1号機で、環境に優しいバイオマス燃料を、石炭と混焼することで、化石燃料の使用を抑制し、CO2削減に繋げようというものだ。

――具体的にはどんな燃料を使用する? そもそもバイオマスとは? //////////
バイオマスとは生物資源。動植物由来で、化石燃料を除く有機性資源のこと。例えば生ごみや紙屑、木屑、廃食用油、下水汚泥、家畜の排泄物などもバイオマスだ。今回発電に使うのは「木質バイオマス」。つまり、木。松や樅などを住宅建材として製材する際に出るおが屑やかんな屑を乾燥・粉砕し、化学薬品は一切使わず、直径6〜8mmの円筒状に圧縮・成形加工した100%木質の固形燃料だ。この「木質ペレット」は、北欧などでは、発電や暖房用の燃料として広く使われているし、日本でも薪代わりの暖炉用燃料としてホームセンターなどでも売られている。それを発電所で燃やすというわけだ。

――とは言え、木は燃やすとCO2を排出する。それがなぜCO2削減になる? //////////
確かに物理的には木質バイオマスも燃やすとCO2が出るが、それは、もともと木に固定された大気中のCO2が再び大気中に戻るだけで、地球全体としてCO2が増えるわけではない。これが「カーボンニュートラル」という考え方で、バイオマスの特性だ。そのバイオマス燃料を使うことによって石炭の使用量が減る。バイオマス燃料から出るCO2は木の伐採時に吸収源の減という形でカウントし、燃焼時にはカウントしないという現在のルールから、減った石炭分だけCO2の大気への排出量が減少されることになる。

――そのCO2排出量だが、今回は具体的にはどの程度減少する? //////////
バイオマス燃料を使う分、石炭の使用量は年間約4万t減少する。これをCO2排出量に換算すると、約9.2万t-CO2。関西電力の事業全体でのCO2排出量が約5000万t-CO2だから、削減効果は0.2%程度。決して多いとは言い難いが、新しい方策を積極的に採用する姿勢が大事だと思っている。

――国内でバイオマス発電の事例は? //////////
一般電気事業者では、石炭火力発電所で木質バイオマス燃料を利用しているのは四国電力の西条発電所だけ。試験的に実施されたケースはあるが、本格利用は関西電力が2例目になる。ただ製紙会社では以前から、紙パルプの生産過程で発生する黒液を燃やし、自家発電に使っている。これも木質バイオマス発電の一種だ。

――石炭との「混焼」とのことだが、どのくらいの割合で混ぜる? //////////
混焼率は年間平均で約3%、バイオマス燃料の使用量は年間約6万tと国内最大規模だ。3%というと少ない印象かもしれないが、あまり混焼率を上げると設備に負荷がかかりすぎるため、設備の余力を考慮すると3%が適切だったということだ。発電のしくみは、まずペレットは石炭と同様、発電所の桟橋で陸揚げし、一旦ベルトコンベアで専用の貯蔵施設に運び込んでから、石炭コンベア上で石炭と混ぜ合わせ、微粉炭機でパウダー状にすり潰し、ボイラで燃やして発電するという形だ。

――混焼しても安全性や信頼性に問題はない? //////////
木質ペレットは石炭に比べて硫黄や窒素の成分が少なく、燃焼後に発生する灰も少ないなど、性状としては問題ないが、安全性はもちろん、燃え方はどうか、粉砕性はどうかといった点も含め、社外の試験ボイラをお借りして実際に確認した。その結果、全く問題ないという確証を得ている。

――省CO2ということで、電力各社は近年、新エネルギーに力を入れているようだが? //////////
2003年に施行されたRPS法(電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法)は、電気事業者に対して一定割合以上の新エネルギー利用を義務づけており、関西電力の場合、2010年段階で販売電力量の約1.35%、現在の3倍近くの約20.3億kWh分の電気を新エネルギーで賄わないといけない。今回のバイオマス発電は、これを達成するための一方策としての意味合いもあり、舞鶴発電所1号機でのバイオマスによる発電量は年間約1.2億kWhを予定している。RPS法の義務履行方法には、自ら新エネルギー発電をする方法と、他から新エネルギーで発電した電気なり、それに相当する証書を購入する方法があるが、他から購入する方法は、どうしても他人頼み。この点、舞鶴でのバイオマス利用は自分で行うわけだから、より安定的に継続できる。

――ということは、将来的には利用量を増やすことも考えている? //////////
視野には入れている。2010年には舞鶴2号機が運転開始の予定。2号機でもバイオマス混焼を行うとすれば、どんなスペックが相応しいか、検討しているところだ。とは言え、量を増やすには、第一に長期的・安定的な燃料の調達先を確保しないといけないし、運搬から荷揚げ・貯蔵設備まで、総合的に考える必要がある。

――最後に今後の課題、抱負は? //////////
今回、当社の火力発電所の中でも相対的にCO2排出量の多い石炭を使う舞鶴発電所でCO2削減の取り組みを進めることは有意義であると思っているし、たまたまその発電所が京都議定書発祥の地にあったことは巡り合わせのようなものも感じる。今後、課題というわけでもないが、この取り組みを長期的・安定的に継続していきたいと考えているため、計画の実現に向け、関係機関と十分に調整を図りながら安全最優先で進めていきたい。また、地球温暖化防止への対応ということでは、今回の事例だけでなく、引き続き「ニューERA戦略」に基づき、各方策を積極的に推し進めていきたい。■



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