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「自由化拡大で何が変わる?」

2005.01.15
八嶋康博・関西電力企画室企画グループチーフ



 関西電力企画室企画グループ 
 チーフマネジャー 八嶋康博


競争が激化する電力市場。2005年4月には改正電気事業法が施行され、新しい制度的枠組みのもと、自由化範囲もさらに拡大する。改正の狙いは何か、そして電力会社は新制度をどう見ているのか──関西電力企画室企画グループの八嶋康博チーフマネジャーに訊いた。

――電力自由化のこれまでの経緯は? //////////
電力小売自由化は2000年3月にスタート。大工場や大規模商業施設など大口のお客さまが自由化対象となり、電力会社以外の新規参入事業者(PPS)もお客さまに直接電気を小売できるようになった。その進捗を見ながら、01年11月から、経済産業大臣の諮問機関である総合資源エネルギー調査会電気事業分科会で、次の自由化制度改革について審議が行われ、03年2月に答申。同年6月には改正電気事業法が成立し、05年4月から施行されることになった。

――電気事業分科会ではどのような点が審議されたのか? //////////
制度改革の基本的な理念は、電力の安定供給を確保しつつ、事業者間の公平な競争を促進し、お客さまの利益を増進すること。そのため今回の審議では、競争環境の整備を進め、より多くのお客さまが競争の効果を享受できるようにすることが焦点となった。新規参入するPPSの立場から見れば、1.電源供給力、2.託送制度、3.顧客獲得、の3つの要素が必要となる。そのそれぞれの点について、PPSの参入を促進して競争を活性化し、お客さま利益を高めるために、新しい制度を設けることになったわけだ。

――具体的には? 「電力取引所」などができると聞いたが? //////////
まず電源については、PPSが自前で発電所を持つには莫大な投資が必要。かといって自家発電などの余剰電力の確保も簡単ではない。そこで、PPSや発電事業者、電力会社も参加する「卸電力取引所」を創設することになった。扱うのは、スポット(前日)市場と先渡市場の2銘柄。ここでPPSはいい「出物」があれば買えるので、電源調達はずっと容易になるはずだ。また電力会社も、自社のお客さまへの安定供給を大前提に、余剰電力のある時は対応する方針。既に取引担当箇所も新設し、取引所開設に備えている。取引所というと証券取引所のようなイメージがあるが、電力取引はあくまでA社とB社の相対取引がベースで、取引所はそれを補完するもの。PPSの電源調達を容易にするのが主な目的だから、実際の需要に基づいた取引で、株や為替のように転売して利ざやを稼ぐ、といった場ではない。

――「託送制度」については? //////////
PPSが自らの顧客に電気を送るのに電力会社の送配電線を借りることを託送制度と言うが、その際の公平性・透明性の担保をより厳格に行うことになった。このため新たに電力会社、PPS、学識経験者などで構成する「中立機関(電力系統利用協議会)」を設置。流通設備の形成や系統アクセス等に関するルールの策定・監視や、事業者間で紛争が起きた場合の調停のほか、電力会社間に跨る広域取引に関わる連絡調整なども担当する。
また、託送というのは、PPSにすれば、借りる相手がライバルだから、情報が筒抜けになるのではという危惧がある。これまでも、電力会社がPPSに不利な措置をしないようガイドラインを策定して規制していたが、今回、電気事業法に禁止行為を明文化し、違反した場合の罰則も設けた。

――託送制度は広域流通の面でも課題があったようだが? //////////
その点も見直された。従来は、例えば九州に電源を持つPPSが関西のお客さまに電気を売る場合、関西電力に託送料金を払う以外に、九州電力と中国電力にも送電線利用料(通過料金)を払わなくてはいけなかった。つまり電力会社を跨げば跨ぐほど料金が加算されるため、実質的にビジネスの範囲が限られていた。これを解消するため、通過料金制度は事実上廃止され、お客さまがいる地域の電力会社の託送料金のみを払う形に改められた。これがいわゆる「パンケーキの解消」。これにより、同じお客さまに対しては、どの地域から電気を送っても同じ託送料金で競争できるから、全国が「ひとつの市場」になり、電力流通の活性化が期待できる。

――「顧客」という点では、自由化範囲もさらに拡大される? //////////
自由化対象のお客さまは、2000年の自由化スタート時は大規模工場などであり、全販売電力量で約3割だったが、電力供給の選択肢拡大を求める中規模のお客さまや「もっとビジネスチャンスを広げてほしい」というPPSからの要望を受け、04年には中規模工場なども含め約4割、05年4月からは小規模工場やビルまで拡大され、販売電力量の約6割が自由化されることになった。関西電力管内では、約10万軒以上のお客さまが自由化対象となる。

――自由化が進むと、ユーザーにはどんなメリットがある? //////////
やはり最大のメリットは経済性。当然ながら、我々電力会社もPPSに対抗するため、経営効率化を進め、料金値下げに努めてきた。現にここ数年は、ほぼ2年ごとに値下げを行っており、電気料金はかなり安くなっている。特に競争の激しいビル需要などの業務用電力は、2000年度と03年度では全国で2割近くも下がっているのが実態だ。

――しかし経済性優先で供給信頼度が損なわれることはないか? //////////
確かにその点は重要だ。さらに日本はエネルギー基盤が脆弱。エネルギーセキュリティの確保は重要課題だし、CO2排出抑制など環境問題も喫緊の課題。また山間僻地や離島のお客さまが不利益を被らないようユニバーサルサービスの提供も不可欠だ。今回の審議でも、これら公益性の確保について議論されたが、その中でも一番の課題は「自由化と原子力の両立」であった。原子力は発電コストが安く、CO2も排出しないことからメリットは大きく、今後も日本のベース電源であることは間違いない。そこで、原子力、特に多大なコストと期間を要するバックエンド事業を自由化と両立させるための制度・措置について審議がなされ、現在、法案化に向けて、詳細な検討が進められているところだ。
もちろん、何より、当社にとっては、昨年夏の美浜3号機事故を踏まえ、あらゆる努力を積み重ねて、原子力への信頼回復に取り組んでいくことが、まずは最優先の課題と認識している。

――電力会社は今回の新しい自由化制度をどう評価している? //////////
我々も審議には積極的に参画してきており、「日本型自由化モデル」と呼ぶべきものができたと思っている。すなわち「日本型」とは、「民間」ベースで進める点であり、中立機関や卸電力取引所も「民間」だ。諸外国では、国が強力に関与しているところも多いが、日本の場合、経営自主性の最大限確保と行政介入の最小化という前回自由化以来の基本理念を踏襲して、まずは民間でやろう、というものである。そして、その中で、お客さまの利益を考え、安定供給と公平な競争を両立させた点は評価していいのではないか。

――PPSの市場参入は現在どこまで進んでる? //////////
04年11月末現在で市場参入を果たしたPPSは17社、届出出力の合計は548万kW。関西電力管内だけでも約140件、計40万kWのお客さまが、関西電力を離れPPSからの供給を受けている(04年10月1日時点)。また電源にしても大阪ガスさんが堺で120万kWという大規模な発電所建設計画を進めておられ、PPSの攻勢はますます強まっていくと思われる。

――今後、競争が熾烈化するなかで電力会社はどう動く? //////////
自由化を成長のチャンスと捉え、今まで以上にお客さまの視点に立ち、最高のサービスをお届けするとともに社会的責任を全うすることで「お客さま満足No.1企業」をめざす。これが関西電力グループの経営ビジョンだ。電気料金についても、今年4月にもう一段引き下げる予定だ。■



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