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「関西電力グループが、ガス販売って?」

2005.12.15
グループ経営推進本部エネルギービジネス戦略グループチーフマネジャー 磯田宗孝



グループ経営推進本部エネルギービジネス戦略グループ
チーフマネジャー 磯田宗孝



電力会社は電気を売る会社……というのは、ひと昔前の話。電力・ガスともに市場の自由化が進むなか、関西電力も「総合エネルギー事業」を進め、ガス事業への積極展開を図っている。その狙いと現状、今後の展望は──グループ経営推進本部エネルギービジネス戦略グループの磯田宗孝チーフマネジャーに訊いた。

――なぜ関西電力が、ガス事業なのか? //////////
まず背景となったのは自由化。電気事業と同様、ガス事業も90年代後半から自由化が進み、ガス会社以外の新規参入が認められるようになった。また、自家発電など分散型電源の技術革新が進展したこともあり、お客さまのエネルギーの選択肢が拡大している。こうした状況下で我々がお客さまの信頼を獲得するには、従来のように電力の販売だけではなく、幅広い選択肢の中からお客さまにベストなエネルギーを提供していく必要がある。一方、当社には電力供給を通じて培った経営資源があり、これを多面的に活用してお客さまにさまざまな付加価値を提供できる。そうした狙いから、関西電力グループでは「総合エネルギー事業」を、情報通信事業、生活アメニティ事業とともに3本柱の1つと位置づけ推進している。ガス事業はこの総合エネルギー事業の一環だ。

――具体的にはどんな事業を行っているのか? //////////
ガスなどの燃料販売に加え、コージェネなどエネルギーシステム全体にわたるサービスを展開している。燃料販売は2000年に、タンクローリーによるLNG販売を始めたのが最初。02年からはガス会社のガス導管を使った大口ガス販売を開始した。これは自由化に伴い設けられた「託送制度」を利用したもので、この制度を活用したのは全国で関西電力が最初だ。また03年にはコージェネ用燃料として石油の販売もスタート。これらガス販売やコージェネ販売をトータルで提供する会社として01年「関電ガス・アンド・コージェネレーション(関電GASCO)」を設立。GASCOでは、大口ガスユーザーへの「関電ガス」の販売代行をはじめ、LNG・石油などの燃料販売、そしてコージェネシステムの設計・施工から機器の販売・リース、メンテナンスや24時間監視システム、さらには省エネの観点から設備診断や改修を提案する、いわゆるESCO事業も行っている。関西電力グループとして、お客さまにとってベストなエネルギーを提供するため、エネルギーシステム全般に関してトータルサービスを提供するのが関電GASCOの役割だ。

――事業の成果、販売状況は? //////////
04年度の総合エネルギー販売量はガス・石油合計で約50万トン。02年度に策定した経営計画では、07年度に50万トンの販売が目標だったが、初期に大口のお客さまが獲得できたこと、景気回復でガス需要が伸びていることなどがあり、3年前倒しで計画を達成できた。

――市場開拓はどのように? //////////
まずガス販売だけでなく他のサービスも併せて提案できるよう、関電GASCOに、ガスを提案する部隊とコージェネなどエネルギーシステムを提案する部隊が一体となって動く体制を整えた。そして最初は飛び込み営業。工場などを訪問し、お客さまのニーズを聞いたうえで、「ウチはこういう提案ができます」とPRするところから始めた。GASCOは機器も売ります、リースもします、メンテナンスもします、監視もしますよと。フルラインアップのメニューを揃え、お客さまのニーズに合わせた組み合わせをご提案してきた。

――そうしたトータル提案をする人材はどこから? //////////
その人材こそが一番の経営資源。関西電力には発電所や送配電設備の設計や制御、メンテナンスに長年携わってきた技術者が大勢いるし、発電用燃料としてガスの取り扱いノウハウもある。現在GASCOには約100人の社員がいるが、その大半がそうしたノウハウを持つ技術者。だから単に提案するだけでなく、工事の施工監理まで行うことができる。また電気と違い、ガスの場合はお客さま側の設備の保安責任を事業者が負うことになっているが、これについても電力設備の保安業務の経験がある。もちろんガスとの違いもあるから教育訓練は不可欠だったが、生かせるノウハウがあったことは大きい。実際、お客さまも一番懸念されるのが24時間の保安体制だ。ここは関西電力が担当しているが、「きちんとできている」という評価をいただいている。

――すると、ここまでは順風満帆という感じ? //////////
そう言いたいところだが(笑)、現実は厳しい。現在「関電ガス」は、販売量だけを比較すると全国のガス会社のトップ10に入っているが、電気に比べるとガスの需要の伸びは大きく、競争して勝ち取ったというより、需要増分の一部をシェアできたというのが実情。やはりガス会社は非常に手強いライバルだ。またESCO事業もガス会社をはじめ、エンジニアリング系の会社であるとか、プレイヤーが多い。そうした競争の激しさに加え、大口ガス事業の場合、託送供給を利用すると既存事業者に比べて新規参入者側の負担が大きくなるなど、制度上の問題も未解決のまま。大口ガス事業で大きな収益は期待できない。

――にもかかわらず、ガス事業に取り組む意義とは? //////////
関西電力グループとして、お客さまの幅広いニーズに対応するため。どんなエネルギーシステムが最適かは、お客さまによって千差万別。例えば生産プロセスでCO2が必要だから、ガスよりCO2発生濃度の高い灯油を使いたいというお客さまもいる。そうしたお客さまには灯油を提供する。この場合、ガスの売上にはつながらないが、お客さまが本当に求めているエネルギーシステムを提供することで、この先も関西電力グループを信頼していただける。つまりガス販売は、お客さまにソリューションを提供するためのツールの1つであり、いろんなツールを持つことでお客さまに付加価値を提供できるのが、関西電力の強みにもなる。

――大阪ガスとの競合といえば、関西電力は堺にLNG基地を建設している。
電気とガスの全面戦争などという言い方もされているが? //////////

マスコミ等でそういった取り上げられ方もするが、我々の意図とは異なり困惑している。関西電力では従来、LNG基地は姫路にしかなく、大阪方面の発電所のLNG燃料はその受入・貯蔵・気化・送出業務を大阪ガスさんにお願いしてきた。しかし電力自由化が進むなか、発電コストを下げて競争力を高めるには、やはり自前の基地を持つ方がいい。06年1月運転開始目途の堺LNG基地はそのためのもの、つまり自社の発電用だ。もちろん他の用途にも有効活用していく。例えば隣接地に当社グループも参画している(株)ハイドロエッジが液体水素などをつくる水素製造工場の建設を進めているが、ここに−162℃というLNGの冷熱やガスを供給することで基地の設備利用率を上げていく。そうした新しい事業展開も積極的に図っていきたいと思っている。

――では最後に今後の抱負は? //////////
当初は順調にスタートしたが、制度面の課題もあり、今後急激にシェアを拡大するのは現実的に難しい。きっちり基盤を固めながら、少しでも上積みを図っていきたいと思う。そのための核となるのは、やはりエネルギーシステム提案力。いっそう磨きをかけていきたい。
今後はさらにエネルギー間の融合が進み、いずれは燃料電池や水素エネルギーが実用化される時代もやって来る。そんな将来に備える意味でも、総合エネルギー事業の基盤をつくっておくのは、関西電力グループとして重要なこと。関電GASCOで培ったエネルギーソリューションのノウハウが、やがてグループ全体で生きる日が来ると信じて、基盤づくりを進めていきたい。■


関電GASCO>>
 http://www.k-gasco.co.jp/
  



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