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「関西電力が初のCSRレポートを発刊」

2005.11.01
長谷川雅信



関西電力企画室経営管理グループ
チーフマネジャー
彌園豊一



2005年9月、関西電力は初の『CSRレポート』を発刊した。いまなぜCSRなのか──他電力に先駆けて2004年に策定した「関西電力グループCSR行動憲章」の話も含め、関西電力企画室経営管理グループの彌園豊一チーフマネジャーに訊いた。

――レポート発行の経緯、目的は? //////////
関西電力グループは、CSRを経営の重要な柱の一つとしている。2004年3月に関西電力グループが目指すべき企業像を定めた「関西電力グループ経営ビジョン」を策定した。その中において、経営ビジョン実現のための柱の一つに「社会的責任(CSR)の全う」を掲げ、関西電力グループのCSR推進における行動原則を定めた「関西電力グループCSR行動憲章」を策定した。といっても、CSRはそれだけを切り出して新たに何かを実施するというものではなく、事業活動そのものを社会的・環境的側面から捉え直したもの。社会的責任という切り口である以上、評価も独り善がりではいけない。レポートの巻頭で社長が述べた「自己満足をいましめ、みなさまにありのままの関西電力グループをお伝えする」という言葉どおり、企業活動のありのままを見せ、社会に対する説明責任を果たすとともに、ステークホルダーのみなさまから忌憚のないご意見をいただくという、社会とのコミュニケーションツールの一つとして作成したのが、『CSRレポート』だ。

――特徴は? //////////
2004年の『環境レポート』も、中身はCSR行動憲章に則って情報開示しており、実質的には社会性報告書だったが、やはりまだ環境の割合が大きかった。今年は、社会的側面の記述を充実させるとともに、客観性をより高める工夫を行った。6つの行動原則ごとにその分野の専門家と関西電力の推進責任者との対談を実施し、いただいたご意見を掲載したのに加え、環境パフォーマンスデータに関しては第三者審査も受審した。また、本来レポートは過年度の取り組み報告が主な目的だが、次年度の取り組み方針も併載し、将来的なCSRに対する取り組みの方向性も示した。なお2004年の美浜発電所3号機事故についても、事故の発生経緯・原因調査結果・再発防止対策の実施計画、その実施状況を報告させていただいた。

――そもそもなぜCSR行動憲章を策定したのか? //////////
CSRは最近でこそ認知されてきたが、企業の社会性という考え方は、近江商人の「三方よし」など、昔からあった概念だ。関西電力自身も公益事業として社会性を第一に考えることはもちろん、初代太田垣社長の唱えた「前垂れ掛けの精神」のもと、創業以来「豊富・良質・低廉な電気でお客さまに奉仕する」「真心のこもったサービスに全力を尽くす」「地域社会の発展、繁栄に貢献する」という3つの理念を社是として継承。電気事業の本質的な社会性に加え、関西電力の理念としての社会貢献を、創業以来、経営の根幹に据えて守ってきた。それを電力自由化で競争時代に入っていくにあたり、敢えて再確認する必要があるとして、経営ビジョンと同時にCSR行動憲章を打ち出した。我々としては何も新しいことを言ったわけではなく、創業以来の考え方を再確認したということだ。

――なぜ再確認が必要だった? //////////
自由化により競争原理が導入され、従来の地域独占企業としての仕事のやり方から、競争基軸へ、かなり振り子を振らないといけない。しかし、これによって「前垂れがけの精神」のもと、将来にわたって「お客さまのお役に立ち続ける」という経営理念を変えてしまうわけではない。変わるべきものと変わらないものを峻別しないといけない。その意味で、我々が守ってきた社会性とは一体何だったのか、我々は何を大事にしてきて、これから何を大事にしていくのかを、改めて形にして再確認する必要があった。そこで、CSR行動憲章で6つの行動原則を定め、関西電力グループが果たすべき社会的責任を自覚するとともに、その実践を社会にお約束したというわけだ。

――行動憲章策定以来、具体的にどのようなことに取り組んだのか? //////////
CSRは事業活動を社会的側面から捉え直したものだから、ことさらに別の活動を行ったというわけではないが、CSRは経営課題であるという位置づけのもと、社長を議長とする「CSR推進会議」を設置、現在の取り組みの評価と将来の方向性について経営の意思決定を行っている。そして社内だけでなくグループ全体で行動憲章の理念を共有するため、グループ企業の代表者を集めた「グループ連絡部会」を置き、情報提供や意見交換を行っている。さらに役員や従業員一人ひとりの行動につなげるため、1年かけて各職場、関係会社の社員の意見を聴き、2005年5月に個人の行動における具体的な規範を示した「関西電力グループCSR行動規範」を策定した。昨年は美浜発電所3号機事故などもあり、国から安全文化の綻びを指摘された。CSR行動憲章の理念が、一人ひとりの行動レベルにまで浸透するに至っていなかったとの反省から、改めて浸透に向け地道な取り組みを続けているところだ。

―― 社員は変わったか?//////////
CSRを打ち出す以前からコンプライアンスという切り口で行動のあり方を見直してきたが、原子力だけでなく火力、営業など各部門で問題が起き、それらを教訓に、社会からどう視られているかを学んだことにより、行動は変わってきている。しかし部門や職場による濃淡や個人差もあり、まだ十分ではない。CSRの定着に向け、地道で愚直な取り組みを継続・加速する必要がある。日々の立ち居振る舞いとして正しい行動、美しい行動ができないと、本当に浸透したとは言えない。今、必要なのは個人レベルでのCSRの実践。個人の行動レベルでの定着が必要であり、実践につなげるための取り組みを続けているところだ。

――今後の課題、抱負は? //////////
CSR行動憲章に掲げた6つの行動原則のうち、「人権の尊重と良好な職場環境の構築」「透明性の高い開かれた事業活動」「コンプライアンスの徹底」の3つは、企業として最低限やるべき必須条件。これを徹底的に実施し、足腰を十分鍛え直して基盤を固めた上で、戦略的な課題として「商品・サービスの安全かつ安定的なお届け」「環境問題への先進的な取組み」「地域社会の発展に向けた積極的な貢献」の3つへの取り組みを進めたい。「道徳なき経済は罪悪であり、経済なき道徳は寝言である」という二宮尊徳の言葉のように、経済性と社会性は企業の両輪。両輪があって初めて持続する。本来CSRとは、経済性と社会性を一心同体で捉え、いかに戦略的にサスティナブルに行うかである。それができないとCSRはコンプライアンスの領域に留まり、静的なもので終わってしまう。もっと戦略的にダイナミックにやることが、競争優位につながる。環境問題をコストと捉えるのではなく、それを解決することでビジネスに生かす。また地域に根ざし地域と共に生きる企業である以上、地域の発展がなければ我々の発展もなく、地域社会の発展のあり方を我々自身が戦略的に取り組むべきだと考えている。

――理念を実行に移すところが難しいと思うが? //////////
地道に、愚直に、継続的に、がキーワード。CSRを個人レベルで確実に実践していくために、まずはCSRの考え方を従業員で共有し、CSRの実践が会社のためであることはもちろん、自らの成長にも不可欠だと認識し、自ら進んで実践するようにならないといけない。社会性に誇りを持ち、自らの倫理観に照らして恥じることのない行動を、一人ひとりが日々実践する。それには、指導する側の継続性も必要だ。CSR経営も、個人レベルにまで定着し実行していくには、経営方針として終始一貫したメッセージを発信し、経営層や上司が言い続けることが必要。そうやって足腰を鍛え、戦略的なCSRの推進に挑みたい。■


関西電力グループCSRレポート>>
 http://www.kepco.co.jp/corporate/csr/report.html
  



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