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「美浜発電所3号機2次系配管破損事故のご報告」

2004.08.30
 
 関西電力株式会社 
 地域共生・広報室 広報宣伝グループ

2004年8月9日に発生しました美浜発電所3号機事故により、亡くなられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げますとともに、ご遺族のみなさまに対しまして衷心より深くお詫び申し上げます。
負傷された方々が一日も早くご回復なさいますことを心からお祈り申し上げますとともに、負傷された方々とご家族のみなさまに対しまして深くお詫び申し上げます。
地元の方々をはじめ多くのみなさまに、大変なご迷惑とご心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
なお、今回の事故による周辺環境への放射能の影響はありませんでした。
今回の事態を重大なことと受け止め、事故原因の究明と対策に全力を尽くすとともに、再発防止を徹底してまいります。

経 緯

美浜発電所3号機(加圧水型軽水炉 定格電気出力82.6万kW)で、定格熱出力一定運転中の 2004年8月9日、2次系配管破損事故が発生しました。
15時22分、事故発生、火災報知警報が発信され、15時26分には、緊急に出力降下を実施。15時28分、原子炉が自動停止いたしました。

  *2次系: 日本の発電用原子炉の大半は「軽水炉」と呼ばれるもので、ウランの核分裂によって生じた熱を普通の水(軽水)に伝えて蒸気を発生させ、蒸気の力でタービンを回して発電している。
軽水炉には沸騰水型(BWR)と加圧水型(PWR)の2タイプがあり、BWRが原子炉内で発生させた蒸気を直接タービンに導いて発電するのに対し、PWRでは、原子炉を流れる水と、タービン発電機を回す蒸気(水)が別になっているのが特徴。
この原子炉を流れる水の系統を「1次系」、タービン発電機を回す蒸気(水)の系統を「2次系」と呼ぶ。
今回の事故は2次系配管の破損だったため、周辺環境への放射能の影響はなかった。

  ●写真1: 美浜発電所

被災の状況

事故当時、美浜発電所3号機タービン建屋内には、8月14日から実施予定の第21回定期検査の準備のため、協力会社の作業員104人が作業を行っていました。その状況下で、タービン建屋2階天井付近の復水配管に破損が生じ、約140℃、約9気圧の高温水が蒸気となって噴出し、同建屋内に充満。建屋内で作業をしていた方々が被災され、5人の方が亡くなり、6人の方が負傷されました。

  *タービン建屋: 原子炉格納容器の中の蒸気発生器でつくられた蒸気で発電するためのタービン発電機や、タービンを回した後の蒸気を水に戻して、蒸気発生器に送り込む復水器や復水系統などの設備が入っている建物。
  *復水配管: タービン発電機を回した後の蒸気を冷やして水に戻す系統の配管。

  ●写真2: タービン建屋2階天井側の写真(8月9日17:30頃撮影)

破損した配管の状況

復水配管のオリフィス下流部で、軸方向に約500mm幅の大きな破口が確認されました。事故当時、蒸気として流出した水量は約800トンでした。
この配管は、1976年のプラント運転開始時の厚さが10mm(公称)、設計上の必要肉厚は4.7mmでしたが、今回の破損によりめくれている箇所の厚さは、事故後に当社が測定したところ、最も薄い箇所で約1.4mmになっていました。
今回の破損は、オリフィスにより配管内の流れに乱れが生じ、その流れが配管の壁にあたって減肉が進んだためと考えられますが、メカニズムについては今後調査を行います 。

  *オリフィス: 圧力の違いにより流量を測定するために、管路の断面を狭めるために設置する、ドーナツ状に穴のあいているもの。
  *配管の減肉: 流体が繰り返し衝突することによる管の内側の浸食と、錆などによる管の腐食などにより、配管の厚みが薄くなる現象。

  ●図1: 美浜発電所3号機のしくみと復水配管破損箇所(概略系統図)
  ●図2: 復水配管破損部の状況スケッチと写真

作業員の安全確保

事故後直ちに、運転中のすべての発電所のタービン建屋など類似箇所への立ち入りを制限するとともに、やむを得ず作業により立ち入る場合は防火服を着用することにより、作業員の安全を確保しています。

2次系配管の肉厚管理状況

原子力発電所の2次系配管については、1990年に関西電力が策定した「原子力設備2次系配管肉厚の管理指針(PWR)」に基づき、計画的に配管の厚み(肉厚)を測定することにしています。破損した配管の部位は、管理指針上、肉厚を計画的に測定し管理する系統に分類されますが、肉厚を管理すべき箇所としての登録が漏れており、過去に肉厚測定を実施していませんでした。
当社は、原子力安全・保安院の指示により、今回破損した箇所のほかにも肉厚管理が未実施の箇所がないか、約43,000カ所について調査を行い、8月18日、経済産業省に、その調査結果をまとめた「配管減肉事象に係る点検に関する調査報告書」を提出しました。

調査の結果、事故の発生した箇所以外に、下記のとおり肉厚管理が未実施の箇所があることが判明しました。

  1. 肉厚管理未実施 4カ所:美浜発電所3号機、高浜1号機、大飯3・4号機のスチームコンバータ加熱蒸気配管で各1カ所
    (8月16日発表)

  2. 肉厚管理未実施(同一仕様の他プラントの測定結果から健全性を確認)11カ所:高浜3・4号機、大飯3号機の主給水管など
  *スチームコンバータ: 冷暖房装置、タンク水などの加温、海水淡水化装置などへの補助蒸気供給を行う、プラントの補助設備。停止してもプラントの安全運転に影響を与えることはない。

2次系配管の点検

福井県の要請を受け、関西電力は、運転中の原子力発電所を3つのグループに分け、8月13日より計画的に停止し、今回破損した箇所と類似する箇所など配管の肉厚測定を行い、健全性の確認を順次行っています。

停止するプラントのグループ分けと停止する順序は、以下のとおりです(美浜発電所3号機のほか、大飯3号機と高浜4号機は定期検査中であり、現在、運転停止中です)。第1グループについては、8月13日に出力降下を開始、8月17日に点検を開始、8月23日に予定していた点検を完了。8月27日、健全性を確認しました。

  第1グループ: 大飯4号機、高浜2号機、美浜2号機
  第2グループ: 大飯2号機、高浜1号機、美浜1号機
  第3グループ: 大飯1号機、高浜3号機

また、点検リスト未登録箇所14カ所(美浜発電所3号機の1カ所を除く)については、以下のとおり対応しました。

  1. スチームコンバータ加熱蒸気配管の肉厚管理未実施箇所4カ所については、美浜発電所3号機の1カ所を除く、高浜1号機、大飯3・4号機の各1カ所について健全であることを確認しました。

  2. その他の肉厚管理未実施箇所(同一仕様の他プラントの測定結果から健全性を確認)11カ所については、停止中の高浜4号機、大飯3号機のほか、運転中の高浜3号機を第3グループとしての計画から前倒しして停止(8月18日に出力降下を開始、翌19日、原子炉を停止)し、安全確保を図ったうえで、配管の肉厚測定を行い、健全であることを確認しました。
追加点検結果について
  原子力保安検査官には、美浜発電所2号機、高浜発電所2・3・4号機、大飯発電所3・4号機の各ユニットについて確認をいただくとともに、これらの過程において、必要に応じて、美浜発電所2号機6カ所、高浜発電所2号機2カ所、大飯発電所3号機1カ所、大飯発電所4号機3カ所の計12カ所について、肉厚測定を実施いたしました。なお、美浜発電所2号機2カ所(高圧排気管、主給水管)については、評価上問題のない肉厚を有しているものの比較的余寿命が短いことから、県民のみなさまをはじめとする地域のみなさま方に、より安心していただくために、この停止期間中を活用して取替え補修を実施いたします。

これら原子力発電所の停止に対しては、休止中の火力発電機を立ち上げることで供給力を確保し、また需要動向によっては他電力からの応援融通を受電することによって、安定供給に万全を期します。
なお、当社は、火力発電所においても、今回の事故に該当する箇所の配管の肉厚を測定し、技術的に問題のないことを確認しています(2004年8月4日に運転を開始したばかりの舞鶴発電所は経年変化がないため測定対象から除外)。

  *原子力発電所の定期検査: 発電所の設備を安全な状態に維持し、トラブルの未然防止や発電所の安全運転を図ることを目的に、電気事業法の規定に基づいて13カ月に1回行う検査。

  ●写真3: 超音波測定による2次系配管の点検
(8月17日美浜発電所2号機にて撮影)

当面直ちに取り組む対策

8月27日、関西電力は、以下のとおり当面直ちに取り組む対策をまとめました。

  1. 労働安全の確保
    2次系配管の健全性が確認されるまで原則として定期検査前作業準備を実施しない。やむを得ず作業が必要な場合には、防火服の着用等万全の措置を施すこととします。


  2. 組織改正等

    • 原子力事業本部体制の強化:社長が先頭に立って事故原因究明、再発防止対策に取り組むため、社長を原子力事業本部長とします。

    • 福井県への連絡体制の強化:福井県に技術系役員が常駐し、技術的事項の的確な対応を行います。


  3. 2次系配管肉厚管理の厳正化(自ら主体的に管理する体制の確立)

    • 2次系配管肉厚管理票の整備:
      スケルトン図(配管立体図)と「原子力設備2次系配管肉厚の管理指針(PWR)」(以下「管理指針」)を照合し、肉厚管理が必要な箇所の管理票への反映状況を確認し、管理票を整備しました。

    • 2次系配管肉厚管理業務の見直し:
      2次系配管肉厚管理業務については、点検計画の策定や点検結果の評価において協力会社への依存度が高かったため、当社が直接管理指針に照らし確実に管理を行います。

    • 2次系配管肉厚管理票の変更管理:
      2次系の設備改造工事を確実に2次系配管肉厚管理票に反映させるよう変更管理のしくみを見直した上でルール化するとともに、点検箇所に抜けがないかについて定期的なレビューを行います。

  4. 「原子力保全機能強化検討委員会」(仮称)の設置
    今回の事故に鑑み、現行の保全体制の課題を整理し、メーカー等を含む体制の再構築等を検討し、保全業務の高度化を目指すために、社内関係者(原子力以外を含む)および社外有識者で構成する「原子力保全機能強化検討委員会(仮称)」を設置します。

当社は、今後二度と同様の事故を起こさないために、上記の対策に徹底して取り組み、原子力発電所の安全の確保と当社に対する信頼の回復に努めてまいります。(2004年8月30日現在)■


 

■関連プレスリリース>>>
http://www.kepco.co.jp/pressre/index.html
関西電力の報道発表。8月9日以降最新のプレスリリースをご覧いただけます。

■原子力発電所運転状況>>>
http://www.kepco.co.jp/localinfo/live/n_unten/unten_10.htm
関西電力の原子力発電所の運転状況をリアルタイムでご覧いただけます。

■原子力発電について>>>
http://www.kepco.co.jp/gensi/index.html
原子力発電のしくみなどの基礎知識や各発電所の情報などをご覧いただけます。


 『 Insight 』は今後も、美浜発電所3号機の事故につきまして、
新しい情報が入り次第、適宜、みなさまに お知らせしてまいります。  
どうぞご理解のほど、よろしくお願いいたします。


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