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「関西電力が企業誘致活動?」

2005.10.01
長谷川雅信



関西電力お客さま本部地域開発部
企業進出プロモーショングループ
部長 長谷川雅信



2005年9月16日、松下電器のPDP(プラズマディスプレイパネル)工場が稼働を開始した。PDP生産では世界最大級の量産規模を誇るこの工場は、関西電力尼崎第3発電所跡地に建てられたもの。実は、関西電力には企業誘致に取り組む部門がある。なぜ関西電力が企業誘致活動なのか? どのような活動を行っているのか?──関西電力お客さま本部地域開発部企業進出プロモーショングループの長谷川雅信部長に訊いた。

――そもそも、なぜ関西電力が企業誘致活動なのか? //////////
私たちが企業誘致に取り組んだのは、5年前、2000年10月から。当時、関西経済はどん底で、企業本社は東京へ移転、工場はアジアへ流出という「二重の空洞化」が起こり、何らかの底上げ策が喫緊の課題だった。関西電力は「地域の発展なくして企業の発展なし」という地域密着型企業。事業基盤である関西地域の活性化の一助になり、結果として電力需要の増加に繋げたい。ただ、企業誘致は、あくまでも自治体が主役で、私たちは黒子役。進出を考えている企業と自治体の橋渡しが、私たちの仕事だ。

――企業と自治体の橋渡しとは? どんな活動をしているのか? //////////
誘致のベースは、地道な企業訪問活動。私たちが直接企業を訪問し、進出の意向やニーズをお聴きする。もちろん訪問に先立ち、情報収集を行う。「企業進出に関するアンケート」を年2回、これまで9回、延べ8万社に対して行ったほか、社内2000人の営業マンの情報などをもとに、進出意向を持つ企業を訪問し、自治体の産業団地のご紹介や優遇措置のご説明、私どもの経営資源を活用したトータルソリューションのご提案などを行っている。併せて、私を含め12人のメンバーが、それぞれ担当自治体を持ち、自治体と緊密に情報交換しながら活動を進めている。実績を積むに従い、自治体からも対等なパートナーとして認識いただけるようになったのではないかと考えている。

――自治体間で誘致競争を行っている? //////////
企業誘致は、地域活性化へのインパクトが大きい。そのため優遇措置とか窓口を一本化するワンストップサービスなど、各自治体とも工夫されており、関西の各自治体の取り組みもレベルアップしてきている。その結果、関西の企業立地状況は、件数で全国3位の兵庫県をはじめ、全国的に高い府県が多い。

――誘致対象企業は? //////////
全国の企業が対象だ。業績を伸ばしている会社、設備投資の活発な業種・企業を中心に活動している。エリア外からの誘致も大事だが、エリア内の企業に居続けていただくことも大事で、両面でやっている。近年は製造業の国内回帰と言うか、一旦海外に出た企業の工場が国内に戻ってくる動きもあり、関西に立地いただくよう活動を行っている。

――海外企業の誘致状況は? //////////
先端技術を持つ外資系企業の誘致は地域活性化にも意義があり、各自治体も力を入れているので、私どもも外資系企業への誘致活動を進めている。外資系企業に対して提案活動をしたり、海外投資家への説明会に参画することもある。対象は今は欧米企業が多いが、中国にも日本進出を考えている企業がある。もともとアジアに強い関西なので、今後はアジア企業も視野に入れたい。関西への企業進出をサポートしようと2002年に関西7経済団体の総意によって設立された「関西パートナーシップ協議会(KPS)」が外資系企業誘致に力を入れており、そことも協働している。

―― これまでの成果は? //////////
この5年間、地道な企業訪問を続けた結果、関西進出に私たちが貢献できたと思われる企業は30社以上。製造業を中心に物流や流通業などがある。加えて、これまでの1500社余りの訪問企業から発掘した有望企業がたくさんあり、それらをフォローして進出に繋げていく。

――先頃稼働した松下電器のPDP工場は、
  関西電力の経営資源を生かした例でもあるが? //////////

私どもの尼崎第3発電所の跡地を選んでいただき、感謝している。誘致に際し、兵庫県、尼崎市、地権者である関西電力が、三位一体で活動した成果だと思っている。立地されるに至った理由は、場所が大阪に隣接した尼崎で、松下電器さんの開発拠点に近いこと。発電所跡地なので既にインフラが整備されており、防潮堤などリスク対策も充実していたこと。定期借地という形でイニシャルコストを抑えることができたこと。そして大きな要因としては、ワンストップサービス。兵庫県、尼崎市がトップダウンにより許認可や申請関係をワンストップで対応され、土地の選定から着工まで4カ月という短期間でできたこと。さらに優遇措置として、補助金や税の減免を適用されたのも一つの要素だったと思っている。工場の立地というのは企業のトップシークレットなので、誘致に至るまで、私どもとしては情報管理に最大細心の気を遣って、お手伝いさせていただいた。

――工場稼働による関西経済へのインパクトは? //////////
松下電器さんの尼崎工場と、東芝キヤノンさんの姫路太子工場、それと若干エリア外だがシャープさんの亀山工場の関連集積が滋賀県にも広がってきて、関西が最先端デジタル家電の世界のメッカになりつつある。地域経済活性化の効果はかなり大きいと思う。

――企業進出エリアとしての関西の魅力は? //////////
企業誘致のキーワードは「安・近・短・集」。「安」は、高速道路や空港、鉄道、港など交通アクセスが良いから物流コストが安い。土地の値段は、既にインフラが整備されているからトータルでは却って安い。「近」は、ものづくりの拠点・研究開発拠点への近さと、カナダ一国に匹敵するGDP規模の巨大関西マーケットへの近さ。「短」は、ワンストップ対応で許認可手続きも短く、インフラが整備済みだから建設期間が短い。「集」は関連メーカーや大学・研究機関の集積。「安・近・短・集」のそれぞれの面で関西は他地域より優れている。これに加えるなら、関西は文化遺産に恵まれていて、「環境」面で優れている点もセールスポイントだ。企業誘致というのは、併せて人も呼び込むわけで、特に外国人にアピールするとき、東京と比べた関西の優位性は環境。週末に日本文化に触れていただくには一番いい地域だ。

――今後の課題、抱負は? //////////
関西に最先端のPDP生産拠点ができた。これは非常に裾野の広い業種であり、松下さんの工場立地に伴い基板ガラスやフィルムメーカーなど関連企業の集積や増産の動きもある。PDPの松下さん、SEDの東芝さん、LCDのシャープさんという集積を生かし、関西がデジタル家電の世界に冠たる集積地域になるための活動に力を入れたい。またデジタル家電以外にも、関西にはバイオなど最先端技術の強みを生かした研究拠点集積が進んでいるし、かつて関西経済の地盤沈下要因と言われた重厚長大産業にしても、今は鉄鋼や化学、建設機械も元気で全体を底上げしている。これら産業の大阪ベイエリアを中心とした地域への集積は他地域にない関西の強みであり、今の好調を生かした企業集積も進めたい。私どもの活動エリアは、福井県嶺南地域を含む関西2府5県で、エリアが広いことが強み。立地を検討される企業さんは、進出先をスポットでなくエリアで考える。我々なら各地の産業団地など広域の情報を持っているので、ニーズにあった活動ができると自負している。
関西活性化に向け、地道かつ戦略的なアプローチを続けたいと思っている。■


KANSAI企業立地ガイド
 http://www.kepco.co.jp/i-park/
  



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