Insight時代を解くキーワード Presented by 関西電力
| HOME | このサイトについて | メルマガサンプル | 談話室 | 配信申込・解除 | お問い合わせ・ご意見 |
関西電力HPへ 関西電力HPへ
Main Column Break Close up エナジー News Clip 関西電力 講堂(イベント/セミナー)
 

Close up エナジー
 

「CO2削減へ、関西電力の温暖化対策は?」

2006.01.15
環境室地球環境グループ
チーフマネジャー 井上祐一



環境室地球環境グループ
チーフマネジャー 井上祐一



関西電力が供給する電気は、地球環境に優しいと言われている。どのくらい優しいのか、どのようなことをしているのか?──CO2削減に向けた総合的な取り組みを、環境室地球環境グループの井上祐一チーフマネジャーに訊いた。

――関西電力のCO2排出量目標は? //////////
2005年の京都議定書発効以来、数値目標の達成が注目されているが、関西電力は90年代初頭から、全社を挙げて地球温暖化問題に先進的に取り組んできた。関西電力はCO2排出削減に対する目標として、お客さまの使用電力量1kWh当たりのCO2排出量(使用端CO2排出原単位)を指標として取り上げ、具体的には電気事業連合会の目標に合わせ、「2010年度における使用端CO2排出原単位を90年度実績から20%程度低減(0.34kg-CO2/kWh)する」という目標を設定している。

――実績は? //////////
我々のCO2排出原単位は、90年度時点で0.353 kg-CO2/kWh。その後一貫して下回り、2002年度は0.260、2003年度は0.261と、全国の電気事業者で抜きん出て低い数値を達成してきた。ところが2004年度は美浜発電所3号機事故が発生。これらに伴う原子力発電設備利用率の低下などにより、0.356と90年度の値を初めて超えた。

――CO2排出原単位の変動は、何に左右される? //////////
発電時にCO2を排出しない原子力発電の効果が大きい。実は90年度時点で、大飯原子力発電所3、4号機はまだ建設中。それが91年93年に運転開始した効果と、設備利用率の向上に努めた成果が、CO2排出原単位の低減に寄与している。設備利用率は90年度時点で68%だったのが2002年度には90%以上と向上。原子力でなく火力で運用していたらと考えると、原子力によるCO2排出の回避効果は、排出削減全体の約8割にものぼる。

――電気の使用量は増えているが、CO2排出量は減った、と聞いたが? //////////
減っている。例えば2003年度で見ると、お客さまの使用電力量は90年度時点に比べ約16%増えたが、CO2排出量は90年度時点に比べ約14%も低減した。原単位もそうだが、電気の使用量が増えているのに排出総量自体が減っているのは関西電力だけだ。

――お客さまが電気をどう使うか判らないなかで、CO2排出量自体を抑えるのはかなり大変。原子力がその大部分を占めるとして、それ以外は?//////////
化石燃料を焚く火力発電でも、CO2削減に取り組んでいる。蒸気タービンとガスタービンを組み合わせ、熱を最大限利用するコンバインドサイクルの導入などにより、熱効率の維持・向上を図っている。現在、堺港発電所においてコンバインドサイクル導入計画をすすめているが、この設備更新により、同発電所の発電電力量あたりのCO2排出量は現状より約30%削減できる。さらに水力発電では、より効率のよい水車を採用するなどのリフレッシュ工事をすすめている。

――電力供給時だけでなく、多方面からCO2削減に取り組んでいると? //////////
CO2の少ない電気をお届けするだけでなく、社会全体で効率よくエネルギーが利用されるよう、お客さまが電気を使う場でも効率的な利用を促進している。「エコキュート」などによるオール電化の提案もその一つ。大気中の熱を上手にくみ上げて給湯の熱エネルギーとして利用するヒートポンプ式給湯器「エコキュート」は、1の電気エネルギーから3から4の熱エネルギーが得られる、極めて高効率で省エネルギーな機器。オール電化にした場合、電気とガスの併用に比べ、CO2排出量は約3割減るし、最近注目の燃料電池と比較しても、オール電化の方がCO2は低い。もちろん自らも実践するわけで、04年12月にできた新しい関電本店ビルも、従来のオフィスビルと比べると執務室フロアで約30%の省エネを実現し、「平成17年度地球温暖化防止活動環境大臣表彰」を受賞した。また、温暖化はグローバルな問題なので、海外でもCO2削減活動を行っている。その一つが、日本の電力会社初の国連CDM(クリーン開発メカニズム)事業に認定されたブータンでの小規模水力発電プロジェクト。またタイでマングローブの植林、オーストラリアでユーカリの植林などを行っている。ユーカリの植林は地元の土壌塩類化防止と、もう一つ、植物はCO2を吸収するから、それを排出権として獲得しようという目的があった。が、残念ながらオーストラリアは議定書に批准していない。

――批准していないと排出権は獲得できない? //////////
そう、批准していればJI(共同実施)のスキームに載るはずだったが……。ただ、西オーストラリア州で木に固定したCO2を権利として認める法律ができ、州法に則って排出権取引が始まるのでは、と州の動きに注目している。もう一つ最近の動きは、米国主導でエネルギー技術移転を進めようという「アジア太平洋パートナーシップ」。アメリカ、オーストラリア、日本、韓国、中国、インドと、温暖化問題のキーとなる国々が参加し、2006年1月11日にシドニーで第1回首脳会合を開催。京都議定書を補完する、実効ある温暖化対策の枠組みになるかもしれないし、オーストラリアも参加しているので一緒にやっていけるのでは、と期待している。

――他電力も同様の取り組みをしている? //////////
基本的には同様の取り組みを進めているが、電源構成の違いによって、力を入れる部分が多少違う。例えば、石炭火力が多いところでは、海外での取り組みには非常に力を入れている。最近、環境税導入論に絡んで石炭火力が槍玉に挙げられているが、国策として石炭を使うことでエネルギーセキュリティに貢献してきたわけで、その点はご理解いただきたい。

――電事連としての目標は達成できそう? //////////
それが今のままでは90年度比20%に対し15%までしか削減できない。5%のギャップを埋めるべく、安全を大前提に原子力発電の利用率向上で3%、火力発電の燃料等の見直しで1%、京都メカニズムの活用で1%という、追加努力を決めた。

――削減の苦労は? //////////
温暖化対策は強制的に一律に税や規制で縛ると、経済に打撃を与えかねない。各々の自主的な推進が望ましいが、すると今度は自ら鞭打たないといけない。最も悩むのは、今のレベルで十分か、やるとすればどこまでコストをかけて今やるべきか。私自身、入社以来ほぼ一貫して環境に携わってきたが、環境問題も、原因を特定しやすい公害問題から、誰もが被害者で加害者でもあるという雲を掴むような温暖化問題へと様変わり。しかも世界がプレイヤーで、国によってスタンスが違う。温暖化問題は、環境だけでなく国同士の貿易やセキュリティ、経済との兼ね合いが大きく、難しい問題だ。

――そういう難しさを抱えつつ今後特に力を入れようとしているのは? //////////
電気事業者としては温暖化対策を先進的に進める社会的責任がある。関西電力では、95年から温室効果ガス削減の総合的な対策として「ニューERA」戦略を進めている。「ERA」とは、Efficiency(社会全体のエネルギー利用の効率化)、Reduction(電力供給における温室効果ガス排出量の削減)、Activities Abroad(地球温暖化防止に向けた海外での取組み)の頭文字をとったもの。エコキュートなど画期的にエネルギー効率が高い製品の普及に貢献するのがERAのEの大事な点だし、Rは安全を大前提としたうえでの原子力発電所利用率の回復維持等。Aは、議定書発効以来最もホットな京都メカニズムの活用。コスト効果があり、我々の得意な発電技術を生かせ、途上国に喜んでもらえるプロジェクトを見つけて推進していきたい。

――今後の抱負は? //////////
2006年4月施行の改正温暖化対策推進法で、CO2等排出量の届出・公表制が導入され、お客さまがCO2の少ないエネルギーにシフトするのではという期待がある。そのときに、コージェネさえ入れればCO2が削減できるというのは間違い。効果をきちんと算定すべきで、むしろ電気の方が削減効果が高いケースが多い。自由化当初は単に料金が安いPPSが落札したが、最近では官庁も電気の入札制度で、環境特性に注目する動きがあり、望ましいことと考えている。 実際問題、快適な生活を犠牲にしてまで温暖化対策を行うのは、難しい。だから、快適な生活を維持しながらいかにエネルギーを効率的に利用するか。原子力・水力・自然エネルギーなどをミックスした、環境負荷の低い電気こそ、持続可能な低CO2社会構築の決め手になる。とりわけ関西電力の電気は、日本の電力会社の中でもCO2排出原単位が低い。これからも、関西電力は「経済成長」「エネルギーセキュリティ」「環境保全」という、3つのEの同時達成をめざし、息の長い取り組みを推進したいと思っている。■


関西電力の環境問題への取り組み>>
 http://www.kepco.co.jp/kankyou/index.html
  



Columnカテゴリ検索
政治・外交
経済・経営
社会・生活
文化・文明
科学・技術
電力・エネルギー
関西
サイト内全文検索
バックナンバー
Insight時代を解くキーワード
Copyright (C) 2002-2008 KEPCO THE KANSAI ELECTRIC POWER CO., INC.