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「河川水利用の地域熱供給システムって?」

2005.06.01
関西電力お客さま本部地域開発部地域プロジェクト営業グループの小林正則部長



 関西電力お客さま本部 地域開発部地域プロジェクト営業グループ 
 部長 小林正則



関西電力は、2004年暮れに竣工した中之島の新関電ビルに、河川水を利用した地域熱供給システムを導入。10年余りの実績を持つ熱供給事業に新たな展開を示した。なぜ、河川水なのか、また今後、熱供給事業をどのように推進していくのか――関西電力お客さま本部地域開発部地域プロジェクト営業グループの小林正則部長に訊いた。

――そもそも熱供給事業とは? //////////
冷暖房や給湯などのための冷温水や蒸気などを、1つのプラントから複数のビルや家庭に供給する事業のことだ。ある程度の規模、1000戸以上くらいの暖房に相当する容量で、複数のお客さまに送る。電気、ガスに次ぐ「第3の公共事業」として、熱供給事業法に基づく認可事業になっている。

――地域熱供給システム導入のメリットは?//////////
まず省エネルギー、効率的な熱供給ができることだ。ビルが個別に熱源装置を持つと、それぞれのビルの最大負荷に合わせて設備をつくる必要がある。しかし、オフィスビルと商業ビルでは、昼と夜あるいは平日と休日で冷暖房などの使用時間帯が異なる。だから共同で設備を持てば、機械を休ませることなく効率的に使うことができるし、全体の機器容量も小さくて済む。個別に機械を持たずに済むからビルのスペース効率も良くなるし、屋上に冷却ファンを置く必要がないから屋上緑化ができるなど、美観上の効果もある。

――日本ではいつごろから熱供給が始まったのか? //////////
今から35年前、大阪万博の年に、千里ニュータウンに導入されたのが最初だ。当時の冷暖房はほとんどが油焚きだったから、公害対策の面から、1カ所にまとめてプラントをつくり、効率的な運転で地域に供給しようというのがそもそものスタート。現在では、全国150くらいの地区に導入されている。

――関西電力の取り組みは? //////////
千里はガスによる熱供給だが、関西電力はクリーンな電気を使おうということで、92年に大阪市内の本庄東地区で供給を開始したのが、オール電気による地域熱供給の第1号。大阪ガスさんなどと共同で手がけているUSJや南港コスモスクエア、りんくうタウンなども含めれば、今回の新関電ビルの「中之島3丁目地区」で13番目になる。

――その新関電ビルの熱供給システムの特徴は? //////////
最大の特徴は「河川水の温度差エネルギー」の活用だ。もちろん「オール電気方式」だし、電力の負荷平準化の観点から大規模な「氷蓄熱システム」を採用。そしてできるだけエネルギーを効率的に使いたいので、地下変電所の「排熱」も活用している。

――なぜ、河川水なのか? //////////
冷温水をつくるヒートポンプは非常に効率が良く、大気や水などの外部熱源を利用することで、電気エネルギー1の投入に対し、3や4の熱出力ができる。但し、外部熱源と利用温度の差が大きいと効率が悪くなる。例えば、夏の暑い外気を熱源にすると冷房効率が落ちてしまう。河川水は年間を通じて温度があまり変わらず、大気に比べ夏は冷たく冬は暖かい。だから河川水を外部熱源に使えば、大気を使う場合に比べ14%くらい効率が上がる。幸い中之島は、2つの川に挟まれ、水に恵まれた地域。これを使わない手はないというわけで、北側を流れる堂島川から水を取ってヒートポンプの熱源にし、南側の土佐堀川に返すシステムにした。河川水利用の熱供給システムとしては日本で4番目だが、2つの川を使い分けるのは日本でも初めての使い方だろう。

――なるほど。水の都大阪の面目躍如といったところか? //////////
そう。それに水を使うともう1つ、非常に大きな効果がある。都心部のヒートアイランド現象が問題になるなか、特に大阪の夏はとても暑く、エアコンの排熱でますます暑くなるという悪循環を繰り返している。このシステムなら、冷房したあとの排熱を大気に放出しなくていい。排熱は川に返すわけで、排水口では水温が僅かに上昇するが海に流れて薄まり、ヒートアイランド対策として非常に有効だ。

――中之島がもっと快適な街になると……? //////////
中之島はどんどん変わっていく。3丁目では、新関電ビルに続き、ダイビルも建て替え、2012年には3棟の高層ビルが並ぶ。このエリアに熱供給を行うとともに、2008年開通予定の新しい地下鉄・中之島新線の渡辺橋駅(仮称)への供給計画も進めているところだ。中之島エリアは、国の都市再生本部において、河川水利用の熱供給の整備を含めて、地球温暖化・ヒートアイランド対策のモデル地区に選定されたのも最近の話題。

――他に新たな熱供給プロジェクトの計画は? //////////
品川、汐留と、地域熱供給を採用した大規模開発が同時に立ち上がっている東京に比べ、関西はバブル崩壊後、残念ながら開発ペースが落ちている。ようやく近年、関西の大規模開発も、都市再生緊急整備地域の地域指定を受け、具体的に動き出しているので、関西企業の一員としてサポートしているところだ。地域熱供給は、当初、公害抑制からスタートし、次第に省エネ効果、環境メリットが注目され、採用が進んだが、最近は機器の性能が上がり、必ずしも地域一括で導入しなくても個別に高性能機器を導入するケースが出てきた。しかし同じ条件下なら、当然、地域熱供給システムの方が効率が良い。加えて、関空では発電所排熱、南港では海水の温度差エネルギーなどを使っており、これら「未利用エネルギー」は、ある程度の規模で使ってこそ有効であり、地域熱供給の優位性は十分にある。だから地域開発の動きを我々がどこまで追いかけられるかが勝負だと思っている。

――どのような陣容で、どう取り組んでいるのか? //////////
我々、地域プロジェクト営業グループは、個別の開発計画の上流を面的に追いかけるのがミッション。つまり個別のお客さまに対しては法人営業部が担当しているが、具体的計画の固まる前段階で、白地のエリアの開発計画を追いかけ、開発コンセプトなどに関与する形で活動している。また、少し変わった取り組みとして、2004年からは大阪の府立高校147校に一斉にエアコンを入れ、運転からメンテナンスまで一括して行う事業も始めた。規模は違うが、これも小さな熱供給事業の一環だ。

――今後の抱負は?  //////////
今までは、開発計画に対し「インフラ」提案が主だったが、今後は「まちづくり」提案に力を入れ、幅を拡げていきたい。まちづくりの提案としては3つのポイントがある。1つは「安全・安心」。最近はコジェネなど分散型電源もあるが、関西電力の系統電力は信頼性が高く、万一の災害時にも復旧が早くて安心だ。また、地域熱供給に使う大規模な蓄熱槽の水は、災害時に地域の方に活用していただけるなど、「安全・安心」なまちづくりに貢献できる。2つめは環境性。関西電力の電気はCO2排出が少ない原子力発電のウェイトが高く、また高効率ヒートポンプや未利用エネルギーを活用した地域熱供給システムなどを利用していただければ、結果としてCO2排出量が少ない環境に優しいまちづくりができる。3つめに情報。情報通信事業会社を持つ関西電力グループだからこそ、エネルギーだけでなくITを活用した先進の暮らしをトータルで提案できる。これら3つを強みとして、豊かで快適なまちづくりのパートナーとして選んでいただけるよう、動きたい。■



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